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漫画単行本の販売部数〜歴代ランキング

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日本は世界一の漫画大国です。全国出版協会の調査によると、日本の漫画コミックの市場規模(2017年)は4330億円にのぼります。ピーク時の1995年には5864億円だったので、昔と比較すれば落ち込んでいるものの、依然として巨大な市場規模を維持しています。こうした状況を受けて、政府はクールジャパン戦略として、日本の漫画やアニメなどを海外展開およびインバウンド増加に繋げていく事を目標に掲げています。

そんな日本の漫画市場の中でも、歴代の販売部数が多い作品ランキングが以下です。

漫画単行本の販売部数ランキング(2018年末時点)
順位 作品名 作者 巻数 累計販売数 1巻当たり 連載期間 掲載雑誌
1 ワンピース 尾田栄一郎 91巻 4億4千万部 483万部 1997〜連載中 週刊少年ジャンプ
2 名探偵コナン 青山剛昌 95 2億 210 1994〜連載中★ 週刊少年サンデー
3 ゴルゴ13 さいとうたかを 191 2億 104 1968〜連載中 ビッグコミック
4 ドラゴンボール 鳥山明 42 1億5700万 373 1984〜1995 週刊少年ジャンプ
5 こち亀 秋本治 200 1億5650万 78 1976〜2016 週刊少年ジャンプ
6 ナルト 岸本斉史 72 1億3500万 187 1999〜2014 週刊少年ジャンプ
7 美味しんぼ 雁屋哲、他 111 1億3000万 117 1983〜連載中★ Bコミックスピリッツ
8 スラムダンク 井上雄彦 31 1億2000万 387 1990〜1996 週刊少年ジャンプ
9 ドラえもん 藤子・F・不二雄 45 1億 222 1969〜1996 コロコロコミック 他
9 鉄腕アトム 手塚治虫 21 1億 476 1952〜1968 少年 他
9 ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦 123 1億 81 1986〜連載中★ 週刊少年ジャンプ 他
9 タッチ あだち充 26 1億 384 1981〜1986 週刊少年サンデー
9 ドカベン 水島新司 205 1億 48 1972〜2018★ 週刊チャンピオン
14 はじめの一歩 森川ジョージ 123 9400万 76 1989〜連載中★ 週刊少年マガジン
15 金田一少年の事件簿 天樹征丸、他 72 9000万 125 1992〜連載中★ 週刊少年マガジン
15 ブリーチ 久保帯人 74 9000万 121 2001〜2016 週刊少年ジャンプ
17 サザエさん 長谷川町子 45 8600万 191 1946〜1974 夕刊フクニチ 他
18 進撃の巨人 諫山創 27 7600万 281 2009〜連載中 別冊少年マガジン
19 キン肉マン ゆでたまご 65 7500万 115 1979〜連載中★ 週刊少年ジャンプ 他
20 ハンター×ハンター 冨樫義博 36 7200万 200 1998〜連載中★ 週刊少年ジャンプ
以下、ランク外の有名作品
25 花より男子 神尾葉子 37 6000万 162 1992〜2004 マーガレット
28 H2 あだち充 34 5500万 161 1992〜1999 週刊少年サンデー
30 らんま1/2 高橋留美子 38 5300万 139 1987〜1996 週刊少年サンデー
31 ガラスの仮面 美内すずえ 49 5000万 102 1976〜連載中★ 花とゆめ 他
37 幽遊白書 冨樫義博 19 4930万 259 1990〜1994 週刊少年ジャンプ
40 ブラック・ジャック 手塚治虫 25 4500万 180 1973〜1983 週刊チャンピオン
45 バガボンド 井上雄彦 37 4130万 111 1998〜連載中★ 週刊モーニング
47 犬夜叉 高橋留美子 56 4000万 71 1996〜2008 週刊少年サンデー
57 Dr.スランプ 鳥山明 18 3500万 194 1980〜1984 週刊少年ジャンプ
59 ちびまる子ちゃん さくらももこ 17 3200万 188 1986〜2015★ りぼん 他
60 うる星やつら 高橋留美子 34 3000万 88 1978〜1987 週刊少年サンデー
89 パタリロ 魔夜峰央 100 2220万 22 1978〜連載中 花とゆめ 他

