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ホンダ・スーパーカブの発売以来の価格推移

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スーパーカブは1958年にホンダが発売したバイク(原動機付自転車)です。ホンダの創業者である本田宗一郎による「そば屋の出前持ちが荷物を肩に担いで片手で運転できるバイク」というコンセプトで生み出されました。カブ(Cub)という名称は、英語で肉食動物(の子供)を意味しています。

現在では世界160の国と地域で販売されており、年間の売上台数はおよそ300万台、発売から59年目で累計販売台数1億台を達成した、世界一売れている乗り物です。そんなスーパーカブの発売以来の価格推移をまとめてみました。

ホンダ・スーパーカブの価格推移
価格 備考
1958年 5.5万円 スーパーカブ発売
1965 5.5万円 アメリカに進出(1959年)
1970 6.6万円 新聞配達用特化モデル発売(1971年)
1975 9.0万円  
1980 11.2万円  
1985 12.6万円  
1990 13.5万円  
1995 15.5万円  
2000 15.5万円  
2005 16.9万円 排気ガス規制適合へマイナーチェンジ(2007年)
2015 19.3万円  

ソース:物価の文化史事典(展望社)

1958年の発売当時、スーパーカブの価格は55000円で、現在の物価に換算すると約32万円相当となります。その後も徐々に値上げされているものの、物価の上昇と比較すると緩やかで、1980年以降はおよそ15万円程度で推移しています。

スーパーカブは日本のみならず海外でも販売されており、特にベトナム・タイ・インドネシアなど東南アジアで高い人気になっています。中でもベトナムでは「ホンダ」自体がバイクを指す言葉になっており「スズキのホンダ」のような本来誤った表現も一般化されている程です。 ベトナムがカブ社会になっている事は、大泉洋の出世作として知られる北海道ローカルテレビ番組「水曜どうでしょう」で有名になりました。

スーパーカブの優秀さを示すエピソード色々

スーパーカブの特徴の一つが、燃費が極めて優れている事です。一般的な50cc原付の燃費は公称値で70〜80km/Lですが、スーパーカブは公称燃費が概ね110km/Lにもなります。実際の燃費も、スーパーカブは60〜70km/L程度走れるので、ガソリン代が極めて安い乗り物です。

そしてスーパーカブはとても頑丈であり、5〜6人が乗っても普通に走れるうえ、砂漠や湿地帯などでも問題なく使えるというタフな作りになっています。海外のテレビ番組の実験で、建物の4階から落としてもエンジンが始動したという逸話もあります。

また、スーパーカブは寿命も長いというメリットもあります。一般的な原動機付自転車(50cc)の場合、走行距離は3〜4万km程度が限界ですが、スーパーカブの寿命は走行距離10万km〜15万km、場合によってはそれ以上も可能だという事です。ホンダのカブ開発に携わる人は「カブの限界が何十万キロ走れるのか見当も付かない」と語っています。本田宗一郎のモノ作りの集大成が、カブの小さなボディに詰まっているのです。

ホンダ・スーパーカブの発売以来の価格推移まとめ
・発売当初のスーパーカブは55000円で、以後緩やかに価格は上昇
・燃費がよく頑丈なので、東南アジアを中心に世界中で人気
・2017年には累計販売台数が1億台を突破した

ちなみに、ホンダの4輪事業の営業利益率は5%程度ですが、2輪事業は約10%と2倍の数字になっています。リーマンショック直後の2009年3月期決算でも、スーパーカブをはじめとした2輪事業が利益を出していた為に、営業利益約1900億円と赤字にならなかったのです。なお、同時期のトヨタの営業利益は4610億円の赤字(前年度の黒字2兆2700億円から急落)なので、ホンダの業績が極めて優秀だった事が証明されます。

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