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世界各国の幸福度ランキングの比較(国連とその他の調査)

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国連は毎年「世界幸福度報告」を発表しています。これは、アメリカの調査会社「The Gallup Organization」が、世界150カ国以上を対象に行ったアンケート調査を基にした、各国の幸福度のランキングです。一方で、幸福度ランキングを発表しているのは国連以外にもあり、例えばスイスの調査期間「WIN/Gallup International Association」による調査も有名です。

※どちらの調査会社もGallup(ギャラップ)という名が付いていますが、互いに無関係な別々の会社です。非常にややこしいですが、当サイトでは世界幸福度報告を「国連」、もう一方の幸福度調査を「WIN/GIA」と表記します。

では各社によって、ランキングはどの程度差があるのかを、2017年の数値で比較してみます。なお国連は155カ国、WIN/GIAは55カ国と、調査対象の国数が異なるのでご注意を。

世界幸福度ランキング(2017年版)
国名 国連調査 WIN/GIA
日本 51位(5.920) 18位(54%)
アメリカ 14位(6.993) 25位(50%)
イギリス 19位(6.714) 37位(42%)
フランス 31位(6.442) 35位(43%)
ドイツ 16位(6.951) 41位(38%)
ロシア 49位(5.963) 25位(50%)
オーストラリア 9位(7.284) -
韓国 55位(5.838) 37位(42%)
コロンビア 36位(6.357) 2位(87%)
フィリピン 72位(5.430 3位(84%)
メキシコ 25位(6.578) 4位(82%)
インド 122位(4.315) 9位(64%)
ブラジル 22位(6.635) 50位(28%)
イラン 108位(4.692) 55位(5%)
デンマーク 2位(7.522) -
アイスランド 3位(7.504) -
スイス 4位(7.494) -
中国 79位(5.273) -
フィジー - 1位(92%)

まず両者の定義の違いです。国連のランキングは、主観幸福度が用いられています。これは、自分が最高に幸福だと思う生活を10、最悪な生活を0と仮定し、現在の自分の暮らしが何点と感じるかを答えてもらうという方法です。

一方、WIN/GIAのアンケートは純粋幸福度を調査しています。これは、幸せの度合いを5段階で評価(とても幸せ、幸せ、どちらでもない、不幸、とても不幸)してもらい「とても幸せ」と「幸せ」の合計割合から「不幸」「とても不幸」の合計割合を差し引く事で算出されます。

違いをまとめると、国連のランキングは「現状は自分の理想像と比較してどうか?」という相対評価で、WIN/GIAは「自分の現状に満足しているか?」という絶対評価だという事です。

※国連の幸福度ランキングでは、人口あたりGDP、社会的支援、健康寿命、人生選択の自由度、寛容さ、腐敗の認識、の6つの説明変数も合わせて発表されていますが、これは幸福度の算出には用いられてません。説明変数は、主観幸福度が何に起因しているかをこじつけた、国連の推測に過ぎず、あまり意味がない数値です。

日本の幸福度ランキングは国連版では51位と低く、先進国では最下位となっています。一方でWIN/GIA版では18位で、アメリカやドイツ・フランスなどの欧米諸国よりも高いです。つまり日本人は『自分の理想像とは遠いが、そこそこ満足した人生を送っている』と感じている人の割合が多いという事が読み取れます。

日本は他の先進国と比較すれば、貧富の差は少なく、人種差別や身分差別なども少ないです。また日本には国民皆保険制度があり、誰でも安価に病気やケガの治療が受けられます。日本のように女性や子供が夜道を一人で歩ける国は、世界ではほとんど存在しません。

日本では、ブラック企業や未婚率の上昇、将来の年金不安など、各個人のおかれている状況は厳しいものがあるので、理想とのギャップを図る国連の調査では低くなるのです。一方で現実を見れば「世界の国と比較すれば恵まれてる方だな」と、そこそこ豊かな現状に納得している国民が多いのだという事です。

国連では北欧諸国が、WIN/GIAではフィジーなど途上国が上位

国連版の幸福度ランキングでは、デンマークが2位、アイスランドが3位、スイスが4位と、ヨーロッパの国が上位を占めています。上記ランキングには記載していませんが、国連で1位のノルウェーもヨーロッパです。これら北欧諸国は福祉が充実しており、医療費や教育費などが無料で安定した暮らしが出来る事が、順位を押し上げていると推測出来ます。

※これら北欧諸国はWIN/GIAの幸福度ランキング調査国には入って居ません。

そして、WIN/GIA版のランキング1位はフィジーです(国連版では対象外)。フィジーはオーストラリアの東に位置し、およそ330の小さな島々から成る国です。人口は約90万人と少なく、面積も四国と同程度という小国です。

フィジーには、みんなで助け合って生活する「ケレケレ」という独自の文化があります。「自分の物はみんなの物、みんなの物は自分の物」という精神が根付いているため、食事や衣類、更にはお金まで、国民の誰もが相互に提供しあう事が当たり前になっているのです。経済的には決して豊かな国ではないものの、ケレケレのおかげで生活に困る心配がないため、大多数の国民が幸福な生活を送っているという事です。

★関連ページ;世界各国の幸福度と豊かさ(一人当たりGDP)の相関

余談ですが、2018年7月3日より、成田からフィジーへの直行便が就航するそうです。今後は、世界一幸福な国(?)であるフィジーへの旅行客が増える可能性もありそうです。

国連とWIN/GIAの幸福度ランキング比較まとめ
・日本人は、理想とは遠いが、現状にそこそこ満足している
・北欧諸国は福祉の充実などの理由で国連調査では幸福度が高い
・フィジーはケレケレ文化で、自分が幸福だと感じている国民が多い

国連とWIN/GIA、どちらの幸福度ランキングも、国民へのアンケート結果から導き出されています。にも関わらずランキング結果には大きな差があり、特にインドは国連が122位・WIN/GIAが9位と大差があります。WIN/GIA版ではフィジー以外にも、コロンビア・フィリピン・メキシコなど途上国がランキング上位に居ます。

国連の調査のように、理想とのギャップを問われれば先進国の方が有利です。しかし現状が幸福かどうかを問われれば、金銭的には貧しくとも楽天的に暮らしている新興国・途上国の国民の方がポイントが高いのです。幸福とは何なのか?考えさせられる事例ですね。

 
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