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中国の人口推移と将来の増加予測

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2017年現在、中国の人口は約13億8000万人で世界一です。20世紀後半から、経済成長と共に人口も増加してきて、1980年代に10億人の大台を突破したという歴史を辿りました。

しかし2029年頃をピークに、中国の人口は減少に転じると予測されており、しかも高齢化率が日本並に酷いので、様々な社会問題に発展する事が懸念されています。当ページでは、中国の人口や出生率の過去の推移と、将来の予測値から、問題の本質を検鏡してみました。

★中国の将来の人口推移予測〜目次
1.中国の人口推移グラフ
 2015年以降は国連の推計値
2.中国の出生率推移グラフ
 1970年頃は「6」もあったが、近年は「1.5」程度
3.一人っ子政策廃止の影響はどうなる?
 人口増加には時間が掛かるので、酷い高齢化が不可避

中国の人口推移グラフ

以下は、将来の中国の人口推移の予測グラフです。2015年までは確定値、2020年からは国連人口統計の予測値です。

中国の人口推移の予測グラフ

※データ出典;United Nations Population Division (国連人口統計)の中位予測

国連の中位予測によると、中国の人口は当面は増加を続けますが、2029年にピーク(14億4100万人)になります。以後は減少に転じ、2045年頃には現在の人口を下回るという推移です。このように人口減少に転じる理由は、中国政府の一人っ子政策の影響が大きいです。人口増加が問題と見た中国共産党は、1971年に計画出産活動という指針を示し、1979年にはそれが一人っ子政策に発展します。

一人っ子政策は、一組の夫婦につき子供を一人に制限すると定めた制度です(二人目以降を産んだ場合は罰金が科せられる)。中国が社会主義国=計画経済だったからこそ行えた、強引な人口抑制政策です。

中国の出生率推移グラフ

この一人っ子政策の影響で、中国の出生率は急激に低下します。1960年代には「6」を越えていた出生率が、計画出産活動が示された1970年代から急減し始め、1990年代には「2」を割り込みました。このため中国では、日本以上の少子高齢化が急速に進んでいるのです。

中国では、2050年には人口の3割以上を高齢者が占める、超高齢化社会を迎える計算になります。日本でも高齢化が社会問題となっていますが、2016年時点の総人口に占める高齢者の割合は27.3%です。つまり中国の少子高齢化は、現在世界最悪である日本以上に深刻化する訳です。

一人っ子政策廃止の影響はどうなる?

こうした状況に危機感を覚えた中国政府は、2015年に一人っ子政策を廃止し、あらゆる夫婦が子供2人を持てるように制度を改めました。

しかし一人っ子政策廃止の影響が出るのは何十年も先になります。人口増加の効果が表れるには、出生率が高まった時の子供達が成長し子供を産む年齢になって以降だからです。従って2050年頃までは、中国の人口減少〜高齢化は避けられない状況です。

そもそも、中国の社会システムが一人っ子政策を前提に組まれたため、学校などの施設が不足しているという問題もあります。そして高齢者を支える医療や年金制度が未発達なので、日本以上に社会不安が大きな国だと言えます。

なお、中国の農村部では男尊女卑の傾向が根強く、女の子だと判明したら中絶する夫婦も少なくありませんでした。ゆえに、中国では女性の数が少なく、男性の方が3000万人以上も多いという統計が発表されています。男女比がいびつなため、結婚出来ない男性も多くなり、更なる社会不安を生む要因になっています。

中国共産党に対する民衆デモが頻発するのは、経済は成長していてもこうした社会不安が根強い事が根底にあります。そして習近平政権は、党に対する不満を(工作員を動員して)反日デモにすり替えてガス抜きするだけで、根本的な解決を行いません。よって中国では、弱者に対するセーフティーネットが未構築なままなのです。

中国の将来の人口予測まとめ
・中国の人口は2030年以降は減少すると予測されている
・一人っ子政策で少子高齢化が進んだ事が最大の理由
・どんな政策を施そうとも、人口増加に転じるには時間が掛かる

中国では日本を抜いてGDP世界第二位になりましたが、いびつな人口形態と習近平政権の無策によって、日本以上に未来が暗い国なのです。ちなみに2030年代には、インドに人口が抜かれるという予測です。そのインドでは、出生率の減少カーブが中国よりも緩やかで、当面は人口形態が若いままなので、中国ほど大きな社会問題には発展しないだろうと予測されています。

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