HOME > 経済 > 世界と日本のスマホ機種シェア比較
大人から子供まで、今や誰もが所有するのが当たり前になった携帯電話。矢野経済研究所の調査によると、2015年の世界の携帯電話サービス契約数は79億4278万7000で、世界人口に対する普及率は111.5%に達し、一人一台以上、携帯電話を持っている計算になります。
近年の携帯電話はスマートフォンが主流となっており、ガラケー(フィーチャーフォン)時代とはシェアが大きく変わっています。以下のグラフは、2015年の世界市場でのスマホ販売台数(出荷数)のメーカー別シェアです。
世界では1年間にスマホが14億台以上売れています。そのシェア1位は韓国のサムスン電子(22.3%)です。サムスンは薄型テレビや冷蔵庫なども大きなシェアを獲得しており、世界の家電市場で中心的存在と言えます。
一方でiPhoneのアップル社は。シェアは16.1%に過ぎず、数の上ではアンドロイド携帯の方が、世界では圧倒的に普及しているのです。iPhoneは本体価格が10万円前後と高額なので、中国や東南アジアなどの新興国では、多くの人が安いAndroid携帯しか買えないのが実情です。OS別で見れば、アンドロイドが約81%と圧倒的で、iPhone(iOS)の16%を凌駕しています。
ところが日本のスマホ市場は、iPhoneが約半分のシェアを占め、圧勝状態です。日本では携帯の大手3キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が共にお得な割引キャンペーンを行うなどしてiPhoneの販売に力を入れていることが、最大の理由です。
アップル社は各キャリアにiPhoneの販売ノルマを課すので有名ですが、日本では3大キャリア全てがiPhoneを導入しているので、特に顧客獲得競争が激しいのです。海外ではiPhoneを販売する携帯キャリアがその国で1〜2社というケースが多く、日本のように全社が販売するような国は珍しいのです。こうした理由から、日本ではAndroidよりもiPhoneの方が価格が安い(値引きが大きい)場合もあり、結果としてiPhoneが高いシェアを獲得しているのです。
そして、日本市場ではサムスンのシェアはほぼ0になっています。かつてはNTTドコモがサムスン製スマホの販促に力を入れていましたが、嫌韓感情の高まりで売れ行きが低迷した事や、ドコモもiPhoneを販売するようになったので、サムスンを推す理由が無くなったのです。
世界市場と日本でのスマホ機種シェア比較まとめ
・世界市場でのスマホシェア1位の企業は韓国のサムスン
・日本市場はiPhoneが、3大キャリア全てが販売するため圧倒的シェア
・iPhone一強の日本のスマホ市場は、ガラパゴス化の象徴
・但し今後は、格安スマホに流れる顧客が増える?
かつて、日本の携帯電話は独自の進化を遂げた事が、今日の日本の「ガラパゴス市場」と揶揄される元祖でした。その後携帯電話はスマホが主流となりましたが、そのスマホ市場でもiPhoneが圧倒的人気で、外来種によってガラパゴス化しているのは、何とも皮肉な顛末ですね。
しかし近年は、iPhoneに目新しさが無くなり、またアップルが暴利を貪りすぎて余りに高額になったため、MVNO(格安スマホ)に流れる人も増え始めています。iPhoneが大人気でも、このままアップルが殿様商売を続けていると、日本市場でのシェアも減っていく事になるでしょう。