HOME > 経済 > 飛行機の値段
飛行機の運賃ではなく、機体そのものの値段を知っている人は少ないでしょう。一般的に、300人規模が乗員できるジャンボ旅客機の値段は100億円以上で、例えば「ボーイング787」の値段は約200億円です。よってジャンボ機を個人が購入する事は、現実的ではないです。
しかし、座席数10〜20名程度の小型飛行機(セスナ機よりは大型)、俗に言うプライベートジェットならば個人で所有する事は不可能ではありません。プライベートジェットは自分とその関係者しか乗らないので、スケジュールが自由に組める、乗り換えが必要ない、周囲を気にせずゆったりと快適な時間が過ごせる、専用の税関を通るので出入国で待たされない、などのメリットがあります。
プライベートジェットの値段は、概ね20〜60億が相場とされます。一例として、プライベートジェットとして最高ランクの「ガルフストリームG650」の値段は約56億円です。これ以外にも、燃料費、空港の格納庫の利用料、整備費用など、年間の維持費が2〜3億円掛かります。
実際、日本の有名人でもプライベートジェットを所有している人は少ないです。メジャーリーガーのイチロー選手や、テニスで世界ランキング上位の錦織圭選手らは、プライベートジェットの利用が度々報道されますが、彼らは飛行機を購入したわけではなく、レンタルだったりリース契約を結んでいるようです。
飛行機をレンタルする場合、一日当たり概ね1000〜2000万円、年間契約で5000万〜1億円程度なので、購入した場合よりは随分と安く済ませる事が出来ます。プライベートジェットのレンタル料金は、飛行時間で決まります。よって、複数人で搭乗するとお得になります。仮に、レンタル料金が1000万円で10人で利用した場合、1人当たりの値段は100万円です。国際線のファーストクラスに乗ると100万円以上掛かる事と比較すれば、プライベートジェットを借りるのも大差ない料金となる訳です。
欧州では、プロゴルファーや競馬の騎手など、次の会場へ乗り合いで、プライベートジェットで移動するケースも多いようです。プロスポーツ選手はハードな日程をこなすので、高額なレンタル料を支払ってでも、移動時間の短縮やプライベートな空間を優先するのです。
一方で本物の大富豪は、プライベートジェットを購入している人も多いです。資産世界一のビル・ゲイツ、サッカー界の貴公子デビット・ベッカム、香港映画のアクションスターであるジャッキー・チェン、不動産王でもあるアメリカ大統領ドナルド・トランプ・・・などプライベートジェットを所有する有名人は多いです。さすがにこのクラスの人達になると、維持費が何億円か掛かっても平気なのでしょう。
飛行機の値段まとめ
・ジャンボ機の値段は100億円以上、プライベートジェットは20〜60億円
・ビルゲイツやトランプ大統領らはプライベートジェットを所有している
・ただし所有すると、維持費だけでも年間2〜3億円は必要
・よってイチローや錦織圭はレンタル契約だと言われる
なお、飛行機を製造・販売しているメーカーは世界中でも限られており、ジャンボ機ならボーイング(米国)とエアバス(欧州連合)の2社のみ、中型機もボンバルディア(カナダ)やエンブラエル(ブラジル)など数社に限られます。日本でも国産ジェット機「MRJ」の開発が何度も頓挫しているように、飛行機の製造は技術的に困難が多いのです。料金が高いのも、ある意味仕方のない事です。