※ソース; 漫画全巻ドットコム
※厳密には「発行部数」。巻数や部数は2018年末時点の数値。
※途中で作品タイトル等の変更があった場合や、完全版など新装されたコミックスも含む。
※★は長期の休載期間あり

歴代のマンガ販売部数ランキングの1位は「ワンピース(尾田栄一郎・作)」です。累計の販売部数は4億4000万部とダントツで、2位の名探偵コナンとはダブルスコアになっています。1巻当たりの販売部数は483万部で、こちらも全漫画の中でトップです。

4位は鳥山明の「ドラゴンボール」です。週刊少年ジャンプは、1995年に653万部という最高発行部数を記録してギネス登録されましたが、この黄金期を牽引した作品がドラゴンボールです。

ドラゴンボールのすごい点は、連載終了以降も人気が衰えていない事です。20年以上経った現在でも、ドラゴンボールのテレビアニメ・映画・ゲーム・別作家による続編漫画などが制作され続けています。特に2018年末に公開された映画「ドラゴンボール超 ブロリー」は、世界累計興行収入で1億ドルを突破し、シリーズ最高記録を樹立しています。

ランキングの5位は、秋本治の「こち亀」です。連載期間は1976年〜2016年の40年で、しかもこの間で一度も休載が無かったという伝説を持っています。コミックス総数200巻は、長期の休止期間の無い作品としては歴代最長の記録です。

なお、秋本治は当初「山止(やまどめ)たつひこ」のペンネームで活動していました。これは、当時「がきデカ」を連載していた漫画家「山上(やまがみ)たつひこ」をもじって付けた名前でしたが、山上氏からクレームが来たため、連載100回目から本名の秋本治に改められました。そのため、初期のこち亀は「山止たつひこ」名義のコミックスも販売されていました(但しあまりプレミアは付いていない)。

複数の作品がトップ100に入るマンガ家も居る

こち亀と並ぶ長期連載作品が、さいとうたかをの「ゴルゴ13」です。連載開始は今から50年以上前の1968年ですから、ゴルゴ13は2019年現在で連載が続いている、日本最長寿の漫画です。こち亀と同じく、休載は一度もありません。ただし掲載雑誌のビッグコミックは月2回の発売なので、連載回数としてはこち亀が上回っています。

販売部数上位の大半は少年漫画ですが、このゴルゴ13や美味しんぼなど、青年向け作品もいくつかランクインしています。こうした幅広い年齢の読者がいる事が、日本の漫画市場規模が大きい理由の一つです。

ランキング9位は、水島新司の「ドカベン」です。最初のドカベンは48巻(4800万部)で終了しましたが、その後も続編として「大甲子園」「プロ野球編」「スーパースターズ編」「ドリームトーナメント編」が連載され、これらシリーズの合計は全205巻にもなります。ドカベンシリーズは途中で長期の休止期間があるので単純な比較はできませんが、この巻数はこち亀やゴルゴ13をも上回る単行本の最長記録です。


※100均で売られている手塚治虫キャラのシール

同じく9位は、漫画の神様とも呼ばれる手塚治虫の代表作「鉄腕アトム」です。ランキングの上位は100巻近く連載している作品が多いですが、そんな中で鉄腕アトムはわずか21巻で1億部を販売するという驚異的な記録です。また手塚治虫のもう一つの代表作「ブラックジャック」も販売数4500万部(ランキング40位)を記録しています。

