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温泉旅行に行く場合、ネットの口コミ情報を見て行き先を決める人は多いでしょう。ところが、ネットの温泉ランキングはサイトによって上位がバラバラで、どれが本当に人気なのか?分かりにくい現状があります。また近年では、口コミのステマ(提灯記事)も横行しており、ネットの情報が信用ならないと感じる人も増えています。
そこで当サイトでは、るるぶ、HIS、じゃらん、楽天トラベルの大手旅行サイト4社が発表している温泉ランキングを集計した、本当の人気温泉ランキングを出してみました。各社の情報にステマ・やらせが混じっていても、合計して分母を増やした平均的を見れば、各々のステマの威力が薄まって、それなりに信用できるランキングになると予想されるからです。
※総合ランキングの算出方法は、各サイトの順位1位を10ポイント、2位を9ポイント、3位を8ポイント…(中略)10位1ポイント、11以下は0ポイントとし、4社それぞれのポイントを合計評価を算出しています。以下の表が、当サイトが集計した2016年版の総合ランキングです。
なお、るるぶは5位までしか情報が無いので、5ポイント以下は無しとして計算しています。
真の?日本の人気温泉ランキング | ||
順位 | 温泉名 | ポイント |
1位 | 草津 | 36 |
2 | 別府 | 23 |
3 | 箱根 | 18 |
4 | 湯布院 | 17 |
5 | 鬼怒川(きぬがわ) | 16 |
6 | 白浜 | 11 |
6 | 登別 | 11 |
6 | 道後 | 11 |
9 | 熱海 | 10 |
9 | 下呂 | 10 |
人気ランキング1位は群馬県の草津温泉(36ポイント)でした。草津は旅行サイト4社の全てにトップ10入りしている唯一の温泉であり、2位に1.5倍以上の差を付ける圧倒的な結果となっています。ということで、草津温泉が本当に人気ナンバーワンと見ても良いのではないでしょうか? 草津温泉は「湯畑」が有名であり、日本人のみならず、外国人観光客も多く訪れる名所となっている事が、人気が高い要因です。
※草津温泉の湯畑の写真
2位は23ポイントで、大分県の別府温泉です。別府の地域全体の湧出量は、アメリカのイエローストーン国立公園に次ぐ世界第2位を誇っています。そして、別府市内の源泉数2217は世界1位です。源泉数で日本2位の由布院が879ですから、ダブルスコアを付けいます。沢山のお風呂があることで、誰しもがお気に入りの湯が見つかりやすい事が、上位人気を獲得した理由です。
3位は神奈川県の箱根温泉が、18ポイントでランクイン。箱根は温泉郷として東京から最も近い点がメリットであり、都心に住んでいても日帰りで温泉を楽しむ事も出来ます。中でも有名なのが、箱根十七湯です。これは箱根に湧いている、様々な泉質を持った特徴的な17の温泉を指します。個性的な17種の温泉を比べてれるという楽しみ方が、人気の理由と思われます。
一方で温泉地としてテレビドラマ等で度々登場する、静岡県の熱海温泉は9位でした。しかも、熱海温泉の10ポイントは楽天トラベルで1位になった点数であり、他のサイトは全て11位以下でした。知名度でいえばもっと上位に居ないとおかしいと感じますね。同様に、関西では白浜よりずっと有名なはずの有馬温泉や城崎温泉が、トップ10に入らなかったことも意外です。
※志賀直哉で有名な城崎温泉もランク外・・・
温泉旅行に行く人は高齢者が中心なので、ネットで情報を探すのではなく、友人からの口コミや旅行会社のお勧めに沿う傾向が強いです。歴史ある温泉地でも、新しい名物や観光名所を作ったり、旅行会社に営業を掛けていかないと、観光地として生き残れない厳しい時代です。
余談ですが、入湯税が多い自治体ランキングものせておきます。入湯税とは、温泉に入った客から一人150円を徴収するものですから、基本的に多い自治体ほど、客が多い=人気の温泉地だと言えなくもない訳です(ソース;週刊ダイヤモンド2017.12/09号)。
入湯税が多い温泉地ランキング | |||
順位 | 自治体 | 入湯税 | 有名温泉地 |
1位 | 箱根町 | 5.9億円 | 箱根温泉 |
2 | 札幌市 | 4.4 | - |
3 | 熱海市 | 4.4 | 熱海・伊豆山 |
4 | 伊東市 | 3.6 | 伊東温泉 |
5 | 日光市 | 3.6 | 鬼怒川温泉 |
6 | 別府市 | 3.2 | 別府温泉郷 |
7 | 神戸市 | 3 | 有馬温泉 |
8 | 加賀市 | 2.5 | 山代・山中 |
9 | 高山市 | 2.4 | 奥飛騨温泉郷 |
10 | 草津町 | 2.2 | 草津温泉 |
トップは前述のランキングで3位だった箱根で、1位だった草津温泉は入湯税では10位に後退します。但し、自治体によって入湯税の減税処置などもあるため、一概に比較は出来ませんが・・・。
ちなみに箱根町や草津町は、市町村税に占める入湯税が約10%もあり、温泉への経済的依存度が高い自治体と言えます。近年は、大江戸温泉物語や極楽湯などのスーパー銭湯型のエンタメ施設が人気で、温泉旅館は衰退気味なので、ランキング上位の温泉地も決して安泰とは言えません。
「本当の」日本の人気温泉ランキングまとめ
・旅行サイト4社の合計値で真のランキングを作成した
・1位の草津は唯一、4社全てにランクインしている
・有馬や城崎などはランク外。歴史があっても人気が落ちている?
こうして4社のランキングを総合してみると、一位の草津以外は乱戦で、人気もバラバラという結果でした。熱海や有馬が下位に甘んじるほど、温泉は観光地として激戦区なのです。逆に考えると上位にランクインした温泉地は全てハイレベルな観光地なので、どこへ行っても楽しめる・・・とも言えるでしょう。