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【競馬】騎手の勝利数の世界ランキング

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競馬は16世紀頃にイギリスで発祥し「スポーツ・オブ・キングス」とも呼ばれます。今では欧米先進国だけでなく、南米やアフリカ諸国などにも広まった、世界的な興行スポーツです。

競走馬(サラブレッド)は早ければ1年未満、長くとも5〜6年で引退しますが、騎手(ジョッキー)は30年以上にわたって現役を続けるような猛者が、世界各地に存在しています。そんな騎手の勝利数世界ランキングをまとめてみました。

競馬騎手の歴代勝利ランキング(2018年2月時点)
順位 ジョッキーの名前 国籍 生年 勝利数
1 ジョルジ・リカルド(JORGE A. Ricardo) ブラジル 1961年 1万2845
2 ラッセル・ベイズ (Russell Avery Baze) カナダ 1958年 1万2844
3 ラフィット・ピンカイ・ジュニア(Laffit Alejandro Pincay, Jr.) パナマ 1946年 9530
4 パブロ・ファレロ(Pablo Falero) ウルグアイ 1966年 9083
5 ウィリアム・リー・シューメーカー(William Lee Shoemaker) アメリカ 1931年 8833
6 パット・ディ(Patrick Alan 'Pat' Day) アメリカ 1953年 8803
7 デビッド・ガル(David A. Gall) カナダ 1941年 7396
8 エドガー・プラード(Edgar S. Prado) ペルー 1967年 7287
9 佐々木 竹見 日本 1941年 7153
10 クリス・マッキャロン(Christopher John "Chris" McCarron) アメリカ 1955年 7141

ジョッキーの歴代勝利ランキング1位は、ブラジルのジョルジ・リカルド騎手で、2位はカナダのラッセル・ベイズ騎手です。世界の歴代最多勝は、この2人による抜きつ抜かれつの争いが繰り広げられていました。2008年にはリカルドが史上初の10000勝を達成したものの、2年後に落馬で負傷し長期療養に入った事で、ベイズに1位の座を明け渡しました。

そのベイズは2016年、通算1万2844勝で惜しまれつつ引退しました。ケガから復帰したリカルドは勝利数を積み重ね、2018年2月7日に通算1万2845勝目を挙げ、歴代ランキングの1位に返り咲いたのです。当稿執筆時、リカルド騎手はまだ現役続行中ですし、また3位以下との差は非常に大きいので、当面はジョルジ・リカルドが世界最多勝ジョッキーとして君臨し続けます。

ランキング3位は、2003年に引退したラフィット・ピンカイ・ジュニア騎手です。パナマ出身ですが主にアメリカで騎乗し、通算勝利数=9530勝は2006年にベイズに抜かれるまでの世界記録でした。ラフィット・ピンカイは来日して、JRAのワールドスーパージョッキーズシリーズで騎乗した事で、日本のファンにも知られています。2006年には彼の半生を描いた記録映画「ラフィット〜オール・アバウト・ウイニング」が公開されるなど、世界的な人気騎手です。

的場文男は日本最多勝=佐々木竹見を超えるか?

日本人で唯一、ランキングトップ10入りしたのが「鉄人」の愛称で親しまれた佐々木竹見騎手です。地方競馬(川崎)所属で、生涯成績7153勝は世界第9位です。また1966年に記録した年間505勝は、当時の世界記録でした。

しかし佐々木竹見の日本最多勝記録は、もうすぐ塗り替えられる可能性があります。地方競馬(大井)所属の的場文男騎手が、2017年に通算7000勝を達成したからです。当稿執筆時(2018年夏)、的場文男騎手は既に60歳となっていますが、佐々木竹見の日本記録更新と、今だ達成していない大井競馬の頂点=東京ダービー制覇(2着は10回もある)という大目標があるので、まだまだ現役を続けそうだからです。

ちなみに、日本でダントツに有名な騎手である武豊は、2018年2月時点の通算勝利数は3956で、全くのランク外です。世界のトップ騎手達と比較すると、通算勝利数は半分〜3分の1程度しかありません。とはいえ、これは決して武豊の実力が劣っている訳ではありません。

武豊騎手の騎乗回数は、約30年間でおよそ2万回、勝率では19%程度になります。この勝率は、ランキング1位のリカルドや、日本人最高の佐々木竹見とほぼ同じです。ところが、リカルドの騎乗数は約40年でおよそ7万回と、武豊の3倍近い数字になっています。年間の騎乗数で比較すると、武豊が約650回、リカルドは約1700回です。

つまり、勝率は同等でもレースでの騎乗回数が大きく違うため、それが勝利数の差に繋がっているだけなのです。海外や日本の地方競馬では、毎日のように競馬が開催されていますが、日本の中央競馬(JRA)は基本的に土日のみの開催なため、武豊の騎乗数は伸びにくいのです。

生涯獲得賞金では武豊が世界一

しかし、ジョッキーの通算獲得賞金で言えば、世界一は武豊騎手で間違いありません。海外ジョッキーの獲得賞金は、統計自体が無い国も多いのですが、ブラジルなど南米諸国は言うまでもなく、アメリカですら日本のJRAと比べれば賞金が圧倒的に安いです。一部の大レースのみは高額賞金ですが、レースの大半を占める下級条件戦は、日本の地方競馬並かそれ以下です。

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欧州のランフランコ・デットーリ騎手は、最高格であるG1レース=200勝超という世界最多記録を持っています(武豊の2倍)が、やはり主戦場の欧州では賞金がJRAよりも圧倒的に安いです。特にどの騎手も圧倒的に数が多くなる下級条件戦の賞金が、JRAはほとんどの国の10倍以上あります。武豊騎手の生涯獲得賞金は800億円超ですが、いちいち調べるまでもなく、世界でダントツ1位で間違いありません。

※JRAの場合、獲得賞金の5%が騎手の収入なので、実際に武豊が得た金額は約40億円です。

というより、賞金の世界ランキング2位や3位も、JRAの横山典弘・蛯名正義になると思われます(共に約500億円)。JRAは、世界で最も競馬ビジネスで成功しており、馬券売上もレースの賞金も圧倒的なのです。ですが、その恵まれすぎた待遇がゆえにハングリー精神に欠けた者も多く、「馬は強くなったが、騎手の技量は世界との差が大きい」と評される原因でもあります。

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