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マンガ文化の歴史年表

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日本の漫画の始まりは、平安時代〜鎌倉時代にかけて描かれた鳥獣戯画と言われています。そして日本初の漫画雑誌は、1862年に発刊された「ジャパン・パンチ」です。発行者はイギリス人のチャールズ・ワーグマンという人物で、言葉も日本語ではなく英語で書かれていました。

このように、漫画は戦前からあった物ですが、第二次世界大戦中は日本軍によって多くの漫画の出版が禁止されました。戦後の高度経済成長に伴って、漫画雑誌は一般に広まる事になります。 日本のマンガ文化に関連する主な出来事を、時系列で記した歴史年表をまとめました。

マンガ文化の歴史年表
事象(マンガは連載開始) 作者 雑誌・会社
1946年 サザエさん 長谷川町子 夕刊フクニチ
1952 鉄腕アトム 手塚治虫 少年
  この頃よりトキワ荘に有名漫画家が集う 手塚治虫 など -
1956 鉄人28号 横山光輝 少年
1959 週刊少年マガジン 創刊 - マガジン
  週刊少年サンデー 創刊 - サンデー
  おそ松くん 赤塚不二夫 サンデー
  巨人の星 梶原一騎/川崎のぼる マガジン
1965 ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる マガジン
1967 あしたのジョー 高森朝雄/ちばてつや マガジン
  ルパン三世 モンキー・パンチ 漫画アクション
1968 週刊少年ジャンプ 創刊 - ジャンプ
  ゴルゴ13 さいとうたかを ビッグコミック
1969 週刊少年チャンピオン 創刊 - チャンピオン
  ドラえもん 藤子不二雄 小学館の学習雑誌 など
1971 仮面ライダー 石ノ森章太郎 ぼくらマガジン
1972 ドカベン 水島新司 チャンピオン
1973 ブラックジャック 手塚治虫 チャンピオン
1975 第一回コミケ開催 - -
1976 こち亀 秋本治 ジャンプ
  ガラスの仮面 美内すずえ 花とゆめ
1977 銀河鉄道999 松本零士 少年キング
1979 うる星やつら 高橋留美子 サンデー
1980 Dr.スランプ 鳥山明 ジャンプ
  この頃よりコスプレ文化が広まる - -
1981 キャプテン翼 高橋陽一 ジャンプ
1983 北斗の拳 武論尊/原哲夫 ジャンプ
  美味しんぼ 雁屋哲/花咲アキラ スピリッツ
1985 ドラゴンボール 鳥山明 ジャンプ
1986 ちびまるこちゃん さくらももこ りぼん
1987 ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦 ジャンプ
1989 はじめの一歩 森川ジョージ マガジン
1990 幽遊白書 冨樫義博 ジャンプ
  スラムダンク 井上雄彦 ジャンプ
  クレヨンしんちゃん 白井義人 漫画アクション
  ブックオフ 1号店オープン - ブックオフ
1992 金田一少年の事件簿 天樹征丸/さとうふみや マガジン
  美少女戦士セーラームーン 武内直子 なかよし
  花より男子 神尾葉子 マーガレット
1994 るろうに剣心 和月伸宏 ジャンプ
  名探偵コナン 青山剛昌 サンデー
1995 ジャンプの発行部数がギネス記録に - ジャンプ
1996 遊戯王 高橋和希 ジャンプ
  カードキャプターさくら CLAMP なかよし
  NHKで「BSマンガ夜話」放映開始 - NHK
1997 ワンピース 尾田栄一郎 ジャンプ
  GTO 藤沢とおる マガジン
1998 HUNTER×HUNTER 冨樫義博 ジャンプ
1999 NARUTO -ナルト- 岸本斉史 ジャンプ
2000 「まんだらけ」が株式上場 - まんだらけ
  NANA 矢沢あい Cookie
  ハチミツとクローバー 羽海野チカ CUTiEcomic
2001 鋼の錬金術師 荒川弘 ガンガン
  のだめカンタービレ 二ノ宮知子 Kiss
2003 DEATH NOTE 大場つぐみ/小畑健 ジャンプ
2004 ブックオフが株式上場 - ブックオフ
2009 進撃の巨人 諫山創 別冊少年マガジン
2015 ワンピースの発行部数がギネス記録に - ジャンプ
2018 違法サイト「漫画村」が大問題に - インターネット

