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マラソン大会の経済効果

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近年、日本各地でマラソン大会の開催が増えています。「YOMIURI ONLINE」によると、2015年に開催されたランニングイベントは全国で2千以上で、フルマラソンに限っても197大会が行われたという事です。

マラソン大会が数多く開催される理由は、自治体にとって経済効果が高いからです。マラソン大会が行われると、参加選手、観客、報道メディア、スポンサー関係者など多くの人がその地域を訪れ、交通費や宿泊費、飲食費などが消費され、地元に沢山のお金が落ちるわけです。関西大学大学院教授の宮本勝浩氏(※注)の著書「経済効果ってなんだろう?」によると、2009年に開催された第一回大阪マラソンの経済効果は約124億円と推察されています。

※注;宮本教授は阪神タイガース優勝の経済効果を発表した事で有名な「虎キチ」です。

大阪マラソンの経済効果の内訳は、交通費が約38億円、宿泊費が約5.6億円、飲食費が約24億円、関連グッズの売上が約3億円など、直接効果だけでおよそ100億円、これに二次波及効果を含める事で124億円と算出されています。この金額は、日本でも昔から有名なハワイ=ホノルルマラソンに匹敵する規模です。

ところが、大阪やホノルルマラソンの経済効果などまだ小さい方で、東京国際マラソンは301億円、ニューヨークシティマラソンは473億円と推測されています。東京国際マラソンおよびニューヨークシティマラソンは世界6大マラソン大会に数えられており、特にニューヨークシティマラソンの参加人数は完走者だけでも5万人以上(途中リタイヤを含めると更に多い)、観衆は200万人と世界最大規模の大会となっています。

コスト(設備投資)が少なく、観客にも分かりやすい

それに加えて、マラソンという競技は大会運営が比較的しやすい事も、自治体にとってのメリットです。コースは基本的に公道なので、設備投資〜スタジアムの建設や維持費が必要なく、都会だろうが田舎だろうが開催できます。また、野球やサッカーなど他のスポーツと違ってルールが単純明快、しかもその大変さや頑張っている事が誰にでも理解できるので、応援しやすい=観客数も多いという図式も成り立ちます。こうしたメリットの多さもあって、マラソン大会が頻繁に開催されるようになったのです。

更に近年では、一般の人でも参加出来る市民マラソンが増えています。市民マラソンが盛り上がりを見せるようになったのは、2007年から始まった「東京マラソン」です。参加者はエントリーした中から抽選で決まる仕組みで、第1回の参加倍率は3.1倍でしたが、年々エントリー者は増加し、今年2018年の第12回は12.1倍にまで膨れ上がっています。

レジャー白書2016によると、年1回以上ジョギングやマラソンを行う人の数は2190万人(前年からプラス50万人)と増加傾向にあります。近年は世の中の健康志向が高まっており、それがマラソン人口の増加にも繋がっていると言えます。

マラソン大会の経済効果まとめ
・マラソン大会を開催すると、交通費や宿泊や飲食で地域にお金が落ちる
・世界最大のニューヨークシティマラソンの経済効果は473億円
・設備投資がほぼ必要無いので、どんな地方でも開催が可能

一方で、マラソンの経済効果算出については、マイナス面がほとんど考慮されていないという問題点もあります。大会中の数時間は道路を完全封鎖するので、周辺道路も渋滞が発生しやすく、運送の遅延などのデメリットが起きます。無論、道路が封鎖されて周辺住民の生活も不便になります。地元で商売をやっている人以外は、むしろ迷惑な行為に思われている・・・という事実を、開催する自治体も考慮すべきだと思いますね。

 
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