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米国債の保有額が多い国ランキング(最新)

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以下は、最新(2017年6月末時点)の米国債保有額が多い国のランキングです。データソースはアメリカ財務省の公式統計です。

アメリカ以外の国・地域で保有されている米国債は、合計6兆1700億ドル(約680兆円)です。最も保有額が多いのは中国の1兆1465億ドル(約125兆円)で、二位は日本の1兆900億ドルです。三位以下は大きく引き離しており、日中二カ国の保有額が飛び抜けて多いです。

米国債の保有国ランキング
順位 国名 保有金額
1位 中国 1兆1465億ドル
2 日本 1兆900億ドル
3 アイルランド 3025億ドル
4 ブラジル 2697億ドル
5 ケイマン諸島 2540億ドル
6 スイス 2445億ドル
7 イギリス 2373億ドル
8 ルクセンブルグ 2117億ドル
9 香港 2026億ドル
10 台湾 1844億ドル
その他 -
合計 - 6兆1713億ドル

中国の米国債の保有額が多い理由は、人民元の為替レートを低位に保つために行っている「為替介入」の副産物としてです。貿易で稼ぎたい中国は、通貨=人民元の対ドル為替レートが安い方が有利なので、中央銀行(中国人民銀行)が元売り=米ドル買いの為替介入を常時行っています。そこで買ったドルを米国債に変えて保有し、金利収入も得ている訳です。

中国の米国債保有額は、ピーク時の2013年には1兆2700億ドルまで膨らんでいました。しかしシャドーバンキング問題などの経済不安で人民元の信頼が大きく揺らぎ、キャピタルフライト(資金逃避)による元安が起きています。2016年にビットコインの価格がバブル的上昇を見せたのも、中国人の大量購入が原因でした。

そのため、中国人民銀行はむしろ元を買い支える必要性に駆られており、近年は中国の米国債保有額が減少傾向です。下のグラフのように、2016年末には日本と逆転した時期もあります。

日本と中国の米国債保有額推移

一方で日本は、アメリカの忠実なる属国として、米国債を買わされているという側面があります。確かに日銀も、円高防止の為に円売り=ドル買いの為替介入も行いますが、それが主たる理由で米国債を保有している訳ではありません。

ですが、日本が世界一の経常黒字国である理由の一つが、米国債からの金利収入である事も事実です。100兆円以上の米国債を保有している訳ですから、毎年2〜3兆円相当のドル建て金利収入がある訳です。インバウンドの激増で過去最高を更新した2016年の観光収入が3.7兆円であったことと比較すれば、毎年安定的にある米国債収入が経常黒字に大きく貢献している事がよく分かりますね。

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ケイマン諸島などのタックスヘイブンの正体

なお米国債保有国ランキングの3位がアイルランドであることに驚く人も居るでしょう。よく見ると他にも、ケイマン諸島やルクセンブルグなど、怪しげな存在が上位にランクインしていますね。実はこれらの国・地域は、いわゆるタックスヘイブン(税率が極めて低い国)です。債券や株に投資する際、税金は大きなコスト(注)ですから、ヘッジファンドやETF運用会社などは、ケイマン諸島籍やアイルランド籍でファンドを設立することも増えています。

注;証券や債券にかかる税金は、確実に利回りを阻害する要因です。例えば日本は20%なので、額面金利が100円でも実際に受け取れるのは80円に目減りします。よって、税率の低い地域から投資することは、確実に利益を増やす(損失を減らす)ので有効な投資手法なのです。

従って、アイルランドやケイマン諸島の住人の投資というより、国籍不明の富裕層の資金がこれらの国を経由して、米国債を購入しているというのが真実です。

しかも、その中にはアメリカ人の資金もかなりの割合で混じっていると予測されています。日本の株式市場も、外国人投資家の保有比率は2016年に30%ほど(日本取引所の調査レポートより)ですが、日本人富裕層の資金が海外のファンドを通じて購入する「黒目の外人」が結構な割合を占めていると言われます。

米国債の保有額が多い国ランキングまとめ
・中国と日本の保有割合が突出して多い
・中国人民銀行は人民元安を買い支えるため、米国債の売却を始めた
・ケイマン諸島などのタックスヘイブンの保有分は、実はアメリカ人?

アバウトに言って、世界の富のおよそ半分がアメリカ人(の富裕層)が持っています。ケイマン諸島経由の米国債保有も、実はその大部分がアメリカ人のお金である可能性は高いです。

 
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