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アメリカのゲーム業界の市場規模と内訳

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アメリカは世界最大のゲーム大国です。日本ではスマホゲームの普及に伴って、家庭用ゲーム市場は年々右肩下がりですが、アメリカでの家庭用ゲーム市場は拡大を続けています。以下はCESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)調査による、2015年のアメリカのコンピュータゲーム業界の市場規模を表したグラフです。

アメリカのゲーム業界の市場規模グラフ

※データ出典;CESAゲーム白書(2016年版)

2015年のアメリカ家庭用ゲーム市場規模はおよそ1兆2259億円でした。日本の家庭用ゲーム市場規模が3302億円ですから、4倍近い差があります。実はファミコンが普及した1980年代は、日本が世界最大のゲーム市場でした。しかし、ソニーのプレイステーションが発売された1990年代から、アメリカの家庭用ゲーム市場は大幅に伸びていきました。

元々アメリカにゲームユーザーは大勢いましたが、リアルなグラフィックを好む傾向にあり、多くのユーザーは表現力の高いパソコンゲームを主流にしていました。そんな状況を一変させたのが、1995年にソニーが発売したプレイステーション(以下プレステ)です。プレステは3Dグラフィックの描写を売りにしており、パソコンに引けを取らない表現が可能でした。しかも、プレステの価格は約4万円(最終的には約1万円まで値下げされた)と、パソコンと比較して遙かに安いというメリットがあります。そのため、これまでパソコンゲームをメインにしていたユーザーもプレステを楽しむようになり、以後家庭用ゲーム市場が急激に拡大する要因になったのです。

アメリカでスマホゲームが発展しない理由

一方で、アメリカのスマホゲームの市場規模は8735億円で、日本の9453億円を下回っています。これは日本のスマホゲーム市場が世界一巨大という事もありますが、アメリカではスマホゲームよりも未だ家庭用ゲーム(据え置き機)の人気が高いのが理由です。

アメリカで最も人気の高いゲームジャンルはFPS(ファーストパーソンシューティング。一人称視点で繰り広げられる銃撃戦ゲーム)です。前述の通り、アメリカのゲームユーザーはグラフィックにこだわるので、近年のFPSは実写と区別が付かない程のリアルなグラフィックで表現されています。こうしたクオリティの高いグラフィックのテレビゲームは、プレステ4やXboxOneのような高性能ゲーム機が必要であり、スマホでの表現は困難です。また、FPSでは正確な照準操作が求められるので、大雑把なタップ操作しか出来ないスマホゲームとの相性も悪いです。

他に、アメリカの交通事情も影響していると考えられます。日本でのスマホゲームは、5分や10分の短期間で楽しめる作品が多いです。これは、電車の待ち時間や車内の僅かな合間でも楽しめるように、メーカー側が意図的に短くても楽しめるゲームを開発している事が理由です。それに対し、アメリカは車社会であり通勤や通学で電車を利用する人は少数ゆえに、待ち時間にちょっとだけスマホゲームで遊ぶという状況が少ないのです。事実、DSや3DSといった携帯ゲーム機は日本では爆発的な売り上げを記録しましたが、アメリカでの普及ペースは日本よりも鈍いです。こうした生活環境の違いも、アメリカでスマホゲームがあまり普及しない理由です。

アメリカのゲーム市場規模と内訳まとめ
・アメリカのゲーム業界の市場規模は世界最大
・グラフィックにこだわるので、PS4のような高性能な据え置き機が主流
・生活環境から、スマホゲームは比較的人気が低い

ちなみに、ファミコンが発売される前の1970年代、アメリカではAtari2600(当初の名称はVideo Computer System)というゲーム機が普及していました。しかしソフトメーカーが粗悪なゲームを乱造した結果、クソゲー(完成度が低くてつまらないゲーム)が蔓延し、ゲーム市場が崩壊したという歴史があります。この市場崩壊は「アタリショック」と呼ばれています。

その後、1985年に任天堂がアメリカでファミコンを発売し、アメリカで再びテレビゲーム市場が息を吹き返します。そして上記のように、1995年のプレステ発売で一気に市場が拡大したのです。一度は消滅しかけたアメリカの家庭用ゲーム市場が復活し、現在のような巨大規模にまで成長したのは、任天堂とソニーという日本企業の功績なのです。

余談ですが、アメリカでのファミコンはファミリーコンピュータではなく「Nintendo Entertainment System(ニンテンドー エンタテインメント システム)」という名称で発売されています。これは、アメリカの小売業者にアタリショックをイメージさせないように、任天堂があえてコンピュータというゲーム機を連想する名称を使わなかった事が理由だそうです。

 
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