手塚治虫や鳥山明以外にも、1作品だけでなく複数のヒット作を生み出している漫画家は居ます。その代表が高橋留美子で、ランキング29位の「らんま1/2」をはじめ「犬夜叉」(4000万部)「うる星やつら」(3000万部)「めぞん一刻」(1800万部)など、手掛けた漫画のほとんどがアニメ化される程の人気になっています。また、あだち充も「タッチ」(1億部)「H2」(5500万部)「みゆき」(2500万部)など、多数のヒット作を持つ漫画家として知られています。

ちなみに休載魔として悪名高い冨樫義博も、幽遊白書とハンター×ハンターの2作品がランクインしています。冨樫氏が、いくら休載しまくってネットの口コミで叩かれてもクビにならないのは、マンガが圧倒的に売れるからです。

少女マンガのヒット作は?

少女漫画として最も単行本の販売部数が多いのは、6000万部(24位)の神尾葉子「花より男子」です。2005年には、井上真央と松本潤(嵐)の主演でテレビドラマ化もされ、作品人気が更に上がりました。とはいえ、ランキングの上位作品は1億部を超えている事を考えると、6000万部は見劣りする数字です。少年漫画を読んでいる女性は少なくないですが、少女漫画を読む男性は滅多に居ない事が、販売部数に差がある理由でしょう。

少女漫画としては、美内すずえの「ガラスの仮面」も有名です。連載開始は1976年で、2019年現在でも物語は完結していませんが、途中で何度も長期的な休載になっているため、コミックスはまだ49巻しか発売されていません。作者の美内すずえは、最終回の構想は20年以上前から決めていると語っていますが、連載が終了するのはまだまだ先になるようです。

少女漫画雑誌に連載している作品で最も単行本の巻数が多いのが、魔夜峰央の「パタリロ」です。2018年末に発売された最新刊で、ついに100巻の大台に到達しました。少女漫画では、室山まゆみの「あさりちゃん」もコミックスが100巻まで発売されていますが、こちらは2014年で連載が終了したため、今後はパタリロが単独1位という事になります。

なお、9位の「ドラえもん」17位の「サザエさん」59位の「ちびまる子ちゃん」は、漫画だけでなくアニメのヒットで有名になった作品です。特にサザエさんは、2019年で50周年を迎える程の長寿番組で、世界で最も放送期間の長いアニメとしてギネス登録もされています。人気の漫画はアニメ化されるケースが多く、漫画とアニメの相乗効果でより人気が高くなるのです。

漫画単行本の販売部数〜歴代ランキングまとめ
・1位はワンピースの4億4000万部で、1巻当たりの部数も最も多い
・こち亀やゴルゴ13は、40年以上の長期連載で販売部数を伸ばした
・高橋留美子やあだち充は、複数のヒット作を生み出している

ランキングトップ20のうち、9作品が週刊少年ジャンプが占めています。ジャンプは読者アンケートを重視した紙面作りをしており、人気の低い作品はベテラン作家であろうとも容赦なく打ち切りにされます。こうした過酷な競争を強いる事で、ジャンプは人気の高い作品を多く生み出す原動力だと言えるでしょう。

一方で、近年のジャンプは人気の高い作品は中々終了せず、無理に引き伸ばされる事を非難する口コミも多いです。例えば、ワンピース(91巻:続刊)、ナルト(全72巻)、ブリーチ(全74巻)などは、いずれも15年以上もの長期連載になってます。それに対し昔のジャンプ作品は、キャプテン翼(全37巻)、北斗の拳、(全27巻)、シティハンター(全35巻)、聖闘士星矢(全28巻)など、人気作でも連載期間は5〜8年程度しかありません。

無理のある話の展開で、当時は「引き伸ばし過ぎだ!」と非難の口コミが溢れたドラゴンボールですら全42巻なので、近年の延命措置は酷いですね。しかし、上記のようなコミックの販売部数を見せられると、編集部が人気作品を終了させたくない気持ちも理解できますね。

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