世界の言語人口ランキング〜最も多く使われる言葉は？

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現在、世界で話されている言語は3000〜7000あると言われています。しかし、世界で広く用いられている言語はわずか10〜20程度しかなく、近い将来には「大多数の言語が消滅する」と予測する言語学者も多いです。以下は、世界の言語人口（※母語話者数）のランキング表と、その分布を表した世界地図です。

※母語とは、その国の人が幼少期から自然に習得する言語のこと。

※出典：Wikipedia。但し実際には、日本語やドイツ語を母語とする人数はもっと少ないと推測されますが、出典通りにランキングしています。

世界で最も多く使われる言葉は中国語で、使用者はおよそ13億7000万人です。中国の人口は約13億8000万人で世界一なので、中国語の使用者数もダントツで最多です。他に台湾やシンガポールなどでも、一部で中国語が使われています。　

2番目に多いのは、使用人口5億3000万人の英語です。アメリカをはじめ、イギリス・カナダ・オーストラリア・南アフリカなど、世界中の様々な国で英語が使われています。またインドやフィリピンでも、高所得・高学歴層は英語がネイティブ言語となっています。

何より英語は、事実上の世界共通言語として普及しています。近年は日本でも外国人観光客が激増していますが、彼らが我々に話しかける言語は、頑張って日本語で話すか、英語かのどちらかであることは、皆さんも実感しているでしょう。中国人だろうが韓国だろうが、必ず英語を仲介言語として話しますが、これは日本だけに限らず、全世界どの国でも同じ現象です。

広く普及した言語の背景には、戦争や宗教があった

ランキング3位は、インドの公用語になっているヒンディー語の4億9000万人です。しかしインドの人口は約13億4000万人なので、実際にヒンディー語を使っているのは半数にも満たない事になります。インドで他に使われている言語は英語で、使用人口はおよそ1億2000万人と、アメリカに次ぐ世界で2番目に利用者が多い国です。

★関連ページ；インドの将来の人口推移予測

そもそもインドは他民族・多言語国家であり、ヒンディー語や英語以外にも、ベンガル語・ウルドゥー語・アッサム語・カンナダ語など様々な言語が用いられています。中には、公用語のヒンディー語が通じない地域もあるほど、カオスな国家です。

4位は4億2000万人のスペイン語です。スペインの人口は5000万人弱しかいませんが、それ以外に中南米のほとんどの国でスペイン語が用いられています。日本では馴染みが薄いですが、世界的には英語に次いで重要視されている言語です。

1492年のコロンブスの新大陸発見以後、スペインが中南米の大半を植民地化した事が、スペイン語が広まっている理由です。ブラジルだけはポルトガルの植民地だったため、中南米では例外的存在です。とはいえ、スペイン語とポルトガル語は単語や文法などが酷似しており、お互いの言葉は概ね理解できるという事です。

ランキング5位は、2億3000万人のアラビア語です。昔はアラビア半島の一部でしか使われていなかった言語ですが、世界3大宗教の一つであるイスラム教の聖典「コーラン」がアラビア語で書かれていたため、中東や北アフリカへのイスラム教の広まりと共に、アラビア語の人口も増えていったのです。ちなみにアラビア語は、文章を右から左に書く、文字が繋がって見えるので判読しにくい、発音が独特、といった特徴があるため、世界一難しい言語とも言われています。

ドイツ語がスイスやオーストリアなどの隣国で話されるのも、戦争による統治・分断の歴史が原因です。世界で利用者が多い言語の大半は、政治的・宗教的理由から広まっており、日本語のように単一の島国だけで発展してきて、他の言語を受け付けなかった国は世界でも珍しいのです。

世界の言語人口ランキングまとめ
・世界で最も多く使われる（人口の多い）言語は中国語
・英語は2位だが、事実上の世界共通語
・中南米は植民地だった関係でスペイン語の国が多い
・アラビア語はイスラム教の広まりで人口が大きく増えた

なお、フランス語は母語話者数としては11位でランク外ですが、第二言語などを含めると使用人口は2億人を超えます。フランス語は世界29カ国で公用語になっており、英語に次いで多くの国で使われている言語となっています。上記世界地図には記しませんでしたが、アフリカの中〜南部の国家では（やはり植民地化の歴史から）フランス語の利用率が高いです。