HOME > 金融 > 奨学金の延滞率が高い大学ランキング
大学の学費支払いのために、奨学金制度を利用している学生は多いです。大卒者の奨学金利用割合は50%越えており、返済額の平均は343万円との事です。奨学金制度はあくまでもお金を借りているに過ぎず、卒業後は返済する義務があります。しかし近年、奨学金を返済出来ず延滞している学生が増えている事が社会問題となっています。
以下の表は【週刊東洋経済・2017年7月15日号】を参照した、全国の奨学金の延滞率が高い大学のランキングトップ10です。併せて、当サイトで調査した、各大学の平均的な偏差値も併記しています。
学校名 | 延滞率 | 学生総数 | 偏差値 | |
1位 | 至誠館大学 | 9.93% | 181人 | 42 |
2 | 鈴鹿大学 | 7.32 | 211 | 42 |
3 | 東大阪大学 | 7.28 | 255 | 43 |
4 | 沖縄大学 | 6.66 | 1800 | 42 |
5 | 芦屋大学 | 6.45 | 749 | 39 |
6 | 日本経済大学 | 5.52 | 853 | 42 |
7 | サイバー大学 | 5.41 | 1563 | 不明 |
8 | 太成学院大学 | 4.85 | 1078 | 41 |
9 | 愛知文教大学 | 4.84 | 158 | 41 |
10 | 四日市大学 | 4.83 | 540 | 40 |
1位の至誠館大学の延滞率は9.93%に上ります。つまり、およそ10人に1人が奨学金を返済出来ていない事になります。ランキング2位の鈴鹿大学、3位の東大阪大学は共に7.3%程度。4位以下も概ね5%前後という高い延滞率となっています。
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これら延滞率の高い大学に共通しているのが、偏差値40前後という学力の低さです。表の大学名を見て分かる通り、全国に名の通った名門校は皆無です。このような学力が低い「Fラン大学」や「バカ田大学」と揶揄される学校は、就職が出来ない学生も多いですし、仕事に就いたとしても収入の少ない非正規雇用の割合が高いです。ゆえに、奨学金を返済できない人の割合が高いのです。日本学生支援機構によると、全国の奨学金延滞者のおよそ8割が、年収300万円以下の低所得者(ワープア)との事です。
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ところでランキング7位のサイバー大学は、偏差値が不明です。サイバー大学は、ソフトバンクの100%子会社である日本サイバー教育研究所が運営する大学です。授業は通信制で、学力判定・入学試験などがないので、要するに放送大学と同じ形式です。よって明確な偏差値は算出不可能なのですが、入試がなく誰でも入れるということで、実質的な偏差値は他のランキング上位の大学と大差ないと推測されます。
はたして、何百万円もの返済に追われる奨学金制度を利用してまで、こうしたFラン大学に入学する意味はあるのでしょうか。Fラン大学を卒業しても就職にはプラスになりませんから、それなら借金しないで高卒で働き始めた方が、余裕のある生活ができるのではないでしょうか? 少子化により入試倍率が1倍以下の「大学全入時代」と呼ばれる現在、Fラン大学の存在意義が問われています。
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ちなみに、日本学生支援機構の2012年の調査によると、奨学金の延滞者の約45%が、契約するまで返済義務がある事について知らなかったそうです。甚だしい例として、返済の催促を受けてから初めて借金だったと知った学生がおよそ12%もいたとの事です。日本の奨学金制度は、単なる学資ローンである事は最低限でも認識しておくべきです。
奨学金の延滞率が高い大学ランキングまとめ
・大卒者の奨学金の利用割合はおよそ50%
・延滞率の高い大学は偏差値が低いFラン大学ばかり
・返済義務がある事を知らない暢気な学生も多い
なお、海外にも奨学金制度はありますが、ほとんどの国では日本と違い給付型(返済不要)なものです。日本でも奨学金破産が社会問題になっている事を受け、2017年3月の参議院本会議にて、返す必要のない給付型の奨学金制度を設ける「改正日本学生支援機構法」が成立しました。この法改正によって、今後は奨学金によるトラブルは減少していく事が期待されます。