HOME > 生活 > 電車の人身事故等から復旧するまでの平均時間一覧
日本の電車が遅れる事は極めてまれで、その正確さは世界一と言われます。2017年11月14日、東京の秋葉原と茨城県つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」が、定刻より20秒早く出発した事で謝罪声明が発表される程に、日本の電車は時間を厳守して運行されているのです。
しかし、そんな日本の電車でも、人身事故や災害、信号機のトラブル等でダイヤが乱れる事もあります。以下の表は、日本の主要な鉄道路線における、事故等による運行ストップからの復旧時間の平均を一覧にまとめたものです。
人身事故で電車が復旧するまでに掛かる時間は、全社平均で1時間程度です。電車がストップする原因は、車両や信号の故障点検といったケースもありますが、人身事故が最も多いです。
鉄道各社の人身事故等から復旧した時間の平均一覧 | ||||
電車名 | 事故原因 | 対象件数 (検証期間) |
平均復旧時間 (誤差※注) |
復旧が100分以上 掛かった確率 |
JR山手線 | 人身事故 | 213(2003年2月〜) | 43分(±23分) | 2% |
JR山手線 | 信号故障 | 40(03年4月〜) | 27分(±33分) | 7% |
JR東海道本線 | 人身事故 | 33(2003年6月〜) | 76分(±24分) | 39% |
JR中央本線 | 天災 | 11(2012年3月〜) | 144分(±93分) | 63% |
JR中央線 | 信号点検 | 50(03年10月〜) | 34分(±26分) | 8% |
JR中央総武線 | 人身事故 | 78(12年1月〜) | 49分(±19分) | 3% |
東武東上線 | 人身事故 | 151(03年2月〜) | 64分(±22分) | 19% |
西武新宿線 | 信号故障 | 11(03年9月〜) | 59分(±90分) | 18% |
西武池袋線 | 人身事故 | 102(03年2月〜) | 41分(±18分) | 2% |
京急本線 | 人身事故 | 128(03年1月〜) | 50分(±32分) | 18% |
東京メトロ東西線 | 人身事故 | 59(04年4月〜) | 55分(±28分) | 19% |
東京メトロ日比谷線 | 人身事故 | 24(04年7月〜) | 49分(±35分) | 12% |
東京メトロ丸ノ内線 | 安全確認 | 16(2008年11月〜) | 22分(±22分) | 6% |
ゆりかもめ線 | 車両故障 | 11(08年11月〜) | 38分(±37分) | 18% |
大阪地下鉄御堂筋線 | 人身事故 | 37(08年12月〜) | 33分(±19分) | 2% |
南海電車(本線) | 人身事故 | 38(06年11月〜) | 75分(±21分) | 37% |
京阪電車(本線) | 人身事故 | 25(08年1月〜) | 45分(±27分) | 8% |
JR京都線 | 人身事故 | 74(03年3月〜) | 56分(±24分) | 9% |
阪急電車(京都線) | 人身事故 | 32(08年3月〜) | 50分(±31分) | 21% |
近鉄奈良線 | 人身事故 | 18(2015年6月〜) | 44分(±14分) | 0% |
※注;(誤差)の欄は、1標準偏差(=68%)の確率で納まる範囲です。
※データソース; 鉄道復旧予測 TRIES。各線の(検証期間)から2017年末までの統計。
ただし、同じ人身事故でも大阪地下鉄御堂筋線のように30分程度で再開する路線もあれば、南海電車やJR東海道本線のように平均75分以上かかるなど、鉄道各社による差は大きいです。南海電車(大阪南部〜和歌山)や東海道本線(特に静岡県内)は、田舎なゆえに駅間が長く、警察など関係部署が到着するまでに時間が掛かる事が、復旧が遅い原因だと思われます。
一方で、信号故障や天災(台風や地震による、土砂崩れや倒木など)の運休では、遅延時間の平均に大きなばらつきがあります(1標準偏差の範囲が広い)。トラブルの復旧具合によって、早期に電車が動き出せる場合と、3時間以上かかるようなケースなど様々です。
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また東京や大阪では、異なる鉄道会社の相互乗り入れ路線も多いため、1社の遅延が他の鉄道会社のダイヤに影響を及ぼすケースもあります。ゆえに、電車の遅延は自身が利用している路線だけでなく、周辺の鉄道会社も含めて注意すべきです。電車の運行状況を知るスマホアプリや、TwitterなどのSNSも、リアルタイムでの遅延・運休情報の把握に有効です。
鉄道で事故が発生して遅れが生じた場合、基本的にはダイヤがずれこむだけで、予定の全列車を走らせようとします。夜に事故が発生した場合、復旧が深夜24時を超える事もありますが、その時点で駅に居る客をさばき切るまで、夜中1時や2時になっても電車を運行します。但し、駅に客が居なくなれば、その時点で深夜運行が打ち切られることもあるようなので、注意が必要です。
なお、乗り継ぎ電車が終電で無くなった場合、遅延した鉄道の駅員に詰め寄れば、タクシー代の補てん用紙をもらえる・・・という口コミ情報もあります。黙っていても絶対に保証はしてくれないが、客の側に強くゴネられた時の処置として、タクシー代を補てんを行う「裏メニュー」があるのだとか・・・。
★関連サイト;電車の遅延でタクシー代をもらう裏技
あくまでネットの口コミ情報で、当サイトで確認した訳ではありませんし、全ての鉄道会社がタクシー代を補てんするシステムがあるのかは不明です。しかし(全客に保証すれば莫大な金額になるので)駅員側からはタクシー代の補てん話は絶対にアナウンスしない事だけは確かです。
乗り継ぎの終電が済んでいて帰宅できない時は「これじゃ帰れないので困ります!」と(合法的な範囲で)強く駅員に詰め寄ることがポイントなのだそうです。もし終電が詰んだ場合は、黙っていても泣き寝入りなので、ダメ元で駅員に交渉に出てみるべきでしょう。
鉄道各社の運休から復旧までの平均時間一覧まとめ
・人身事故による電車のダイヤ復旧は、平均1時間ほど
・信号故障や天災は、復旧時間にばらつきが大きく一概に言えない
・終電が詰んだら、駅員に詰め寄ればタクシー代が補てんされる!?
人身事故が起きた場合、当該車両はすぐに無線で知らせ、周辺の全車両が運行を自動停止するシステムになっています。同じ線路を走っている電車は全てストップする事になり、線路上で立ち往生する事もあります。警察や消防が現場に到着すると、被害者の救護や現場検証などが行われ、その後清掃・消臭剤の散布・周辺設備への被害確認などを行い、全て済んでからようやく運行再開となるため、長時間待たされる事になるのです。
ゆえに人身事故の防止策として、近年は駅のホームドア設置が進んでいます。国土交通省は、1日10万人以上が利用する駅について、東京オリンピックが開催される2020年までに、ホームドアの設置を推進する事を目標に掲げています。五輪に無関係な大阪でも、地下鉄各駅の再開発でホームドアの設置が急ピッチで進んでいます。