HOME > 医療と健康 > アメリカ人に肥満が多い明確な理由
一般的に「アメリカ人はデブが多い」というイメージがありますよね。実際に、アメリカ人に肥満が多い事はデータ上から明らかです。以下の表は、WHOによる、世界189カ国を対象にした成人肥満度ランキングの中から、主要な13カ国を抜き出した物です。それと併せて、総務省が調査した各国の1日あたりのカロリー摂取量も併記しました。
世界の主要国の肥満率と1日の摂取カロリー | |||
肥満率 | 肥満率順位 | 平均摂取カロリー | |
日本 | 4.5% | 166位 | 2726kcal |
アメリカ | 31.8 | 24 | 3682 |
イギリス | 24.9 | 47 | 3424 |
フランス | 15.6 | 120 | 3482 |
ドイツ | 21.3 | 83 | 3499 |
イタリア | 17.2 | 108 | 3579 |
カナダ | 24.3 | 58 | 3494 |
ブラジル | 19.5 | 95 | 3263 |
ロシア | 24.9 | 47 | 3361 |
インド | 1.9 | 182 | 2459 |
中国 | 5.6 | 151 | 3108 |
韓国 | 7.3 | 141 | 3334 |
オーストラリア | 25.1 | 44 | 3276 |
※肥満度を表す国際的な指標は、1835年にベルギーのアドルフ・ケトレーによって作られたBMIが標準です。BMIは[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]の計算式で求められ、WHO(世界保健機構)の基準では、BMIが30以上の人を肥満と定めています(日本肥満学会ではBMI25以上が肥満)。
アメリカの肥満率は31.8%で全体で24位ですが、先進国では最も高いです。そして、デブが多い理由も明白で、アメリカ人の摂取カロリーは1日あたり3682kcalと主要国で最多です。これは日本人より1000kcal近く多い数字ですから、日本人とアメリカ人の体格差を踏まえても、カロリー摂取量が多すぎる事は明らかです。
ちなみにマクドナルドのドリンクは、日本のLサイズよりもアメリカのMサイズの方が大きい(Lサイズ同士の比較では約1.5倍差)事からも、標準的な食事量が大きく違う事がわかります。アメリカ人に肥満が多いというのは、カロリーの摂りすぎという明確な理由に表れているのです。
一方、日本は肥満率4.5%で166位と低いです。それもそのはず、日本人は1日の平均摂取カロリーは2726kcalと、主要国と比較して圧倒的に少ない事が、肥満率の低い理由です。和食がヘルシーな事や、ダイエット嗜好の女性が多い事などが、摂取カロリーが少ない理由です。
日本よりも更に肥満が少ないのがインドで、肥満率はわずか1.9%です。インド人のおよそ80%はヒンドゥー教徒であり、肉を食べないベジタリアンが多い事、またそもそも貧困で満足に食事できない人も多い事が、肥満率の低さに繋がっていると推測されます。ただし、近年のインドでは生活水準の上昇と共に、肥満と糖尿病が増加傾向にあるというデータもあるようです。日本も戦後の貧困期から、生活が豊かになるにつれ、デブが増えていったのと同じですね。
アメリカ人に肥満が多い明確な理由まとめ
・アメリカの成人肥満率は31.8%にも上る
・アメリカ人は摂取カロリーが先進国で最大なのが、デブの多い理由
・日本人は世界的には非常に肥満体が少ない
ちなみに、上記表には記載していませんが、世界で最も肥満率の高い国は南太平洋の小国ナウルで、その肥満率は何と71.1%です。これだけ肥満体が多い理由は、国民の大半が仕事をしておらず、失業率が90%にも上っている事です。
1900年頃、ナウルでは良質なリン鉱石が大量に採掘出来たため、それを輸出する事で労せず大金を得る事が出来たのです。国民に税金は課せられておらず、また医療費や電気代も不要(国持ち)などと、働かなくても生活出来る豊かな環境だったのです。当然、働かないナウル国民の生活はニートの如く怠惰になり、それが71.1%という肥満率を招いたのです。ですが20世紀末にリン鉱石が枯渇し、経済は崩壊しました。近年のナウルは、海外からの援助で賄っている状況ですが、国民の勤労意欲のなさは未だに改善されておらず、デブが国民病として蔓延したままです。