HOME > 生活 > カップラーメンの原価率
世界で最も最初に誕生したカップラーメンは、1971年に日清食品が発売したカップヌードルです。実は発売当初は、日本人がまだカップラーメンという物を理解していなかったため、売れ行きはあまり良くなかったようです。
しかし翌年、連合赤軍による「あさま山荘事件」が起こった際、機動隊員らがカップヌードルを食べるシーンが報道された事で、一気に注目されました。事件を生中継した、民放とNHKの合計視聴率は89.7%にも上っており、その宣伝効果は極めて高かったと言えるでしょう。以後、日本では様々なメーカーがカップラーメンを発売するようになり、今ではスーパーやコンビニに数多く陳列されるようになっています。
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そんなカップラーメンの原価は50円程度との事です。これはスーパーやコンビニなどでの販売価格が120〜150円程度の商品の事なので、原価率は4割程度になります。一般的な飲食店(ラーメン店など)の原価率は3割程度なので、業態が違うとは言え、カップラーメンの原価は実はやや高めだとも言えます。
※データ出典;書籍「知らないとソンする!価格と儲けのカラクリ(高橋書店)」
そして、現在では日本のみならず、世界中の多くの国でカップラーメンや即席麺が販売されています。以下の表は、国別の即席麺の消費量ランキングです。
順位 | 国名 | 消費量(億食) |
1位 | 中国 | 462 |
2 | インドネシア | 149 |
3 | 日本 | 55 |
4 | ベトナム | 52 |
5 | インド | 50 |
6 | アメリカ | 44 |
7 | 韓国 | 36 |
8 | タイ | 30 |
9 | フィリピン | 27 |
10 | ブラジル | 24 |
麺食文化が強い東南アジアの国が、ランキング上位を占めていますね。1位は中国で2位がインドネシアですが、中国は日本の10倍以上、インドネシアも2倍以上の人口が居るので、ある意味当然でしょう。一方の日本は55億食で3位となっていますが、一人当たりの消費量で比較すれば、日本の方が中国を上回っています。
人口比で考えると、韓国とベトナムはかなり多いです。特にベトナムは即席麺大国であり、日本企業のエースコックの現地法人、エースコックベトナムのシェアが50%を超えているとの事です。ベトナムは高い経済成長を背景に、購買力の高い中間層が増加しており、今後もコスパの良い食事である即席麺は、販売数が伸びると期待されています。
原価率の話とは少々それますが、日本で最も人気の高いカップ麺は何でしょうか? 以下の表は2015年6月〜2016年5月にかけてカスタマーコミュニケーションズ社が調査した、カップ麺の売れ筋ランキングです。
順位 | 商品 | メーカー | シェア |
1位 | カップヌードル | 日清食品 | 4.50% |
2 | 赤いきつね | 東洋水産 | 3.37 |
3 | シーフードヌードル | 日清食品 | 3.10 |
4 | 緑のたぬき | 東洋水産 | 2.64 |
5 | ぺヤング ソースやきそば | まるか食品 | 2.43 |
6 | 焼そば U.F.O. | 日清食品 | 2.27 |
7 | どん兵衛 きつねうどん | 日清食品 | 2.13 |
8 | カップヌードルカレー | 日清食品 | 2.00 |
9 | ごつ盛りソース焼そば | 東洋水産 | 1.91 |
10 | おそば屋さんの鴨だしそば | 東洋水産 | 1.89 |
世界初のカップラーメンである、日清のカップヌードルが堂々の1位を獲得しています。置いていない店など存在しないのでは?と思える位に、カップヌードルの普及率は圧倒的です。知名度の高さと、味とコスパのバランス、そして日清食品の営業力の高さも勝因でしょう。
2位と4位には、東洋水産の赤いきつねと緑のたぬきがランクインしています。そのユニークな名称と分かりやすい色分けが、知名度を大きく上げた要因です。なお上記表には記載していませんが、ランキングの50位までの商品数は、日清食品が22、東洋水産が17、その他のメーカーが11となっており、日清と東洋水産の2強状態となっています。日本のカップ麺市場は、この2社の競争によって拡大してきた事は間違いないです。
カップラーメンの原価率まとめ
・120円程度のカップラーメンの原価は約50円
・カップ麺の売り上げ1位はカップヌードル
・日本の即席麺消費量は世界第三位
ちなみに赤いきつねや緑のたぬき、そして日清のどん兵衛などは、関東と関西では味付けが変わっています。関東版は濃口醤油とかつおダシによる味付けで、関西版は昆布ダシと薄口醤油が特徴的です。旅行に出掛けた際などに、食べ比べてみるのも面白いのではないでしょうか。