日本と世界の統計データ

遅延や欠航の少ない航空会社ランキング

HOME > 文化と歴史 > 遅延や欠航の少ない航空会社ランキング

日本の鉄道は世界で最も時間が正確です。例えば、東海道新幹線の平均延着時間はわずか40秒程度(災害原因を含む)で、大幅な遅延が起きるケースはほとんどありません。一方で飛行機は、鉄道のように時間が正確ではなく、遅延や欠航が発生する事も少なくないです。

以下は2018年上半期(4〜9月)における、日本の国内線で遅延の少ない(定時運航率が高い)航空会社ランキングです。意外にも、LCCなのにJALやANAよりも優秀な航空会社も存在します。

遅延の少ない航空会社ランキング(2018年上半期)
順位 航空会社 定時運航率 欠航率 2017年
定時運効率
1位 スターフライヤー 92.68% 2.03% 89.86(5)
2 スカイマーク 92.58 1.89 93.06(1)
3 AIRDO
92.56 2.43 90.06(3)
4 JAL 90.01 1.94 90.01(4)
5 ANA 89.54 3.08 88.52(6)
6 エアアジア 89.24 2.46 90.42(2)
7 ソラシドエア 85.48 2.37 87.75(7)
8 Peach 81.14 3.31 79.17(11)
9 ジェットスター 81.13 4.84 85.17(8)
10 春秋航空日本 79.15 2.26 83.22(9)
11 バニラ・エア 77.06 3.05 80.94(10)
12 日本トランスオーシャン航空 75.78 3.05 ---

遅延の少ない航空会社のランキング1位は、北九州空港を拠点にするスターフライヤーです。近年はPeachやジェットスターなどのLCC(ローコストキャリア)が、値段の安さで人気となっていますが、これら格安航空会社は、座席が狭い、一定の重さ以上の手荷物を預けるのが有料、ドリンクや機内食は別料金、などのデメリットも多いです。一方でスターフライヤーは、厳密にはLCCではなくMCC(ミドルコストキャリア)という位置付けです。

そのためスターフライヤーは、格安航空会社よりは料金が若干高めですが、座席が比較的広めで豪華、手荷物は20kg以内なら料金は掛からない、無料のドリンクサービスがあるなど、LCCのような欠点が改善されているのです。つまりスターフライヤーは、そこそこの安さと快適さを兼ね備えた、バランスの良い航空会社になっているのです。

ランキングの2位はスカイマークです。かつては欠航率が2%を超えていた時期もあったスカイマークですが、2015年1月の経営破綻以降、定時運行率は大幅に改善されています。スカイマークは「定時運効率ナンバーワン」を目標に掲げ、経営改善を行った事で、遅延や欠航の少ない航空会社に生まれ変わったのです。

2018年上半期はスターフライヤーより劣っていますが、2017年では定時運航率93.06%で1位でした。特に欠航率が低く、2018年上半期が1.89%、2017年は0.59%で、共に1位です。スカイマークの欠航する心配が少ないという点は、航空会社にとっては大きなメリット・PRポイントになる訳です。なおスカイマークは、こうした優秀な定時運航率を武器に経営改善を進め、2020年9月までに株式再上場する計画中だそうです。

LCCは遅延や欠航が起きやすい

ランキングの最下位は日本トランスオーシャン航空で、定時運航率は75.78という低さです。ただしこれには理由があり、日本トランスオーシャン航空は沖縄・那覇空港を拠点に、周辺の離島とを結ぶローカル航空会社なのです。そのため台風被害に合う確率が非常に高く、それが遅延や欠航の多さに繋がっているのです。

日本トランスオーシャン航空に限らず、悪天候は飛行機が欠航しやすい理由の一つです。新幹線は多少天気が悪くても通常通り運行されますが、飛行機は大雨や積雪時の離着陸は極めて危険になるため、天気の悪化で欠航が起きやすいのです。国際線の場合は、目的地の天候にも左右されるため、日本の天気は良いのにいつまでも出発できない、という事もあります。

こうした悪天候による欠航以外にも、航空会社のミスやトラブルで遅延が発生するケースもあります。その一つが機材繰り(次に運行する飛行機の到着遅れ)です。

基本的に、一台の飛行機は一日に複数回運行されます(羽田→新千歳→羽田のような往復便が多い)。ゆえに、行きの羽田→新千歳が遅れた場合、帰りの新千歳→羽田も遅延する事になるのです。こうした機材繰りによる遅延は、JALやANAよりもLCCで起きやすい傾向があります。LCCは極限にコストカットした経営なため、機材や人員に余裕が無く、トラブルへの対応能力がそもそも低いというデメリットを抱えています。

遅延や欠航の少ない航空会社ランキングまとめ
・1位のスターフライヤーは充実したサービスで遅延も少ない
・スカイマークは事業改善で欠航率が激減した
・LCCは機材繰りによる遅延が起きやすい傾向がある

なお、空港側の事情で遅延が発生するケースもあります。例えば大阪・伊丹空港は、運用時間が21時までと厳格に制限されているため、出発が遅れた便は時間内に着陸できなくなる可能性があるのです。そのため到着が21時以降になると判断された場合、行き先が関空(24時間営業)に変更されたり、やむを得ず欠航になる事もあるのです。

※当ページへのリンクはご自由にどうぞ。但し画像・文章の転記や複製は禁止です。引用される際は当ページへリンクして下さい。
Copyright (C) 2017 https://toukeidata.com/ All Rights Reserved.