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ソフトバンクの売上高と純利益の長期推移グラフ

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ソフトバンクは、1981年に孫正義氏が創業した会社です(当時は前身の日本ソフトバンク株式会社)。ソフトバンクといえば、携帯電話キャリアやプロ野球チームとしての印象が強いですが、創業当時はパソコン用のパッケージソフトを販売する会社でした。社名のソフトバンクも、ソフトウェアの銀行という意味で名付けられています。

2017年のソフトバンクは、売上高9兆1588億円、純利益1兆390億円となっています。日本企業で年間の純利益が1兆円を超えたのは、トヨタ自動車、三菱UFJ銀行、に次いでソフトバンクが3社目です。ソフトバンクは設立から約35年で、日本の頂点ともいえる企業にまで成長したのです。以下は、ソフトバンクの売上高と純利益の長期推移を表したグラフです。

ソフトバンクの売上高と利益の長期推移グラフ

ソフトバンクの売上高と純利益の超長期データ
  売上高 純利益   売上高 純利益
1994年 968億円 20億円 2006年 25442億円 288億円
1995 1711 57 2007 27761 1086
1996 3597 90 2008 26730 431
1997 5133 103 2009 27634 967
1998 5281 375 2010 30046 1897
1999 4232 84 2011 32024 3137
2000 3971 366 2012 32025 3725
2001 4053 -887 2013 66667 5203
2002 4068 -999 2014 85041 6684
2003 5173 -1070 2015 88818 4742
2004 8370 -598 2016 89010 14263
2005 11086 575 2017 91588 10390

1994年は、ソフトバンクがNTTドコモやDDIセルラー(現KDDI)に次ぐ第3の携帯キャリアに乗り出した年です。東名阪ではデジタルホン、他の地域ではデジタルツーカーという二つのブランドで事業展開していましたが、後に二つを統合してJ-フォンとなりました。当時のソフトバンクの売上高は968億円、純利益は20億円と、まだまだ会社としては中規模な存在でした。

1996年には、アメリカのYahoo社に出資してヤフージャパンを設立、今でもソフトバンクの中核を成す子会社の一つです。世界の検索エンジンでは、グーグルが圧倒的なシェア(2017年ではおよそ9割)を占めますが、日本市場ではヤフーが覇者です。

確かに2010年12月からは、ヤフー検索のシステムもグーグルのエンジンを採用し、検索結果はほぼ同じになり、検索エンジンとしての役目は死滅しました。それでもヤフーJAPANは、ニュースやヤフオク、ヤフーファイナンスやトラベル・天気など様々な情報サービスがあり、利用者は日本最大を維持し続けています。調査会社ニールセンのデータによると、2017年に日本人がパソコンから閲覧したwebサイトで最も多かったのは「Yahoo! Japan」の3377万人との事です(2位はグーグルの2392万人)。

またソフトバンクは、2001年にADSLによる高速インターネットサービス「Yahoo! BB」を立ち上げました。通信事業のインフラを一から立ち上げるために、莫大な予算が必要になり、2003年には1000億円規模の赤字を計上しました。しかし、日本テレコムの買収などをきっかけに赤字は解消していき、売上高も急激に伸びていきました。

投資会社化を目指すが、課題は孫正義亡き後の体制

2004年から2005年に掛けて、ソフトバンクは福岡ダイエーホークスを買収、プロ野球界への参入を果たしました。ソフトバンクホークスになってから数年は成績が振るいませんでしたが、2010年にはリーグ優勝、翌2011年には日本一になり、近年は必ず優勝争いに絡む強豪チームへと変貌しました。


※超満員の福岡・ヤフオクドーム

業績好調を原資に、2012年には本拠地・福岡ドームを870億円かけて買収し、ヤフオクドームと命名。ソフトバンクホークスは、日本球界では珍しい「球場を自前で所有する球団」となりました。また2016年には、巨人を抜いて平均年俸も12球団トップに踊り出ました。今では日本プロ野球界は、巨人ではなくソフトバンクを中心に回っていると表しても過言ではないです。

2006年には、ボーダフォンの日本法人を買収し、携帯電話事業の設備やノウハウを獲得しました。そして2008年にはアップル社のiPhone販売キャリアとなった事が、携帯電話事業の原動力となりました。携帯キャリアとしてドコモやKDDIに大差があったソフトバンクですが、iPhoneの独占発売で流れは変わり、契約数の推移は大きく伸びたのです。

とはいえ、2011年にはKDDIが、そして2013年にはドコモもiPhoneを販売するようになった事で、現在ではソフトバンクの優位性は無くなっています。2018年、ソフトバンクグループの社長である孫正義は、傘下の携帯電話事業を分離して親子上場させる方針を打ち出しています。この親子上場は、日本国内での携帯電話事業の成長が見込めないため、投資家に売りつける「出口戦略」に舵を切った・・・と見る口コミが支配的です。

ソフトバンクの売上高と純利益の推移グラフまとめ
・ソフトバンクは、2016年に純利益が1兆円を超えた
・ボーダフォンやプロ野球=ホークスの買収で知名度を上げる
・iPhoneの独占販売が崩れた携帯電話事業は、出口戦略を模索中

2013年以降、ソフトバンクの売上高が更に急伸していますが、これはスプリント・ネクステル社やARM社など、海外の大企業を買収したことが理由です。孫正義は「300年企業」と題し、ソフトバンクを「世界最大の投資会社にする」と明言しており、今後はあらゆる事業をグループ内に抱える財閥企業化していく事が予想されます。

但し、投資会社化は2018年現在は成功だといえますが、これは明らかにワンマン社長=孫正義のカリスマ性・行動力に支えられており、専門家の評判は「孫が死んだらソフトバンクは終わる」という辛辣な口コミも多いです。ソフトバンクが今後も売上や利益を成長させるためには、孫正義抜きでも維持できる組織形態を構築できるのかが、最大の問題と言えます。

 
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