HOME > 生活 > 有名外食チェーンの店舗数比較
日本フードサービス協会発表のデータによると、外食産業の市場規模のピークは1997年の約29兆円でした。その後、中食の普及やコンビニ店舗数の増加などで、2011年には22兆8000億円にまで落ち込みました。しかし、近年は訪日外国人の増加の影響で外食チェーン市場は復調し、2016年は25兆4000億円規模にまで回復しています。
そこで、日本国内における主要な外食チェーン店舗数を比較した表を作ってみました(数字は2017年9月5日時点。データ出所はデジタルアドバンテージ社サイトより)。
業種 | チェーン店名 | 店舗数 |
カフェ | スターバックス | 1283 |
ドトール | 1153 | |
コメダ珈琲 | 762 | |
タリーズ | 671 | |
サンマルクカフェ | 395 | |
珈琲館 | 266 | |
ファミレス | ガスト | 1163 |
サイゼリア | 1053 | |
ジョイフル | 786 | |
ココス | 576 | |
デニーズ | 388 | |
ハンバーガー | マクドナルド | 2888 |
モスバーガー | 1340 | |
ケンタッキーFC | 1143 | |
サブウェイ | 360 | |
ロッテリア | 358 | |
回転寿司 | はま寿司 | 475 |
スシロー | 472 | |
くら寿司 | 402 | |
かっぱ寿司 | 348 | |
牛丼 | すき家 | 1954 |
吉野家 | 1198 | |
松屋 | 939 | |
なか卯 | 463 | |
中華・ラーメン | 餃子の王将 | 728 |
リンガーハット | 636 | |
幸楽苑 | 566 | |
日高屋 | 407 | |
寿がきや | 361 | |
大阪王将 | 357 | |
天下一品 | 243 | |
カレー | ココイチ | 1259 |
うどん | 丸亀製麺 | 784 |
はなまる | 405 | |
居酒屋 | 魚民 | 661 |
やきとり大吉 | 612 | |
鳥貴族 | 589 | |
庄や | 394 | |
和民 | 215 | |
焼肉屋 | 牛角 | 617 |
情熱ホルモン | 100 | |
叙々苑 | 59 | |
スイーツ | ミスタードーナツ | 1127 |
サーティーワン | 1123 | |
不二家 | 699 |
カフェチェーンで最多なのは、全国で1283店舗を展開するスターバックスで、僅差の2位がドトールコーヒーです。1996年に日本に上陸したスターバックスは、瞬く間に勢力を拡大し、それまで業界トップだったドトールを僅か10年程度で抜き去りました。安価なドトールと比較すると、スタバは相当な高価格路線ですが、すっかり日本では受け入れられています。近年ではそれが行きすぎてか?ノマドワーカーやリア充女子(インスタ映え狙い)の溜まり場と化しており、居心地が悪くなったという口コミも聞かれます。
しかし、ここ数年で異業種だったセブンカフェをはじめとしたコンビニコーヒーが人気となっています。そのうえ、マクドナルドのようなハンバーガー店もコーヒーに注力したり、くら寿司などの寿司チェーン店までもがコーヒーを提供するようになっており、顧客獲得競争は更に激しくなっています。その対策としてか、スターバックスは2015年3月に日本市場での株式上場を廃止し、より機動的(独占的)な経営体制に刷新しています。
ハンバーガーチェーンで最も多いのは、2888店舗のマクドナルドです。この店舗数は、ハンバーガーのみならず、日本の外食産業全体で最多です。日本では1950年頃からハンバーガーを販売するお店が誕生していましたが、当初は口コミで広まる程度で、知名度がありませんでした。しかし、1971年に日本初のマクドナルドが銀座にオープンした事で一気に認知度が高まり、国民に広く親しまれるようになりました。
マクドナルドは、2014年〜2015年にかけて、中国産の期限切れ鶏肉を使用していた事や異物混入などの問題が発覚し、消費者離れが加速しました。2015年には、上場以来最悪の決算となる349億円の赤字を計上しています。しかしマクドナルドは、経営危機にあっても株価は下がっておらず、むしろ上昇傾向にありました。マクドナルドの株の約40%は個人投資家が保有しており、その多くが年間6〜7千円相当の株主優待(無料食事券)が目的です。こうした個人投資家達の支えがあった事や、様々な経営改善の効果で、2016年は53億円の黒字に転換しています。
回転寿司チェーンは、はま寿司、スシロー、くら寿司、かっぱ寿司の4強です。2016年の回転寿司市場は約6000億円ですが、この4社でおよそ7割のシェアを占めています。はま寿司は、平日は一皿90円という安さが魅力です。スシローは品質にこだわっており、一般的な飲食店の原価率がおよそ3割であるのに対し、スシローは5割を超えているとの事です。くら寿司は健康志向をアピールしており、最近ではシャリの代わりに大根の酢漬けを使った糖質制限用のメニューを展開しています。かっぱ寿司は以前は回転寿司業界のトップでしたが、近年は業績が悪化しており、既に4強から脱落したとの口コミも聞かれます。
中華料理・ラーメン屋では、餃子の王将が728店舗で最多です。王将はチェーン店としては各店舗の裁量権が大きい事で知られており、超大盛り炒飯などその店舗のオリジナルなメニューがあったり、ラーメンが味噌味の店舗があったり等、店ごとの個性が強いのが特徴です。
カレーチェーンは、1259店舗のココイチの一強状態です。上記表には記載していませんが、2位の上等カレーが74店舗ですから、その差は歴然です。カレーは既に日本の国民食とも言える存在ですが、そんなカレーチェーン業界は意外にもほぼ1社独占になっているのです。
居酒屋の1位は魚民の661店舗です。それと比較すると、近年ブラック企業として有名になった和民の215店舗は少なく感じます。実は最近の和民は、別の名称で店舗運営するケースが増えているのです。これは、ブラック企業として有名になってしまったため、ワタミの名を隠して別名の店舗で運営して「隠蔽しているのでは?」と、かえってネットでは悪い評判が立っています。例えば、ごちそう厨房「饗の屋」、居食屋「炭旬」、JAPANESE BARU「旨い屋」など、名前からは判断出来ないものの、これらは全てワタミグループです。実際には、ワタミが運営する店舗はまだ約500店舗ほど存在しています。
有名外食チェーンの店舗数比較まとめ
・外食チェーンで店舗数が最も多いのはマクドナルド
・カレーチェーンはココイチの一強
・ワタミのように別名で店舗展開する企業も増えている
外食産業は、オープンから1年以内に約35%、2年で約50%が潰れ、10年後に残っているのはわずか10%程度という統計があるほど、厳しい業界です(⇒日本の外食産業の市場規模推移と内訳)。実はマクドナルドも、業績不振の店舗を閉鎖し、2015年から店舗数が減少傾向になっています。今後は少子高齢化も進む事で、外食産業の生き残りはより激しくなると予想されます。