日本と世界の統計データ

日本人の平均年収と中央値の長期推移

HOME > 金融 > 日本人の平均年収と中央値の長期推移

1980年後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。しかしバブルは弾け、1990年代後半より日本経済は長期的な不況に陥りました。かつての日本は事実上の終身雇用制度がありましたが、現在ではリストラで多くの失業者が生まれ、若者は就職難で苦しんでいます。

日本人の平均年収と中央値の長期推移グラフ

そんな日本経済ですが、平均年収の推移を示すと上記のようなグラフになります。グラフは平均値だけでなく中央値も併記しています。

中央値とは、比較する母集団を順番に並べ、ちょうど真ん中の数字を出す方法です。平均値の場合、突出した数字が混ざる場合に、実態を反映しないからです。
例えば年収500万円が99人居る中に年収5億円の大富豪が入ると、平均年収は約1000万円となり、母集団の人達には実感がない数値になります。この場合でも、中央値(50番目の人)は500万円なので、自分達の実感がある数値になります。

バブル景気の頂点は1990年(日経平均株価は1989年末、公示地価は1991年がピーク)ですが、90年代前半はまだ日本人の平均年収も上昇傾向にありました。好景気(企業業績)が労働者の給料に反映されるにはタイムラグがあり、数年遅れで上昇するからです。

しかし1998年をピークに、以後は平均年収の減少が続いています。山一證券破綻やアジア通貨危機の影響で、バブルの残り香で生き延びていた日本の金融業が完全崩壊し、本格的な不景気時代に突入したからです。2000年代後半に、一度は浮上しかけましたが、2008年のリーマンショックの影響が強烈でした。翌2009年には急激な賃下げ・リストラが横行する事態となり、平均年収は406万円・中央値では347万円と、1990年以来最低を記録、バブル以前の水準まで日本人の年収は暴落することになりました。

★関連サイト;サラリーマンが手取り収入を増やす5つの裏技

その後はアベノミクス効果などもあって、近年は少しずつ景気が回復傾向で、2016年の平均年収422万円は、バブルピークだった1990年と同水準です。90年代前半はインフレでしたが、以後20年近くデフレなので、当時と現在の物価水準は大差ないです。

テレビでは、新橋駅前あたりで「給料が上がってない」とか「景気回復の実感がない」などのサラリーマンのインタビューが流れるのがテンプレですが、あの口コミは世論を誘導する洗脳報道に過ぎないのです。平均年収も物価水準もバブル期と同程度ですし、リーマンショック以降は持ち直しているのですから、統計上は確実に景気は良くなっているのです。多くの日本人は、マスコミの洗脳報道で「景気は良くない」と刷り込まれているだけです。

年収は伸びてないが、日本の生活コストは世界より安い!

過去の日本の姿と比べると悪くないのですが、このデータを見せると「でも世界と比較すると日本は没落している!」と反論する人も居ます。確かに表面上の平均年収だけを見れば、日本は先進国の中では「中の下」くらいの水準です。


★関連ページ;世界各国の平均年収比較

しかし、年収が高い国が豊かだとは限りません。平均年収上位に居るスイスやノルウェーやデンマークなどは、物価水準が日本の倍近くあったりします。しかも消費税や社会保障費の支払いも高額なので、一概に生活が豊かだとは言えないのです。

日本では近年、食料品の高騰や携帯電話(スマホ)料金の高さが問題視されますが、一方で格安スーパーやドラッグストア、100均などで安価に日用品が揃う環境も整っています。また携帯キャリア3社の談合ボッタクリ料金も、格安SIM会社の登場で情勢は変わってきました。

結婚式やお葬式も格安プランが増え、バブル期の半額以下で行える事も珍しくないです。更に今後は、家余りの時代に突入するので、賃貸住まいのコストも下落する可能性が高いです。

★関連ページ;全国の空き家率の推移と将来予測

これだけ生活コストが安くなっている国は、先進国では見当たりません。訪日外国人観光客が、100均やドラッグストアに群がるのは、母国にコスパが良い小売店が少ない事の証明でもあります。バブル期には「日本は世界一物価が高い」との口コミが広まったので、中高年の人達には信じがたいかもしれませんが、日本は既に「物価が安い国」になっているのです。

そしてマイナス金利政策により、住宅ローンやマイカーローン等の負担も大きく減っています。アメリカでは2017年より利上げに入っており、経済のブレーキが懸念されていますが、日本ではインフレ目標達成が遠いため、当面はタダ同然の低金利でお金が借りれる状況は続きます。

日本人の平均年収と中央値の長期推移まとめ
・日本人の年収のピークは1998年。以降は減少傾向
・2017年はバブル期と同程度の水準
・日本は既に「物価の安い国」なので、悲観一辺倒ではない

要するに日本は、平均年収はほぼ横ばいで世界的にも高くないが、物価やローン金利も安く、低コストで高水準の生活が営める社会へと変わってきているのです。テレビや新聞の報道は、ことさら日本の悪い面ばかりを強調して煽動しますが、私たちの国は決して悪い状況ではなく、むしろ良くなっている面も沢山あるのです。

 
※当ページへのリンクはご自由にどうぞ。但し画像・文章の転記や複製は禁止です。引用される際は当ページへリンクして下さい。
Copyright (C) 2017 https://toukeidata.com/ All Rights Reserved.