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世界と日本でのデジカメ市場規模と企業シェア

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近年、iPhoneなどのスマートフォンの普及でデジカメ市場が煽りを受け、販売台数の縮小が続いています。ガラケー時代から携帯にはカメラ機能が備わっていましたが、スマホになってカメラ性能が上がった事で、現在ではデジカメと遜色のない高精細な画像が、手軽に撮影できるようになりました。スマホで撮影すれば、twitterやインスタグラムなどのSNSへ直接画像をアップロードできるので、利便性の悪いデジカメが敬遠されているという理由もあります。

矢野経済研究所の調査によると、2016年の世界の携帯電話サービス契約数は82億819万5000契約との事です。世界の人口は約74億人ですから、1人1台以上が所有している(およそ112%)という計算になります。これだけ大勢の人が携帯を所有する時代となった今、デジカメの売上が減少するのは当然と言えます。

そんなデジカメの世界での市場規模とメーカー別シェア(2015年)は以下の通りです。

世界のデジカメの市場規模とシェア内訳グラフ

※データ出典;書籍「日経業界地図・2017年版」。下のグラフも同様。

デジカメの世界での販売台数は年間で約4100万台、内訳はキヤノンやニコンやソニーなど上位は日本企業が占めています。テレビや冷蔵庫などの家電は、中国や韓国の企業がランキング上位を席巻していましたが、デジカメについてはサムスンが何とかランクインしているのみで、それ以外は日本企業が独占しています。

上記の通り、スマホの普及でデジカメの価値は大きく減少しました。スマホがあるのにわざわざデジカメを買うのは、写真が趣味だというヘビーユーザーやプロのカメラマンなど、コアな客層だけです。よって安い製品はあまり売れず、性能にこだわったデジタル一眼レフのような高級品が売れ筋です。中国や韓国の企業は、家電を安く作る能力には長けていても、高性能な製品を作る技術は乏しく、デジカメ市場は技術力の高い日本企業の独壇場になっているのです。

そして以下のグラフは、日本でのデジカメの市場規模と販売シェアです。

日本のデジカメの市場規模とシェア内訳グラフ

日本市場では年間500万台弱のデジカメが販売されており、 世界市場と同じくキヤノン・ニコン・ソニーといった日本企業がシェアを独占しています。テレビ冷蔵庫など大半の家電製品で、日本市場はガラパゴス化している事が問題視されていますが、デジカメは数少ない非ガラパゴス市場と言えます。ただし、今後スマホが増々普及していく事で、デジカメ市場は更に縮小していく事は確実でしょう。

世界と日本のデジカメ市場規模と企業シェアまとめ
・世界での販売台数は約4100万台だが、スマホの普及で減少傾向
・デジカメは国内でも海外でも、日本企業のシェアが圧倒的
・サムスンや中国企業も弱く、数少ない非ガラパゴス市場である

一部には、SNS女子によるインスタ栄え(インスタグラム用に美しく撮る)の需要でデジカメが再び売れている〜という口コミも見られますが、そんなものは絶対数が限られており、市場を支えるほどの需要とはなり得ません。そもそも、昭和の時代〜デジカメが登場する以前は、カメラは一部のマニアの趣味に過ぎず、普通の人は旅行などでも「写ルンです」のような安価な使い捨てカメラで撮影するのが一般的でした。

つまり21世紀初頭のデジカメ販売最盛期のほうが異常で、そもそもバブルだったと見るのが正解でしょう。アナログレコードやステレオコンポのように、デジカメもやがては「一部のマニアだけの商品」に戻っていくだけでしょう。

 
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