1946年に連載がスタートしたサザエさんは、雑誌ではなく新聞の4コママンガでした。1969年からはアニメ化もされ、2017年現在でも放送が続いていて、サザエさんは歴代最長のアニメ作品です。アニメのサザエさんは、磯野家の日常を描いたほのぼのとした作風で知られていますが、原作のマンガ版は社会風刺を盛り込んだやや辛口な内容でした。作者の長谷川町子氏は、日本のマンガおよびアニメ会に大きく貢献したと評価され、1992年に国民栄誉賞が授与されています。

1950年代の東京には、漫画家達が居住するトキワ荘というアパートがありました。トキワ荘は、若い才能にあふれた漫画家達が切磋琢磨できる場として生まれ、手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら著名な漫画家を多数輩出しています。

※トキワ荘は老朽化のため、1982年に解体されています。

1952年に連載がスタートした手塚治虫の鉄腕アトムは、1963年1月1日に、日本初の週間テレビアニメとして放送開始されました。制作に当たったのは、彼自身が設立した手塚プロダクション(後に虫プロダクションに改名)です。当時はまだカラーではなく白黒放送でしたが、鉄腕アトムはアニメ版も大ヒットを記録しました。手塚治虫の活躍以降、人気の高い漫画作品はアニメ化されるのが恒例となったのです。

漫画家・山田玲司の語る手塚治虫の凄さ(22:50あたりから)

1959年には、講談社から「週刊少年マガジン」、小学館から「週刊少年サンデー」が創刊されました。そのおよそ10年後の1968年には、集英社から「週刊少年ジャンプ」、そして翌1969年には、秋田書店から「週刊少年チャンピオン」が創刊されています。これらは2017年現在でも販売が続いており、日本の4大マンガ雑誌とも呼ばれています。

★関連ページ;4大マンガ雑誌(少年ジャンプなど)の発行部数推移

1968年11月には、さいとうたかをがビッグコミックにてゴルゴ13の連載をスタートしました。2017年現在でも連載は続いており、現行の漫画としては最長の作品です。ゴルゴ13の2017年9月現在のコミック数は186巻にものぼります。

1969年には、小学一年生などの学年誌で「ドラえもん」の連載が開始。人気を博した事で、後に多数の雑誌に掲載される事になりました。1979年にはテレビ朝日でアニメ化され、爆発的な人気を獲得、2017年現在でも放送が続く長寿アニメとなっています。

1976年には、ジャンプでこちら葛飾区亀有公園前派出所の連載がスタートしました。1976年42号からスタートしたこち亀は、2016年の42号まで40年間一度も休載する事なく連載が続きました。コミックスは全200巻にのぼり、単一マンガシリーズで最もコミックスの発行巻数が多い作品としてギネス登録されています。

オタク文化を開拓したコミケとまんだらけ

オイルショックの影響が残る1975年に、第一回のコミケ(コミックマーケット)が開始されました。当初は口コミだけで広まった数百人規模の小イベントでしたが、マンガ文化の広まりと共に規模は年々拡大し、近年の年間来場者数は100万人を超えています。コミケによって、好きなマンガのファン同士の繋がりが生まれ、オタク文化の市場は大きく拡大する事になりました。

★関連ページ;コミケ来場者数の推移と著作権問題の解決方法

マンガを中心とするオタク文化・サブカルの発展には、コミケと共に「まんだらけ」のような専門店の存在も大きいです。特にまんだらけは、社長の趣味で始めたマニアショップが株式上場までこぎ着けた(2000年)ということで、現代のわらしべ長者、オタクの成り上がりの究極系として後生まで語り継がれることでしょう。

