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【最新版】世界の空港ランキング(客数・着陸回数・滑走路本数など)

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近年、世界全体で海外旅行者が大幅に増加しています。1997年時は、世界の航空旅客数は約15億人でしたが、2017年には40億人と、この20年で2.5倍以上に増えています。これだけ伸びている理由の一つが、中国をはじめとした新興国が経済発展により航空需要が増えた事です。それに伴いLCC(格安航空会社)も増えて、より一層飛行機を利用する人達が増えたのです。

以下の表は、国際空港評議会(ACI)発表の、世界の空港の旅客数ランキング(2017年最新版)です。他に離着陸数や滑走路の本数と長さ、等も比較してみました。なお旅客数や着陸回数は年間合計です。

世界の空港ランキング・2017年最新版
順位 空港名 国名 滑走路の本数
(最長距離)
旅客数
(万人)
着陸回数
1 アトランタ国際空港 アメリカ 5本(3777m) 1億390 87万9560回
2 北京首都国際空港 中国 3本(3800) 9579 -
3 ドバイ国際空港 UAE 2本(4447) 8824 -
4 羽田空港 日本 4本(3360 8541 45万3126
5 ロサンゼルス アメリカ 4本(3686) 8456 70万362
6 シカゴ・オヘア アメリカ 7本(3963) 7983 86万7049
7 ロンドン・ヒースロー イギリス 2本(3902) 7801 47万5915
8 香港国際空港 中国 2本(3800) 7266 -
9 上海浦東 中国 4本(4000) 7000 49万6774
10 パリ・シャルル・ド・ゴール フランス 4本(4215) 6947 48万2676
11 アムステルダム・スキポール オランダ 6本(3800) 6852 51万4625
12 ダラス・フォートワース アメリカ 7本(4085) 6709 65万4344
13 広州白雲 中国 3本(3800) 6589 46万5295
14 フランクフルト ドイツ 4本(4000) 6450 47万5537
15 アタテュルク トルコ 3本(3000) 6387 46万0821

旅客数ランキング1位は、年間1億人以上の利用者がいる、アメリカのアトランタ空港(正式名称:ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港)です。アトランタ空港は、1998年から2017年までの20年間、旅客数ランキングのトップを維持し続けています。また着陸回数も約88万回(一日平均2400回!)と最多で、あらゆる観点から世界最大のハブ空港と言える存在です。アトランタ空港はアメリカ全土を結ぶ中継地である事や、客数で世界第二位の航空会社であるデルタ航空の拠点空港になっている事などが、利用者が多い理由です。

ランキング2位は、利用者およそ9500万人の、中国の北京空港です。中国全土の旅客数(国内線+国際線)は、20年前の1997年時は5500万人程度でしたが、2017年では約5億人と、10倍近くにまで伸びています。近年の中国は目覚しい経済発展を遂げており、ビジネス需要の増加と、旅行に出かける富裕層の増加が、客数を押し上げています。また北京空港は、中国全土のみならずアジア各地とを結ぶ「アジアのハブ空港」としての需要も取り込んでいる事が、利用者の増加に繋がっています。

なお、現在北京では新たなる空港として、北京大興国際空港が建設中です。2019年10月に開港が予定されているこの空港は、年間の延べ利用者数は1億人に達すると見込まれています。近い将来、アトランタ空港を抜いて北京が世界一の空港になる可能性は高い、という専門家の口コミも聞かれます。

ドバイはアジアとヨーロッパを中継するハブ空港として成功

3位はアラブ首長国連邦のドバイ国際空港です。ドバイの利用者が増加したのはごく近年であり、2000年代前半まではランキングの30位にも入っていませんでした。ドバイの立地は、ヨーロッパとアジアのちょうど中間に位置しており、乗り換えの利便性の良さから、近年はアジアとヨーロッパやアフリカ諸国を結ぶハブ空港として重宝されるようになっているのです。

そのうえ、ドバイでは雨や雪が降る可能性が極めて低いので、悪天候で飛行機が運休となるリスクがほぼ無いというメリットも、需要増加の理由です。ドバイ空港は旅客数全体では世界第3位ですが、国際線の客数は8820万人で世界一となっています。

羽田がハブ空港になり損ねた理由

ランキングの4位は、日本の羽田空港(東京国際空港)です。羽田空港は24時間営業であり、ほとんどの日本の地方空港と定期便が結ばれているので、国内線のハブ空港として発展してきました。そして2014年からは、ターミナルを拡張した事で国際線の便数もおよそ1.5倍に増え、アジアのハブ空港を目指す存在となりました。

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とはいえ、羽田空港の滑走路は最大でも3360mしかなく、ランキング上位の空港としては最も距離が短いという、大きな問題を抱えています。一般的に、中小型のジェット機は2000m、大型ジェットなら2500mの滑走路があれば十分です。ただし、これは国内線の場合であり、国際線(長距離直行便)のジャンボジェット機は3000〜4000mの滑走路が必要になります。

国内線と国際線で滑走路の必要距離が違うのは、燃料等の重さが関係しています。長距離を飛行する国際線は燃料を最大限に積むので、国内線と比較して機体の重量が増えます。例えば、国際線で使われるボーイング747-400は、燃料満タンで23万リットル、ドラム缶で約1千本分という大容量です。加えて、同じ客数でも国際線の方が荷物が多いですし、国際貨物も乗せたりするので、機体総重量も重くなります。

当然ですが機体が重いと、離陸に必要な滑走距離も長くなります。羽田空港の3360mはジャンボジェット機が離陸するにはギリギリの距離であり、悪天候だとほぼ余裕が無くなり、国際線のインフラが十分とは言えません。

一方で、日本のもう一つの主要空港である成田空港は、滑走路の距離は4000mと十分なのですが、滑走路の数がわずか2本しかなく、また24時間営業は出来ません。そのため、多くの飛行機を受け入れる事ができないデメリットを抱えており、ランキング外となっています。このように、羽田と成田はどちらも国際線のハブとなるには問題がある空港です。

中国が北京空港をはじめ、上海浦東空港、広州白雲空港などが勢力を拡大しているのは、日本がハブ空港としてあまり機能しておらず、アジア地域の需要を奪われている事が大きな理由です。

世界の空港ランキングまとめ
・アメリカのアトランタ空港が旅客数ランキング世界一
・北京空港をはじめ、中国では旅客数が大きく伸びている
・ドバイ空港は世界のハブ空港として需要が高まっている

日本のインバウンド(訪日観光客)は2010年代に入って急増しています。また、経済成長著しいアジア各地を結ぶハブ空港として地位を確立するチャンスはまだ残っています。その為には、羽田空港の更なる拡張〜特に国際線用に滑走路の距離延長は不可欠な問題だと言えます。

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