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世界のゲーム業界の市場規模

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近年はスマートフォンの普及で、コンピュータゲーム市場はスマホゲームが主流となりました。そのスマホゲームの台頭の煽りを喰らい、家庭用ゲーム市場は縮小傾向にあります。

以下は、CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の発行するゲーム白書(2016年版)を元に、当サイトが集計した世界のゲーム市場を表したグラフです。2015年の世界のゲーム業界の市場規模は約7兆8千億円でした。

※家庭用ゲームの定義は、ファミコンやプレイステーションなどの据え置きゲーム機とソフト、ゲームボーイやDSといった携帯ゲーム機とソフト、パソコンゲームのソフトを合わせたものです。ゲームセンターの売上げや、将棋やトランプのようなアナログゲームは対象外です。

世界のゲーム業界の市場規模グラフ

日本の家庭用ゲームの市場規模は3302億円です。任天堂のDSやWiiの全盛期だった2007年時の家庭用ゲーム市場規模は7114億円でしたが、以後は年々縮小が続き、ここ10年程で半分以下にまで落ち込んでいます。これは、パズドラブームに代表されるスマホゲームの影響が大きいです。

日本は元々、据え置きゲーム機よりも携帯ゲーム機の人気が高い国でした。日本は電車で通勤・通学する人が多いので、その合間に遊べる携帯ゲーム機が好まれたのです。しかし、スマホが普及したことで携帯ゲーム機の地位が奪われ、結果的に家庭用ゲーム市場は大幅に縮小する事になりました。そんな日本のスマホゲーム市場規模は9453億円で、家庭用市場のおよそ3倍となっています。スマホゲームの市場規模はアメリカも上回り、世界最大の金額です。

アメリカ(カナダ含む北米)の家庭用ゲーム市場規模は1兆2259億円で、日本の4倍近い数字です。一方、アメリカのスマホゲーム市場規模は8932億円で、日本より小さいです。

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アメリカでは、実写並みのリアルなグラフィックのゲームが好まれる傾向があり、プレステ4やXBOXのような高性能ゲーム機の人気が高く、シンプルな内容が多いスマホゲームは不人気です。また、アメリカは車社会なので、日本のように移動中にゲームを楽しむという環境にない事も、スマホゲームが広まらない理由の一つと考えられます。

ヨーロッパや新興国(中国など)マーケットの特徴

ヨーロッパのゲーム業界の市場規模は1兆5506億円と、日本より少し大きい程度の規模です。ファミコン全盛期だった1980年代、日本やアメリカでは家庭用ゲーム市場が大きく発展しましたが、ヨーロッパではあまり普及していませんでした。これは、当時の任天堂がヨーロッパに販路をほとんど持っていなかった事が理由です。

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しかし、1990年代中頃にプレステが発売された事で、ヨーロッパでの家庭用ゲーム市場は急拡大しました。ソニーは元々家電事業で世界中に販路を持っていたため、プレステの販売もスムーズに進んだのです。現在、ヨーロッパの家庭用ゲーム市場が成長してきたのは、ソニーの存在が極めて大きかったのです。

その他の地域は、南米や中東、アフリカなども含んでいますが、大部分は中国や韓国などのアジアが占めています。これらの新興国では、著作権を守る意識が乏しく、海賊版・違法コピーが蔓延しており、正規のパッケージソフトを販売する事は困難だという問題があります。

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またブラジルなど一部の国では、自国産業の育成を目的に、輸入ゲーム機に高い関税を掛けています。例えば、日本でのプレステ4の初期価格は約4万円でしたが、ブラジルでは3999レアル(発売された2013年時の為替レートでは約18万円!)と、4倍以上の値段になっています。こうした事情から、アジアや南米などでは家庭用ゲーム市場が中々発展しなかったのです。

一方で、スマホゲームの市場規模は2兆8652億円と巨大になっています。スマホゲームは海賊版の影響を受けにくく、またスマホがゲーム機と違って安く買える(そもそも必需品だから)などの理由から、中国などでも市場が急拡大しているのです。

世界のゲーム業界の市場規模まとめ
・日本の家庭用ゲーム市場は縮小しているものの、スマホゲームは世界最大
・アメリカは未だ据え置きゲーム機が主流
・中国や韓国は海賊版が横行しており、家庭用の市場規模は小さい

なお、任天堂はこれまで家庭用ゲーム市場一辺倒でしたが、経営状態の悪化が続いていた事で、2016年からはスマホ市場にもソフトを提供するようになりました。世界最大級のゲームメーカーである任天堂も参入した事で、ゲーム市場は更にスマホが主流となっていくと予想されます。

 
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