日本と世界の統計データ

日本人の視力が年々低下している事を示すデータ

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近年はパソコンやスマホの影響で近い位置ばかり見るようになった事で、日本人の視力は低下しています。調査会社GFKジャパンが2015年に全国36600人を対象に行ったアンケートによると、日本人のメガネおよびコンタクトレンズ使用者は全体の69%だったとの事です(メガネとコンタクトの併用者は26%)。

実際に日本人の目はどの程度悪くなっているのでしょう?視力低下の裏付ける資料として、総務省の学校保健統計調査の中にデータがあります。そのうち、小学生および高校生で「視力1.0未満」の生徒の割合をグラフ化したものです。

視力1.0未満の学生の割合推移

1979年では、小学生の視力1.0未満の割合は17.91%でしたが、2015年では30.97%と大幅に増加しています。高校生についても、1979年の視力1.0未満53.02%に対し、2015年は63.79%とやはり悪化しています。そして男女で明確な差は無く、共に悪化傾向です。

昔と比べて視力が落ちた理由は、携帯電話やゲーム機等の普及による影響が大きいです。特に近年では、スマホの登場が視力の低下に拍車を掛けたと考えられます。

子供の視力は年々悪化している・・・

上記グラフには記載していませんが、より視力の悪い「0.3未満」の割合は更に顕著というデータもあります。1979年では、視力0.3未満の小学生の割合は2.67%でしたが、2015年は8.32%と3倍以上に増えています。高校生については、1979年が26.29%、2015年が35.16%と、こちらも大幅に増加しています。このように日本人の視力の推移は、明確に低下傾向にあります。

残念ながら、成人に関する大規模な視力検査データは存在しないです。しかし、一度落ちた視力は基本的に回復する事はないとされるので、視力1.0未満の成人の割合は、高校生(63.79%)よりも更に多い事は間違いないです。

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視力の低下は、長時間同じ距離のものを見続ける事が大きな原因です。ゆえに、パソコンやスマホを長時間使用する際は、目を休める(時々中断する)、遠くを眺める、などの対策で悪化をある程度防げるというのが定説です。

というのも、視力は先天的な要因(遺伝)だけでなく、後天的な要因(日頃の目の使い方)によっても大きく変化する事が、様々な研究で証明されています。例えばアフリカ人〜特にサバンナで野生生活を営む人達は、視力が非常に良いことで知られていますが、遺伝だけが理由ではありません。彼らは草原のような広大な空間で、獲物を認識したり猛獣から逃げるために、常に遠くを見ながら生活する必要に晒されています。つまり、長時間近くを集中して見る事の少ないアフリカの生活では、視力の低下が起こらずむしろ遠方を見る力が開発されるようです。

日本人の視力低下の推移データと理由まとめ
・視力1.0未満および0.3未満の割合は、小学生・高校生共に悪化傾向
・視力低下の原因はゲーム機・パソコン・スマホなどの普及
・目の良さは遺伝だけでなく、後天的な要因でも変化する

ただし紫外線は目に悪影響を及ぼすため、屋外で生活する時間の長いアフリカ人は、大人になるに連れて視力が低下するというデータもあります。ギニア共和国出身のタレント=オスマン・サンコン氏は、来日前は視力6.0だったそうですが、長年日本で生活を続けた事で、現在の視力は1.0未満にまで低下しているとの事です。この事例からも分かるように、日本のような電子機器に囲まれた環境で生活することは、目に負担を掛けて視力低下を招くのです。

 
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