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冷蔵庫の値段【物価の推移】

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冷蔵庫は、1803年にアメリカのトマス・ムーアによって発明されました。当時の冷蔵庫は、木製の箱に入れた氷の冷気で食品を冷やすクーラーボックス的なもので、仕組み上の問題点が多く、ほとんど普及しませんでした。その後、1918年にアメリカのケルビネータ社によって製造された電動の製品が、現在の電気冷蔵庫の原型となりました。

日本では、1950年代後半になると電気式冷蔵庫が一般的になり、生活必需品となりました。冷蔵庫で食品の長期保存が可能になった事で、国民の食生活は一変したのです。当時はテレビ、洗濯機、冷蔵庫が「三種の神器」と呼ばれ、これらを持つ事が豊かさのステータスとして憧れられました。以下は、そんな冷蔵庫の値段の長期推移を記録した表です。

冷蔵庫の価格の長期推移
容量 値段 備考
1933 - 720円 日本初の電気冷蔵庫
現在の物価で130万円相当!
1960 85リットル 62000円 大卒の初任給16115円
普及率50%に(1964年)
1970 110リットル 63500円 普及率90%を超える
1975 159リットル 11万3500円  
1980 233リットル 16万4000円 消費電力は10年前の4分の1(1982年)
1985 307リットル 22万5000円  
1989 400リットル 28万円  
2004 407リットル ---  

※ソース:物価の文化史事典(展望社)。東芝の主力機種の標準価格

1933年、芝浦(現・東芝)が日本で初となる電気式の冷蔵庫を発売しました。価格は720円で、現在の価値に換算するとおよそ130万円に相当します(⇒消費者物価指数の長期推移)。これは「当時の家が一軒買える程の値段(物価の文化史事典より)」だったそうです。

しかし戦後、東芝以外の各メーカーが製品開発を本格化させ、競争も激化することで、相対的な値段は下落します。東京オリンピックの1964年に、冷蔵庫の世帯普及率は50%を、1970年には90%を超えるなど、日本の家庭に欠かせない家電製品となっていきました。

進化の限界が来て、シェアで中国勢に惨敗する日本メーカー

冷蔵庫が普及しておよそ50年経ちますが、この間に性能や利便性は大きく増しています。1970年代には自動霜取り機能が備わり、1980年代には自動で製氷するモデルが登場、1990年代には左右どちらからでもドアが開くタイプが発売されるなど、様々な冷蔵庫が誕生しています。

また上記表の通り、冷蔵庫の容量は年々大型化してきました。これは、冷蔵庫本体のサイズが巨大化しているという理由もありますが、コンプレッサーの縮小や断熱材の薄型化など、メーカーの研究開発が進んだ影響も大きいです。容量が大きくなっても、消費電力は10年前と比較して半分程度にまで抑えられています。

昭和から平成になり、共働き世帯の増加と共に、主婦が買い物に行く機会は減少しています。そのため、時間のある時にまとめ買いができる、大容量の冷蔵庫が人気となってきたのです。

ただし近年では、スマホと連携して内部の食品の残りを確認できたり、不足した材料を自動で注文してくれる等の「それって必要か?」という冷蔵庫も開発されています。冷蔵庫という家電製品は、正直言って必要な機能は既に満たされており、無駄な機能を付けて値段が高くなるだけの「悪しき肥大化」を辿りつつあります。その事が、日本メーカーの冷蔵庫が海外で全く売れていない、最大の原因です。

★関連ページ;冷蔵庫の世界市場と日本での販売シェア比較

シャープやパナソニックなどの日本メーカーの冷蔵庫は、海外ではほとんど売れていません。特に販売数が激増している東南アジアなどの新興国では、冷蔵庫は食品を冷やせれば十分と考える人が大半です。ドアが左右どちらからも開くとか、自動製氷とかの機能は必要とされず、安さが最優先されます。ゆえに世界市場では、中国のハイアール社のような、シンプルで安価な冷蔵庫の普及率が伸びているのです。

冷蔵庫の値段の長期推移
・初期(1930年代)の値段は、現在の物価で100万円以上!
・経済成長と共に売れ出し、1970年には普及率90%を超えた
・冷蔵庫は機能や大容量化等が進み、進化の限界が来ている

1990年代まで、日本企業の家電製品は世界を席巻していましたが、主戦場が新興国に移った21世紀以降は、安さで勝る韓国や中国メーカーに完敗しています。ようやく採算性が末期症状だと自覚されたテレビ事業は「切り捨てる」動きが出て来ましたが、洗濯機は日本メーカーが生産中止〜撤退する、二番目の家電製品になりつつあるのです。

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