HOME > 経済 > 日本では飛行機が一日何便飛んでいるのか?
日本はアメリカと比べて国土が狭く、電車による交通網が発展している国です。それでも、島国という問題や、後述する「4時間の壁」というのもあり、飛行機で移動する人も非常に多いです。また日本は、地方への公共事業目的で空港が乱造されており、民間機が離着陸する空港が全部で98箇所もあります(⇒日本全国の空港一覧表〜1日の着陸数や乗降客数など)。
では日本の空では一日に、どれだけの飛行機が飛んでいるのでしょうか?国土交通省が発表した2016年のデータによると、一日2700機の旅客機が日本の空を飛び回っているという事です。
・日本で一日に飛ぶ飛行機の数=約2700機
2700機のうち8割は国内線であり、中でも最も多い路線が東京(羽田)〜札幌(新千歳)で、一日当たり128便が運行されています。
国内線の一日当たりの運行便数 | ||
順位 | 航空路線 | 運行便数と搭乗者数 |
1 | 羽田〜新千歳 | 128機(24620人) |
2 | 羽田〜福岡 | 120機(22290人) |
3 | 羽田〜那覇 | 62機(14268人) |
4 | 羽田〜大阪 | 60機(14321人) |
5 | 羽田〜鹿児島 | 56機(6182人) |
6 | 羽田〜熊本 | 46機(5402人) |
7 | 福岡〜那覇 | 42機(4399人) |
8 | 羽田〜長崎 | 36機(4897人) |
9 | 羽田〜広島 | 34機(4230人) |
10 | 成田〜新千歳 | 28機(3466人) |
※出典:ベレ出版・日本で1日に起きていることを調べてみた
その東京から北海道間ですが、2016年以前は電車で行くには、東北新幹線と在来線を併用するしかなく、函館まででも5時間半もの時間が掛かっていました。しかし、2016年3月に北海道新幹線が開通した事で、東京から函館までなら約4時間で着けるようになりました。
ですが、国土交通省の2013年のデータでは、東京〜北海道までの移動に使われる交通機関は、飛行機が91.2%と大半を占めており、新幹線(電車)はわずか6.3%しかありません。特に、近年はピーチやジェットスターといった格安航空会社(LCC)が登場し、料金面でも飛行機のメリットが大きくなった事で、鉄道を選択する人は増えていません。
新幹線と飛行機、どちらが利用されるかには、4時間の壁があると言われています。人間が移動時間として許容できるのはおよそ4時間程度であり、目的地までの新幹線での所要時間が4時間以内ならば新幹線を利用する客が多く、それ以上掛かる場合は飛行機を利用する客が多くなるのです。北海道以外でも、長距離移動の電車と飛行機の利用率を比較すると、長時間になるほど飛行機の割合が増える傾向が、はっきりと現れています。
飛行機と新幹線の利用比率 | |||
路線 | 交通手段 | 所要時間 | 利用率 |
東京〜福岡 | 飛行機 | 1時間55分 | 92.7% |
新幹線 | 4時間50分 | 7.3% | |
名古屋〜福岡 | 飛行機 | 1時間20分 | 51.0% |
新幹線 | 3時間14分 | 49.0% | |
大阪〜福岡 | 飛行機 | 1時間10分 | 18.3% |
新幹線 | 2時間22分 | 81.7% |
★関連;飛行機の料金(東京〜大阪間)の推移 日本国内で利用者の多い航空路線ランキング
2018年現在、北海道新幹線は函館までしか開通していませんが、2031年には札幌まで延長される予定です。しかし、全線が開通した場合でも、東京〜札幌までの所要時間は6時間程度は掛かる見込みであり、飛行機のシェアを奪うのは難しいと推測されています。
日本では飛行機が一日何便飛んでいるか?まとめ
・1日に日本の空を飛ぶ飛行機は約2700機
・国内線で一日当たり最も運行されているのは羽田〜新千歳の128便
・移動は4時間以内なら新幹線、それ以上は飛行機を選ぶ人が多い
前述したように、日本国内には97もの空港がありますが、一部を除けば発着枠はガラガラです。ですが、LCCの登場や、海外(特に中国)からの国際線の直接乗り入れなど、過疎の地方空港を活用できるチャンスは広がってきました。自治体の努力で観光客を呼び込めるようになれば、飛行機の力を使って地方の活性化は行えるのではないでしょうか?