日本と世界の統計データ

日本の遊園地(テーマパーク)の入場者数や売上比較

HOME > 文化と歴史 > 日本の遊園地の入場者数や売上比較

日本には、全国各地に遊園地(テーマパーク)があります。昭和期に作られた遊園地は元より、21世紀に作られたテーマパークでも、多くが赤字運営に苦しんでいます。そんな中、例外的に大成功しているのが、東京ディズニーランドと、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)です。

以下のように、入場者数3位のハウステンボスは約310万人と、東京ディズニーランドの10分の1程度の規模しかありません。つまり、日本のテーマパークは東京ディズニーランドとUSJの二強で、それ以外の遊園地はどれも比較にならない状況という事になります。

日本の遊園地の入場者数比較

※データ出典;情報メディア白書2017

東京ディズニーランド(&ディズニーシー)の2015年度の入場者数は3000万人を超えており、ダントツで日本一の集客数です。ミッキーマウスに代表されるディズニーブランドは世界的に人気が高いですが、実はディズニーリゾートは東京以外にアメリカ(カリフォルニア・フロリダ)、パリ、香港、上海と、世界全体でもわずか6箇所しかありません。ゆえに、昨今激増しているインバウンドの中には、東京ディズニーランドが目的だという訪日外国人も大勢いるのです。

入場者数2位のUSJは1390万人も居ますが、それでも東京ディズニーランドの半分以下です。とはいえ、ディズニーランドの数字はディズニーシーの入場者も含まれています。よって、単一のテーマパークとして比較すれば、東京ディズニーランドとUSJの入場者数に大きな差は無いとも考えられます。

USJの入場者数の推移は、オープンした2001年は約1100万人と好調だったものの、翌年以降は低迷し、2009〜2010年は過去最低となる750万人まで減少、倒産の噂すら流れる程でした。しかしその後、大幅な改革が行われ、業績はV字回復しています。

当初のUSJでは、アトラクションはユニバーサルスタジオの映画のみでしたが、自社作品に固執していては回復が見込めないと判断して方針転換。ワンピースや進撃の巨人などの人気マンガ、バイオハザードや妖怪ウォッチなどの大ヒットゲームと次々にコラボを行い、客層を大きく広げました。中でも、映画ハリー・ポッターを題材にしたエリア(建設費450億円)は爆発的ヒットとなり、2014年の入場者数はUSJのオープン初年度を上回る、1270万人を記録しました。その後も入場者数は増加が続いており、2016年は過去最高となる1460万人となっています。

ディズニーランドとUSJの比較

以下の表では、東京ディズニーランドとUSJの様々な点を比較しています。東京ディズニーランドとUSJは、入場料や面積には大きな差はないですが、それ以外には色々と違いがあります。

  東京ディズニーランド USJ
入場料(2017年) 7400円 7600円
面積 51ha 47ha
対象作品 ディズニーのみ ハリーポッターなど他社作品も扱う
仮装(コスプレ) ハロウィン時以外は完全NG 基本的に自由
2015年売上高 3876億円 1385億円

ディズニーランドでは、アトラクションの題材になっているのはディズニー作品のみです。一方のUSJは、上記の通りハリーポッターやワンピースなど、ユニバーサルスタジオとは別の会社の作品も扱っています。悪く言えば節操が無い、良く言えばお客が楽しめれば何でも取り入れるというフレキシブルさが、USJの特徴です。

客が仮装(コスプレ)して入園する事については、ディズニーは完全NGです。ハロウィン期間中のみ仮装が認められていますが、その際もディズニーキャラクター以外のコスプレはダメ、顔がわからなくなる程の過度なメイクは不可など、色々と厳しい制限があります。一方でUSJは、仮装での入場にほぼ制限がなく、ハロウィン以外の期間でもコスプレは自由です。おもちゃの武器(剣やライフルなど)の持ち込み禁止や、顔が確認出来ないマスクや被り物はNGなど、最低限のルールがあるだけで、来場客が自由に楽しめる雰囲気作りを行っています。

ディズニーランドは、とにかくディズニーの世界観を構築する事にあらゆる努力を払っています。園内から外の景色が見えない構造にしていたり、食材や機材の搬入出を専用の地下通路を使って見えなくする、など客に現実世界を忘れさせる工夫がされているのです。そのため、客の自由すら制限するスタンスなので、アンチディズニーの口コミが広まる原因ともなっています。

※USJの園内はディズニーのような景観のこだわりはなく、外の高速道路などが普通に見えます。

2015年の売上高では、東京ディズニーランドはUSJの3倍近い規模があります。しかし、近年の東京ディズニーランドの業績は頭打ちしており、逆にUSJの売上高は上昇傾向にあると報道されています(USJは非上場企業なので詳細は非公開)。つまり、両社の差は年々縮まっていると推測されています。

上記の表を見て分かるように、東京ディズニーランドは非日常的な空間、ディズニーの世界観の演出に全力を注ぐため、来場客に対しても厳しい規制を加えています。それと比較してUSJのルールはかなり緩やかで、ディズニーランドとは対照的です。TwitterやインスタグラムなどSNS全盛の現代では、制限の緩いUSJの方が良い口コミが多く広まるのは当然であり、それが近年の勢いの差として表れています。

日本の遊園地(テーマパーク)の入場者数や売上比較まとめ
・入場者数トップは東京ディズニーランドの3000万人超
・2位のUSJは東京ディズニーランドに迫る伸びを見せている
・USJは様々な作品とのコラボが成功し、業績回復に繋げた

ちなみに2017年4月には、名古屋にレゴランドジャパンが開園しましたが、当初から客足は伸び悩み、わずか2か月で入場料の値下げが行われています。かなり話題先行でオープンしたレゴランドですが、ディズニーやUSJ並の無謀な料金設定を行った事が仇となったようで、ネットでは「日本の遊園地の失敗パターンをなぞるようだ」と失笑の口コミが溢れています。

日本では、まだまだディズニーランドの成功にあやかろうと、無謀な料金設定で大失敗するテーマパークが作られ続けています。一方で「浅草花やしき」のように、派手な設備投資を諦め、身の丈にあった運営で固定客を掴んで黒字化する例も、一部に存在しています(浅草花やしきの入場者数は年間50万人超)。地方の寂れた遊園地などは、起死回生の設備投資・大型アトラクション導入を・・・なんて昭和的考えを改め、浅草花やしきに習ってみるのも一つの方法では?

※当ページへのリンクはご自由にどうぞ。但し画像・文章の転記や複製は禁止です。引用される際は当ページへリンクして下さい。
Copyright (C) 2017 https://toukeidata.com/ All Rights Reserved.