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テレビ各局の視聴率推移

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1953年2月1日、NHKが日本で初めてのテレビ放送を行いました。当時の大卒初任給の平均がおよそ1万2000円だった中で、同年にシャープが発売した国産第1号テレビの価格は17万5000円という高額でした。1950〜60年代の日本では、テレビを所有している事が裕福のシンボルでもありました。テレビのある家には近所の人が大勢集まり、プロ野球の巨人戦や力道山のプロレス中継を一緒に観戦していたのです。

それから60年以上が経ち、21世紀初頭には世帯所有率が約95%と、ほぼ全ての家庭にテレビがある状態となりました。ですが近年は、ネットの発達・スマホの普及やテレビのマンネリ化で、視聴率は低下し「テレビ離れが進んでいる」との口コミが支配的です。確かに若者の間には、家にテレビが無いという人も増えていますし、昭和期の人気ドラマやバラエティ番組は視聴率20〜30%という事も当然でしたが、現在は10%取れれば御の字と言われます。

以下は、2004年以降の民放キー5局とNHKの年間視聴率の推移を表したグラフです。データソースは、TBSのIR資料より抜粋(※2007年のNHKの視聴率データのみ不明)。

テレビの視聴率推移

「若者のテレビ離れ」というお決まりの口コミとは裏腹に、全体的に見れば視聴率の落ち込み幅はさほど大きく見えません。日本テレビは2010年頃に一時下落していましたが、ここ数年は回復傾向にあり、全放送局でトップの視聴率となっています。

そしてテレビ朝日は、この13年間ずっと7%台を維持し続けており、視聴率の低下はほとんど見られません。NHKやテレビ東京の視聴率はやや低下していますが、どちらも1%程度と微減に止まっています。

このように比較的マシなテレビ局が多い中で、TBSとフジテレビは視聴率の低下が激しいです。特にフジテレビは、2011年以降の視聴率が急激に暴落しており、2016年にはテレビ東京に次ぐワースト2位にまで落ちぶれています。

これほどフジテレビが没落した理由は、不自然なほどの韓国(韓流)のゴリ押し、ニュース番組における捏造や偏向報道、また「発掘!あるある大事典」や「ほこ×たて」など番組のやらせ発覚、昔の成功体験に囚われてワンパターンの低俗バラエティ番組を作り続ける会社の体質、など色々な口コミが挙げられています。かつてのフジテレビは、視聴率の三冠王(ゴールデンタイム・プライムタイム・全日)でテレビ業界勝ち組と言われる存在で、フジの女子アナなどはまさに「高嶺の花」でしたが、今では見る影もなく崩壊しています。

ネット動画(YouTube等)や有料放送の伸びと反比例

テレビ離れと言われる理由は、まず日本人の趣味の多様化が挙げられます。昔と違い、パソコン、スマホ、ゲーム機などのツールが充実している現在においては、テレビは娯楽の王様ではなくなりました。特に、Youtubeやニコニコ動画、アマゾンプライムやAbemaTVなどのネット動画の台頭は、テレビ業界没落に大きな影響を与えています。今や並のお笑い芸人よりも、ヒカキンらYoutuberの方が高年収だという口コミが、テレビ関係者の間でも支配的です。

地上波テレビが没落する一方、WOWOWやスカパーなどの衛星放送は好調に推移しています。例えばWOWOWは、2004年時の加入者数はおよそ248万人でしたが、2016年末では284万人と、13年間で1割以上も視聴者を増やしています。地上波の視聴率が低迷している中で、有料放送のWOWOWやスカパーの契約数が増えている事からすると、視聴者の嗜好がより多様化している状況が窺えます。

ちなみに、テレビと同じく近年は新聞業界も売上が低迷しています。2004年時の新聞発行部数は約5300万部でしたが、2016年は約4400万部と、20%近い減少となっています。

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インターネットの広まりで、世界中の情報がリアルタイムで知れるようになった事が、新聞衰退の大きな理由です。テレビの視聴率低下もネット普及の影響が大きいですが、新聞の急激な落ち込みと比較すると、テレビはまだ健闘しています。

何より、リアルタイム性でインターネットに対抗可能なテレビと、勝ち目が全く無い新聞とでは、問題の深刻度が全く違います。近い将来、新聞は高確率で消滅するでしょうが、テレビが無くなる事はまずあり得ないです。

テレビ各局の視聴率推移まとめ
・テレビの視聴率推移は下落傾向。特にフジテレビの没落が顕著
・パソコンやスマホの普及により、テレビを持たない若者も急増中
・YouTubeなどネット動画普及の影響も大きい

但し、テレビの視聴率低下のデータをそのまま鵜呑みにするのも公平ではないです。近年はハードディスクレコーダーの普及が進み、手軽に番組を録画出来るようになった事で、テレビをリアルタイムで見ずに録画視聴するという人も多くなっています。こうした録画視聴者を含めると、実際にテレビ番組を視聴している人の数はそれ程減少していないという口コミも聞かれます。

ですが、録画視聴する人の大半はCMをスキップするため、番組のスポンサーにとって録画率が高いことは喜ばしくない状況です。そのうえ、番組は録画していたが結局見ないまま消してしまう、というケースもありがちなので「録画率が高い=視聴率も高い」とも言えません。番組制作に携わっている人達は、録画率を加えて番組の真の人気を計りたいのでしょうが、スポンサーにとっては限りなく無価値な指標なのです。

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