HOME > 文化と歴史 > 日本国内で利用者の多い航空路線ランキング
日本は鉄道大国として知られていますが、航空路線も相当に整備されています。日本全国に旅客機が発着する空港は、全部で98箇所もあり、年間で約1億人が飛行機で移動しています。
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しかし100近い空港があっても、利用者の多い路線と少ない路線では、大きな差があります。以下で、日本の飛行機・国内線で利用者の多い路線ランキングと搭乗率をまとめました。
航空路線別の旅客数ランキング | ||||
順位 | 路線 | 区間距離 | 旅客数 | 搭乗率 |
1位 | 東京−札幌 | 894km | 9051293人 | 75.2% |
2 | 東京−福岡 | 1041 | 8539719 | 76.3 |
3 | 東京−那覇 | 1687 | 5809330 | 77.3 |
4 | 東京−大阪 | 514 | 5451465 | 75.7 |
5 | 東京−鹿児島 | 1111 | 2399650 | 67.4 |
6 | 東京−熊本 | 1086 | 1973618 | 68.9 |
7 | 福岡−那覇 | 1008 | 1921783 | 73.9 |
8 | 東京−広島 | 790 | 1892676 | 68.4 |
9 | 成田−札幌 | 892 | 1826559 | 83.2 |
10 | 東京−長崎 | 1143 | 1731922 | 70.4 |
11 | 東京−松山 | 859 | 1552082 | 70.9 |
12 | 東京−宮崎 | 1023 | 1430601 | 63.1 |
13 | 中部−札幌 | 1084 | 1424052 | 70.1 |
14 | 東京−関空 | 678 | 1290878 | 68.5 |
15 | 東京−高松 | 711 | 1263260 | 67.2 |
16 | 関空−札幌 | 1309 | 1219255 | 78.2 |
17 | 東京−北九州 | 958 | 1213095 | 66.6 |
18 | 東京−大分 | 928 | 1203971 | 65.2 |
19 | 大阪−那覇 | 1304 | 1160077 | 72.0 |
20 | 那覇−石垣 | 472 | 1160064 | 71.3 |
ー | 合計 | ー | 97992437人 | 72.6% |
日本の国内線で旅客数が最も多い路線は、約900万人の「東京(羽田)〜札幌(新千歳)」です。北海道は日本有数の観光地であり、道外からの旅行客数は年間約600万人にもなるため、飛行機利用者も多いのです。2016年には北海道新幹線が開通しましたが、現時点では函館までしか行けないため(東京〜札幌の開通は2030年頃)、大半の人が飛行機を利用しています。
ランキングの2位は、旅客数約850万人の「東京〜福岡」です。東京〜福岡は1000km以上の距離があり、新幹線ではおよそ5時間も掛かるため、ほとんどの人は飛行機を利用しています。実際、東京〜福岡間の移動では、JRのシェアはわずか7%しかありません。
意外な事に「東京(羽田)〜大阪(伊丹)」の飛行機旅客数は約550万人と多く、ランキング4位です。ご存知のように東京=大阪間は、東海道新幹線が2時間半程度で結んでいます。
東京〜大阪間の移動時間は、新幹線より飛行機の方が短いです。しかし飛行機はフライトの30分前には空港にいる必要がありますし、空港までの移動時間などを踏まえると、実質的な所要時間はどちらも大差ありません。料金についても、飛行機と新幹線はほぼ同等です。ゆえに、東京〜大阪の移動は新幹線の方が利便性が高いのですが、実は飛行機の利用客も多いのです。
ちなみに羽田〜伊丹だけでなく、実は「成田〜関空」も搭乗率86.4%と高くなっており、東京〜大阪の飛行機需要は想像以上に多いようです。
飛行機を利用する客が多い理由の一つが、マイルを貯める目的です。JALやANAでは飛行機に搭乗する度にマイルというポイントが貯まり、一定数以上になると航空券への交換が可能になります。つまり、飛行機に沢山乗る人ほど、料金が安くなるという事です。世間にはマイルを貯める事が趣味だという人は、驚くほど沢山居ます。一方で新幹線には、飛行機のマイルのような仕組みはありません。
他にも、飛行機は株主優待券があれば半額になる、乗り継ぎして地方へ行く際には飛行機が便利、新幹線では大きな荷物を運びにくい、といった理由も考えられるでしょう。
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なお、日本の全航空路線を対象にした場合の平均搭乗率は72.6%です。全体的に見ると、東京・大阪・札幌・福岡など人口の多い地域を含んだ路線は搭乗率が高く、地方・田舎ほど搭乗率が低い傾向があります。
そんな日本の航空路線の中で、最も搭乗率が高いのは「関空〜新潟」の91.2%です。これは格安航空会社・Peach(ピーチ)が2018年3月に開設したばかりの路線であり、LCCで新潟空港を定期発着とするのは初という事です。運行は1日1往復と少ないですが、関西から北陸・日本海方面へは移動が不便だったため、需要は高いようです。
日本国内で利用者の多い航空路線ランキングまとめ
・旅客数が最も多いのは約900万人の東京〜札幌
・最も搭乗率が高いのは91.2%の関空〜新潟
・意外にも東京〜大阪を飛行機移動する人は多い
日本には空港が存在しない都道府県もあります。具体的には、神奈川・埼玉・栃木・群馬・山梨・岐阜・三重・滋賀・奈良・京都の10県が該当します。神奈川や京都など人口の多い都市部でも空港が無いのは、近くに羽田や伊丹などの大型空港があるからです。そもそも県内に空港があっても、需要が少なく赤字を垂れ流し続けている自治体も多いのです。