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歴代ドラクエシリーズの販売本数ランキング

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日本のテレビゲーム業界を代表する作品である「ドラゴンクエスト」シリーズ。1986年にエニックス(現スクウェア・エニックス)が第一作を発売してから30年以上経ちましたが、その人気は未だに衰えず、続編もヒットし続けています。

そんな歴代のドラゴンクエストシリーズの販売本数を一覧表にしました。ゲーム業界では100万本売れれば大ヒット作と言えますが、ドラクエは多くのタイトルで300万本以上のヒットを記録しているのです。売上ランキングは、2004年からは主にメディアクリエイト発表のデータ、それ以前は基本的にメーカー発表の出荷数を記載しています。

なお、ドラクエ本編(ナンバリングタイトル)以外の作品、リメイク版や外伝シリーズなどの販売本数も、別途ページを設けています。

歴代ドラクエシリーズ・販売本数ランキング(日本国内)
タイトル 発売日 機種 販売本数
ドラゴンクエスト1 1986年5月27日 ファミコン 150万本
ドラクエ2 悪霊の神々 1987年1月26日 ファミコン 240万本
ドラクエ3 そして伝説へ… 1988年2月10日 ファミコン 380万本
ドラクエ4 導かれし者たち 1990年2月11日 ファミコン 304万本
ドラクエ5 天空の花嫁 1992年9月27日 スーパーファミコン 280万本
ドラクエ6 幻の大地 1995年12月9日 スーパーファミコン 320万本
ドラクエ7 エデンの戦士たち 2000年8月26日 プレステ1 383万本
ドラクエ8 空と海と大地と呪われし姫君 2004年11月27日 プレステ2 332万本
ドラクエ9 星空の守り人 2009年7月11日 ニンテンドーDS 415万本
ドラクエ10 目覚めし五つの種族 2012年8月2日 Wii 60万本
ドラクエ11 過ぎ去りし時を求めて 2017年7月29日 3DS・プレステ4 315万本

初代ドラクエは、ファミコンが出た後のテレビゲーム黎明期な事や、日本でRPGというジャンルが浸透してなかった、等の理由で当初はあまり売れませんでした。しかし、面白さが口コミで広まり、最終的には累計販売本数150万本を記録しました。とはいえ、当時のファミコン市場ではこの程度の売上は数多くあり(例えば「忍者ハットリくん」ですら150万本を販売した)、初代ドラクエはまだ「国民的RPG」という地位には至っていませんでした。人気が確立されたのは、ドラクエ3からです。

実はドラクエシリーズは、初代の開発時から3部作を想定して作られていました。ドラクエシリーズの原作者・堀井雄二氏は、RPGに慣れ親しんでいない日本人に対して、最初から複雑な内容にすると敬遠されるだろうと判断し、最初はシンプルに、以後シリーズを重ねる毎に遊びの幅を広げていこうと計画したのです。ドラクエ3はその集大成であり、仲間のメイキングや転職システムなど面白い要素が数多く盛り込まれています。

そのためドラクエ3は、発売日の朝から家電量販店に長蛇の列ができるという、社会現象を巻き起こしました。中でも、ビックカメラ池袋東口店では行列が1万人を超えた(?)という都市伝説まであります。そしてドラクエ3は、累計380万本を販売するという大ヒットを記録したのです。

しかしあまりの人気ゆえに、多くの小中学生が学校を休んで行列に並んだ(発売は水曜日だった)ため、数百人が警察に補導される事態になりました。他にも、ドラクエ3を買えなかった大人が購入した子供から強奪するという、ドラクエ狩りと呼ばれる事件も発生しています。

こうしたトラブルを受けて、以後のゲーム業界では大作ソフトや新型ゲーム機は、発売日が土・日になる事が多くなりました。また発売日の混乱を避けるために、ゲームソフトの予約制度が一般化されたのも、ドラクエ3の後からです。つまりドラクエシリーズのみならず、ゲーム業界全体にも大きな影響を与えた作品だといえます。

最も売れた「9」と売れなかった「10」の裏事情

歴代ドラクエシリーズの中で、販売本数ランキングのトップは、ニンテンドーDSで発売されたドラクエ9です。最大の特徴は、携帯ゲーム機であるDSの機能を活かしたすれちがい通信(近くにいるプレイヤーと自動でデータ通信を行う機能)です。ドラクエ9には、宝の地図と呼ばれるダンジョン探索コンテンツがあり、様々なアイテムなどが入手できます。宝の地図は全部で393216種類もあり、ゲーム内ではランダムに入手可能になっていて、それをすれちがい通信で他人におすそわけする事ができます。

