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法律的に「成人」と認められる年齢は、世界各国で異なっています。また、選挙権、飲酒や喫煙、結婚などの年齢制限もそれぞれ違います。以下では、世界の主要国の成人年齢などを一覧にして比較してみました。なお、アメリカは州によって法律が異なるので、代表としてニューヨーク州のケースを記載しています。
世界各国の年齢制限の比較表(単位・歳) | ||||||
成人 | 選挙 | 飲酒 | 喫煙 | 結婚:男 | 結婚:女 | |
日本 | 20 | 18 | 20 | 20 | 18 | 16 |
アメリカ | 18 | 18 | 21 | 21 | 18 | 18 |
カナダ | 18 | 18 | 19 | 19 | 18 | 18 |
イギリス | 18 | 18 | 18 | 18 | 16 | 16 |
フランス | 18 | 18 | 16 | 18 | 18 | 18 |
ドイツ | 18 | 18 | 16 | 18 | 18 | 18 |
イタリア | 18 | 18 | 16 | 16 | 18 | 18 |
ロシア | 18 | 18 | 18 | 18 | 18 | 18 |
中国 | 18 | 18 | 18 | 18 | 22 | 20 |
韓国 | 20 | 19 | 19 | 19 | 18 | 18 |
オーストラリア | 18 | 18 | 18 | 18 | 18 | 18 |
大半の国が18歳で成人と認められるようになっており、日本や韓国のように20歳である国は珍しいようです。
選挙権は、ほとんどの国が18歳以上になっています。以前の日本は選挙権が20歳からでしたが、2016年6月19日より改正公選法が施行され、18歳に引き下げられました。世界で最も選挙権取得の年齢が高いのは、アラブ首長国連邦(UAE)の25歳です。UAEで一般国民が選挙権を得られるようになったのは2005年と比較的最近であり、それも一部の国民に限られているとの事です。
UAEに限らずアラブ諸国の多くが絶対君主制(王制国家)ですが、石油やガスなどの天然資源に恵まれ、その莫大な利益によって国民は政府の手厚い保護(無税・医療費無料など)が受けられるため、選挙権に関して不満を言う国民がほとんどいなかったのです。
飲酒は国によって、16歳〜21歳までとバラバラです。しかも、販売店でお酒が買える年齢と、お店でお酒を飲める年齢が違っている国もあります。そして、ビールやワインが飲める年齢と、蒸留酒を飲める年齢が違う国もあります。
例えばフランスでは、ビールやワインは16歳から飲めますが、蒸留酒は18歳にならないと飲んではいけない法律になっています。なお、販売店で購入する場合は、どのお酒でも16歳から可能です。ちなみに、飲酒可能な年齢が最も若い国は、カリブ海の小国アンティグア・バーブーダで、10歳となっています。
喫煙はお酒と同じ年齢に定められている国が多いです。アメリカのニューヨーク州では、以前は18歳から喫煙が可能でしたが、2013年に条例が改められ、年齢が21歳以上に引き上げられました。これは、アメリカ全土で最も高い年齢制限となっています。年齢が引き上げられた理由は、若者を喫煙に伴う健康被害や寿命減少から守る目的との事です。
以前インドネシアの2歳児が、1日に40本もタバコを吸う動画がネットで公開された事が話題になりました。実はインドネシアは、東南アジアで唯一WHOのタバコ規制枠組条約に加盟しておらず、事実上喫煙可能な年齢が定められていないのです。インドネシアは人口が2億5000万人以上もいるため、タバコ業界にとっては有望な市場と見込まれています。とはいえ、健康面や倫理面を無視して若者にタバコを販売する事を非難する口コミも多く、岐路に立たされています。
結婚可能年齢は、男女共に18歳の国が多いです。そんな中、中国の結婚の年齢制限は男22歳、女20歳とかなり高めです。以前の中国は一人っ子政策を推進していた関係で、10代での結婚が人口抑制のうえでマイナスだと判断されていた事が理由です。しかし中国は少子高齢化問題が日本以上に深刻化した事を受けて、2016年に一人っ子政策が廃止されたので、今後は結婚可能年齢が引き下げられる可能性があります。
なお、アメリカでの結婚可能年齢は基本的に18歳以上ですが、ニューヨーク州では保護者および裁判官の許可を得られれば、14歳からの結婚が認められています。しかし、若い内から結婚する事は貧困に陥る危険性が高いですし、虐待のリスクもある事から、この例外措置を改めようとする動きが強まっているようです。
世界各国の年齢制限の比較まとめ
・日本の成人年齢20歳は、世界的には遅い
・お酒は種類や場所によって買える年齢が違う国もある
・中国の結婚可能年齢は一人っ子政策のなごりで遅い(男は22歳)
全体的に見ると、日本は他の国と比較して、法律上「成人」と扱う年齢が遅めです。選挙権の年齢が改められましたが、他にも法律の改善点は多いです。例えば、事実上罰則の無い未成年の飲酒・喫煙を厳罰化するとか、結婚の法律の矛盾(女性は16歳から結婚可能だが「大人の付き合い」は条例で禁止されている)などの問題も改善していくべきではないでしょうか?