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札幌が最多!世界の大都市の積雪量比較

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世界で雪が多く降る地域というと、ロシアや北欧など寒い国を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし実際は、世界で最も雪が積もる量の多い都市は札幌です。実は人口が100万人以上いる大都市で、年間の積雪量が500cmを超えているのは、世界中で札幌だけなのです。世界の主要都市の年間平均降雪量をまとめると、以下の表になります。

世界の主要都市の年間平均降雪量
都市名 国名 積雪量
札幌 日本 597cm
東京 日本 11
ニューヨーク アメリカ 56
モントリオール カナダ 210
ウィーン オーストリア 172
オスロ ノルウェー 77
サンクトペテルブルク ロシア 300
モスクワ ロシア 72
北京 中国 5
(参考)ピョンチャン 韓国 27

※出典:ベレ出版・日本で1日に起きていることを調べてみた

世界の首都及びそれに準ずる大都市の中で、最も積雪量が多いのは札幌市(年間平均597cm)です。1981〜2010年までの統計では、札幌の年間の雪日数は平均125.9日なので、1年の3分の1以上は雪が積もった状態だという事になります。しかも世界的に見れば、雪の多い地域はほとんどが人の少ない田舎なので、札幌のように200万人近い人口がいる地域で、これだけ積雪量が多いのは極めて異例です。

豪雪地帯である札幌に、200万人近い人が住める理由は、公共の除雪システムが確立されているためです。札幌の雪対策の年間予算はおよそ200億円で、その内160億円が除雪費用です。

札幌では降雪量が10cmを超えると、道路の除雪作業が行われる事になっています。一日に活動する作業員は約3000人、除雪車は1000台という大規模な出動であり、翌朝の通勤や通学に支障が無いように、夜間の内に主要道路のほぼ全ての雪かき作業を完了します。この一晩で行われる除雪の総延長は、5100kmにも上るという事です。このような世界でも最高レベルの除雪システムがあるから、豪雪地域でも200万人が活動できる大都市が機能できるのです。

逆説的に言うと、そもそも住むのに便利な場所ほど、人が多く集まるのは当然です。もしモスクワが豪雪地帯なら、都市機能を維持するコスパが悪すぎて、首都になるはずが無いのです。

ちなみに「人口10万人以上」という小規模都市までを対象にしても、世界の積雪量ランキングTOP3は全て日本になります。世界の天気情報を扱う巨大サイト・accuweather.comによると、1位が青森市の792cm、2位が札幌市の485cm、3位が富山市の363cmとなっています。

札幌がロシアなどより雪が多い理由

東京や大阪など都市部に住んでいるとあまり実感できませんが、実は札幌や青森に限らず、日本は世界的にも相当に雪が多い国です。日本で豪雪地帯と定義される地域の面積は19万平方キロメートルで、これは国土のおよそ50%に相当します。日本の豪雪地帯は秋田・山形・新潟など、日本海に面した都道府県の多くが該当します。

雪が降る仕組みは、水が蒸発して雲になり、風によって運ばれ、山の冷たい空気に冷やされて雪になり、地上に降り注ぐという流れです。島国である日本は海に囲まれているため、雪の元になる水が豊富です。しかも日本海は適度に暖かいため、水が蒸発しやすく、湿った雲になります(冷たすぎる海は蒸発しないので雲にならない)。

そして冬には中国大陸から季節風が吹くため、日本海で発生した雲は日本まで流れて来ます。また日本は国土の大部分が山岳地帯なので、雲が山頂で冷やされて雪になりやすくなっています。このように、日本(特に日本海側)は雪が降る条件が整っているため、積雪量も多いのです。

都市名 緯度 年間平均気温 年間平均積雪量
札幌 北緯43度 8.9度 597cm
サンクトペテルブルク 北緯59度 6.3度 300cm
オスロ 北緯59度 5.7度 77cm

一方で、世界には札幌よりも寒い国は多くありますが、上記のように積雪量で上回る都市はありません。例えば、サンクトペテルブルク(ロシア)やオスロ(ノルウェー)は札幌よりも北に位置しており、年間の平均気温は低いです。しかしロシアやノルウェーは、周囲の海が冷たすぎて蒸発しにくい、風が乾燥していて雲の湿度が低いなど、雪が発生しやすい気象条件ではないため、積雪量は札幌よりも少ないのです。

世界の大都市の積雪量比較まとめ
・札幌は世界の大都市で最も積雪量が多い
・札幌市の雪対策の年間費は約200億円
・ロシアやノルウェーなどは、気温は低いが雪は多くない

このように、本来なら札幌市は200万人もの人口が住めるような環境ではないのです。北海道や青森に住むことは、国家としては非常にコスパの悪い事です。経済合理性だけを考えるなら、東京や大阪などに移住させることが正解です。

しかし、たとえお金を与えて移住を即しても、豪雪地帯に住んでいる人の多くは拒否するのが現実です。世界でも、雨の降らない沙漠地帯(中東諸国)や、富士山よりも標高が高い地域(ボリビアなど)に住む人達も、便利さだけで他の地域に移住する人は少ないです。

もっと言えば、原発事故で安全性が担保されない福島ですら、帰りたいという住民が多いのが現実です。「住めば都」という言葉は、生物の遺伝子に組み込まれた本能なのでしょうかね?

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