少年ジャンプ黄金期と衰退

1980年代は、少年ジャンプの黄金期です。その黄金期の代表作の一つ、キャプテン翼は日本にサッカー文化を広めた偉大な作品です。メッシ、ジダン、デルピエロなどの世界的なサッカープレイヤーも、キャプテン翼に憧れてサッカーを始めたと公言しており、その影響力は世界に広がっています。その他にも、キン肉マンや北斗の拳をはじめ、ジャンプは数多くのヒット作を生み出し、テレビアニメ化されています。

90年代前半になっても、ジャンプの勢いは続きます。特に、ドラゴンボールの爆発的な人気によってジャンプの発行部数は右肩上がりを続け、1995年の3-4月号は653万部を販売し、世界記録としてギネスブックに登録されています。ドラゴンボール以外にも、幽遊白書やスラムダンクなど多数の人気作があり、当時のジャンプの地位は磐石でした。

またNHKが1996年に「BSマンガ夜話」というテレビ番組を放映開始し、岡田斗司夫や山田五郎ら知的な論客達の活躍で、サブカル・オタク文化をメジャーな存在に開拓させつつあったという、時代の追い風も大きかったです。

ブックオフはマンガ文化の破壊者なのか?

しかし、1995〜96年にかけてドラゴンボールやスラムダンクなどの人気作が相次いで連載終了、それに伴って、ジャンプの発行部数は激減しました。1997年にはライバルのマガジンに発行部数を抜かれ、ジャンプ冬の時代が訪れます。とはいえ、90年代後半にワンピースやナルトの連載が始まった事で勢いを取り戻し、再び発行部数トップの座に返り咲いています。

2015年6月15日には、ワンピースが「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス登録されました。発行部数は2014年12月時点で3億2086万6000冊を記録しています。近年、少年マンガ雑誌の発行部数は減少が続いていますが、その中でもジャンプが何とか存在感を保っていられているのは、ワンピースのおかげという口コミは多いです。少年ジャンプは、ワンピースに次ぐ人気作品を発掘することが、最大の課題といえるでしょう。

1990年には中古書店のブックオフが、1号店を神奈川県相模原市にオープンしました。それまでも日本に古本屋は多数存在していましたが、チェーン店として広く全国展開したという意味では、ブックオフは先駆け的な存在です。

新品のマンガの価格は概ね400円以上ですが、ブックオフだと安い物は100円で販売されています。そのため、新刊を買わずにブックオフで中古品を購入する客が増加しました。しかも、ブックオフは基本的に立ち読み可能なので、買わずに立ち読みで済ませる客も多いです。そもそも中古書店でマンガが売れても、作者や出版社には印税収入が1円も入らないので、一部には「ブックオフがマンガ市場を破壊している!」と批判する口コミも根強いです。

マンガ文化の歴史年表まとめ
・手塚治虫は鉄腕アトムなどを生み出しマンガ業界の発展に貢献
・コミケの広まりで、マンガ市場は拡大した
・ドラゴンボール人気等で、ジャンプの発行部数はギネス記録

そして近年は、ブックオフなど比較にならない大問題に直面しています。2018年に漫画の違法アップロード・閲覧サイトである「漫画村」がニュースで話題になり、大きな社会問題に発展しました。ネットの違法サイトが蔓延することは、中古市場どころではない大問題であり、ネットの対応に遅れていた出版社の怠慢が露呈した形となりました。

漫画村は閉鎖に至りましたが、紙の著作物は誰でも簡単にデジタル化⇒違法アップロードが可能なので、同様のサイトが今後も出てくる可能性が高く、所詮はいたちごっこに過ぎません。マンガ出版の文化は今、存続の危機に差しかかっています。

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