HOME > 生活 > 世界の歴代・巨大地震ランキング
日本は世界の中でも地震の多い国として知られています。日本では観測史上、マグニチュード7を超える巨大地震は9回発生しています。中でも、2011年3月11日に宮城県沖で起こった東日本大震災は、マグニチュード9.1、死者1万5895人、行方不明者2539人という、戦後の日本で最大規模の被害をもたらしました。
しかし、実は世界では東日本大震災をも超える規模の地震も発生しています。下記の表は、人類の歴史で正確に判明する範囲での、巨大地震の世界歴代ランキングです。
世界の巨大地震ランキング | |||||
順位 | 地震名 | 最大被害国 | 発生日 | マグニチュード | 推定死者数 |
1 | バルディビア地震 | チリ | 1960年5月22日 | 9.4〜9.6 | 2200〜6000人 |
2 | アラスカ地震 | アメリカ | 1964年3月27日 | 9.2 | 131人 |
3 | スマトラ島沖地震 | インドネシア | 2004年12月26日 | 9.1〜9.3 | 約28万人 |
4 | 東日本大震災 | 日本 | 2011年3月11日 | 9.1 | 1万5895人 |
5 | カムチャッカ地震 | ロシア | 1952年11月4日 | 9.0 | 2336人 |
6 | アラカン地震 | バングラデシュ | 1762年4月2日 | 8.8 | 200人 |
7 | エクアドル・コロンビア地震 | 両国 | 1906年1月31日 | 8.8 | 500〜1500人 |
8 | カスケード地震 | カナダ | 1700年1月26日 | 8.7〜9.2 | 不明 |
9 | アッサム・チベット地震 | 中国・インド | 1950年8月15日 | 8.6 | 4800人 |
9 | メキシコ地震 | メキシコ | 1787年3月28日 | 8.6 | 11人 |
9 | リマ・カカオ地震 | ペルー | 1746年10月28日 | 8.6 | 4千〜1万8千人 |
人類の観測史上最大の地震は、1960年5月22日にチリで発生したバルディビア地震で、マグニチュードは推定で9.4〜9.6です。しかしバルディビア地震の推定死者数は、最大でも6000人程度と推計され、東日本大震災と比較しても被害が小さいです。この理由は、震源地がチリの中でも人口が密集していない地域であった事や、前日に前震が発生していて住民が注意を払っていた事、発生が日中14:30だったこと、などが挙げられます。
世界の巨大地震ランキングの2位は、1964年3月にアメリカ大陸北西部で起こったアラスカ地震です。本震による揺れは、約4分半も続いたという事です。アラスカ地震は、東日本大震災を上回るマグニチュード9.2という巨大地震でしたが、死者数はわずか131人です。これは、アラスカの人口が極めて少ない事が理由です。
ランキングの3位は、2004年12月にインドネシアのスマトラ北西〜インド洋で発生した、スマトラ島沖地震です。この地震によって発生した津波のエネルギーは、広島原爆の2万3千個分と試算されており、津波は5000km離れたアフリカのソマリアにまで到達しました。推定死者数は22万人と、東日本大震災の10倍以上になります。
しかも、これはインドネシアに限った数字であり、被害は近隣の国にも及んでいます。スリランカの死者数は3万5千人、インドは1万2千人、タイは5千人など、合計14カ国で28万人が亡くなっており、スマトラ島沖地震が死者数では史上最大の地震です。
以下の画像は、1900年以降に世界で観測された、マグニチュード6.0以上の地震が発生した場所を表した地図です(出典;Wikipedia・Earthquakes (M6.0+) between 1900 and 2017)。
震源地はランダムに分散しているわけではなく、東南アジアや南米などの環太平洋地域に集中している事がわかります。残念なことに日本列島周辺は、震源多発地域である東南アジアでも、特に発生が多い位置だといえます。
地震は主に、重なり合う海底プレート(地盤)に歪みが生じる事で発生します。ゆえにプレートが密集する地域では地震が発生しやすく、それ少ない西ヨーロッパやアメリカの東海岸などでは発生確率が低いのです。
マップのように、日本列島は巨大地震の発生確率が極めて高いです。近い将来、これまでに類を見ない規模が予想される「南海トラフ地震」の発生も危険視されており、日本国内に住む以上、日頃から防災対策の準備をしておく事が重要です。
世界の歴代・巨大地震ランキングまとめ
・チリのバルディビア地震(M9.6)が人類の観測史上最大の地震
・スマトラ島沖地震は、28万人以上もの死者を出した
・地震の発生は環太平洋地域に偏っており、日本は特に多い
なお、上記のランキング表は1700年以降のデータしかありません。これは中世以前は、地震の大きさを図る技術など無く、死者数の正確な統計も無いためです。いうまでもなく、それ以前にも世界各地で巨大地震があり、多くの被災者を出していたはずです。よってマグニチュード9.6という世界記録も、たかが300年程度の統計であり、46億年の地球の歴史上では更に巨大な地震もあったと推測されています。