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日本人は、欧米人と比較して体格が小柄である事は、誰しもが認識しているでしょう。では、実際にどの程度の差があるのか?世界各国の平均身長ランキングで比較してみました。
世界各国の平均身長ランキング | |||
国名 | 男性平均 | 女性平均 | 備考 |
オランダ | 183.8cm | 170.7cm | 男女とも平均身長が世界一 |
モンテネグロ | 183.2 | 168.4 | ランキング2位 |
デンマーク | 182.6 | 168.7 | ランキング3位 |
アメリカ | 176.4 | 162.9 | 移民が平均値を下げている |
イギリス | 177.8 | 164.5 | |
フランス | 175.6 | 162.5 | |
ドイツ | 181.0 | 168.0 | 英仏よりもかなり高い |
スペイン | 175.3 | 162.6 | 欧州先進国では最小 |
日本 | 170.7 | 158.0 | 40歳台の平均 |
韓国 | 173.0 | 不明 | |
中国 | 167.1 | 155.8 | |
インド | 161.2 | 152.1 | |
べトナム | 165.7 | 155.2 | |
フィリピン | 161.9 | 150.2 | |
ボリビア | 160.0 | 142.2 | 女性はワースト1位 |
インドネシア | 158.0 | 147.0 | 男性はワースト1位 |
メキシコ | 172.0 | 159.0 | |
ブラジル | 173.0 | 161.1 | |
世界平均 | 173.0cm | 161.0cm |
※基本ソースは英語版Wikipedia。国によって集計年や調査方法に差があります。
日本人の平均身長(40歳台)は、男性が170.7cm、女性が158.0cmです。20歳台の男性は171.5cmという別の統計もありますが、いずれにせよ、世界の平均身長(男性が173センチ・女性が161センチ)よりもやや小柄な事は間違いない訳です。
それを裏付ける別の統計も紹介しておきます。2018年のサッカーワールドカップに出場した32ヶ国中、日本選手の平均身長は30位(178.8cm)と小さかったです。優勝したフランス代表の平均身長は183.3センチ、日本が敗れたベルギーは185.3センチ、前回優勝国のドイツは185.8センチでした。強豪国ながら伝統的に小柄な事で知られるアルゼンチン(178.9cm)やメキシコ(179.2cm)にすら劣っていたので、日本代表は明らかに体格的に不利だった訳です。
平均身長の世界ランキング1位は男女ともオランダ人(男性183.8cm、女性170.7cm)です。日本人と比較すると、オランダ女性が日本男性とほぼ同じですから、体格差は歴然です。
実は、かつてのオランダ人は小柄でしたが、この150年で平均身長が20cmも伸びたというデータがあります。アメリカ人は150年で約6cmしか伸びていないので、この伸びは先進国としては圧倒的です。
オランダ人の身長が伸びた理由として、酪農国なので国民が乳製品を多く摂取しているからだ・・・という口コミが一般的ですが、そんな国は欧州には沢山あるので説得力は弱いです。
よって、実はホルモンバランスが影響しているのでは?という裏の学説も有力視されています。ヨーロッパでは、1950〜1970年頃まで牛や豚のエサに成長ホルモン剤が使用されており、それらの肉を多く食べていたオランダ人の身体に影響を及ぼした、という学説です(現在ではホルモン剤は禁止されている)。
平均身長ランキングの2位は183.2cmのモンテネグロ、3位は182.6cmのデンマークと、上位3国は全てヨーロッパの国々です。また上記表には記載していませんが、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなど北欧の国も、男性の平均身長は180cmほどあります。
一方で、アメリカ人は大柄なイメージを持つでしょうが、実際の平均身長は男性176.4cm、女性162.9cmと、意外と大きくないです。その理由は、アメリカは多くの移民が集まる国だからで、特に中米〜ヒスパニック系の人種が平均値を下げているのです。上記の比較表にあるように、メキシコ人は日本と同程度ですし、他の中南米諸国も総じて身長は高くありません。
また日本の隣国である中国や韓国も、平均身長は日本と同レベルで、世界的には小柄です。
このように、中南米やアジア諸国の平均身長が低く、ヨーロッパ〜特に北欧諸国が大柄であるの理由として、ドイツの生物学者クリスティアン・ベルクマンが提唱した「ベルクマンの法則」が有力な学説です。
ベルクマンの法則とは、温かい地域に住む生物は身体が小さくなり、寒い地域では大きくなるという理論です。暑い地域に住む生物は、身体から熱を発散させるために、体重当たりの体表面積が大きい事、つまり身体が小さい方が環境に適応しやすいです。逆に、寒い地域では体温を維持する(熱を発散させない)ために、身体が大きい方が生存に有利です。
例えば、日本国内のシカについては、沖縄県のケラマジカが最も小さく、北海道のエゾシカが最大サイズです。アジアに多く生息するツキノワグマは体長130〜200cm程度ですが、温帯から寒帯に生息するヒグマ(グリズリー)は150〜300cm、北極に住むホッキョクグマは200〜300cmと、寒い地域の方が身体が巨大化する傾向が見られます。
世界各国の平均身長ランキングまとめ
・日本人の平均身長は170.7cmで、世界平均を下回る
・世界で平均身長が最も高い国は183.8cmのオランダ
・ベルクマンの法則=寒い地域の生物ほど身体が大きくなる
世界の平均身長ランキングで低い国を見ると、3位が161.9cmのフィリピン、2位が160.0cmのボリビア、1位(最も小柄な国)が158.0cmのインドネシアです。これら3国はいずれも赤道近くの暑い国なので、ベルクマンの法則は当てはまっていると言えます。
一方で、単純に新興国・発展途上国ほど栄養摂取量が不十分なために、身長も低いのだという説も有力です。中国、インド、ベトナム等はご存知の通りですし、ボリビアも南米で最も貧しい国(一人当たりGDPが最低)です。日本人も、江戸時代や第二次大戦直後は現在よりも遙かに小柄で、戦後の経済発展と共に平均身長も伸びてきたのです。