すれちがい通信が広まった最大の理由が、まさゆきというプレイヤーが発見した宝の地図「見えざる魔神の地図Lv87」で、通称「まさゆきの地図」と呼ばれています。この地図内では、膨大な経験値を持つメタルキングというモンスターだけが登場するフロアがあり、レベル上げに絶大な効果を発揮します。この「まさゆきの地図」を求めて、多くのプレイヤーが街へ出てすれちがい通信を利用するようになり、ドラクエ3以来の社会現象が起こったのです。すれちがい通信効果や、ニンテンドーDSというゲーム機の普及率の高さもあり、ドラクエ9はシリーズ最高の415万本を販売したのです。

一方で最も売れなかったのが、Wiiで発売されたドラクエ10(60万本)です。実際はWii以外にも、WiiU・3DS・プレステ4・Switch、更にはパソコン(Windows)と様々なハードで展開されており、全機種を合わせると販売本数は100万本を超えているのですが、それでもドラクエシリーズとしては物足りない数字です。これは、10がシリーズ初のオンラインゲームという事で、他の作品と比較して遊ぶためのハードルが高い事が影響しています。

とはいえ、販売本数ランキングでは最下位のドラクエ10は、実はシリーズで最も多くの利益を上げているタイトルなのです。ドラクエ10を遊ぶにはソフト自体の購入に加えて月額1000〜1500円の利用料金の支払いが必要です(一応キッズタイムという毎日2時間の無料期間もある)。仮に10万人のユーザーが遊んでいた場合、毎月1億円以上の収入になるという事です。また、ゲーム内で利用できる課金装備やスマホのジェム販売などによる利益もあります。

このように、ドラクエ10はスクエニが継続的に収入を得られる仕組みがあります。オンラインゲームという性質上、ゲーム内容を定期的にアップデートしていく必要があるので、未だにドラクエ10には開発費が投じられているわけですが、それでも他の作品よりも多くの利益を上げている事は確実です。

ドラクエは海外では売れないガラパゴスゲーム!?

シリーズ最新作のドラクエ11は、3DSとプレステ4の2機種で発売されました。ドラクエ11は単純なマルチタイトルと違い、3DS版は懐かしいレトロなドット画、プレステ4版はハード性能を活かしたハイクオリティな映像という、それぞれ全く違ったグラフィックになっている点が特徴です。古くからのユーザーと、最近のゲームに慣れ親しんでいるユーザーのどちらにも対応した事で、累計300万本を超えるヒットを記録しました。

近年はスマホゲームの台頭もあり、家庭用ゲーム市場は縮小が続いていますが、そんな中で未だ売れ続けているのが、ドラクエのブランド力です。2019年9月には多数の追加要素があるSwitch版の発売も予定されており、販売本数は更に伸びると予測されます。

そんなドラゴンクエストシリーズですが、実は日本以外での売上はとても低い、ガラパゴスなゲームなのです。海外で最も売れたドラクエは8と9で、共に100万本程度です。日本で300〜400万本売れている事や、世界のゲーム市場が日本の6倍以上の規模である事を加味すると、ドラクエの海外人気の無さは深刻です。

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昔のスクウェアは海外展開のインフラが十分では無かった事(実際、海外での8や9は任天堂が代理販売している)、海外ではコマンド選択式のRPGは古臭いと思われている事、堀井氏の巧みなテキストを上手く翻訳できない事、などが人気の無い理由と言われています。

とはいえスクウェアエニックスは、海外向けにはもう一つの主力タイトル「ファイナルファンタジー」シリーズを展開して成功しています。ドラクエと違い、ファイナルファンタジーは海外で受ける仕様(高度なグラフィックなど)を追求したため、マニアックになりすぎてライトユーザーに敬遠され、日本国内での売上は減少の一途を辿っています。ゆえにドラクエとFFで、ユーザーの棲み分けができているとも言えます。

歴代ドラクエの販売本数ランキングまとめ
・ドラクエシリーズで最も売れたのはDSで発売された9
・ドラクエ10の販売本数はシリーズ最低だが、利益は最高
・実は海外では全く売れないガラパゴスゲームである

余談ですが、ゲーム業界ではソフトの発売延期が珍しくありません。その中でもドラクエは発売延期が付き物であり、1〜11までの本編で延期が無かったのは、8・10・11の3作です。また、初期は1〜2年周期で発売されていたドラクエ本編は、近年では4〜5年掛かるようになっています。この延期の多さや発売間隔の長期化によって、中々新作を遊べないというのが、ドラクエ最大の弱点ではないでしょうか。

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