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世界市場と日本での洗濯機の販売シェア比較

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1950年代の日本では、洗濯機・冷蔵庫・テレビ(白黒)の3つの家電が「三種の神器」と呼ばれ、高度経済成長期における日本人の豊かさの象徴でした。そんな憧れの対象だった洗濯機も、現在ではほとんどの家庭が所有するようになっており、総務省の調査によると、2014年の国内洗濯機普及率は98.8%との事です(二人以上の世帯)。

一方で近年では、中国・インドなど新興国でも水道・下水のインフラが整ってきており、洗濯機は世界的に普及が進んでいます。以下のグラフは、そんな洗濯機の世界および日本市場での、メーカー別販売シェアを比較したものです。

洗濯機は2015年に、世界中で約5億2千万台が販売されました。世界市場でのランキング1位は、中国メーカーのハイアールです。日本でもビックカメラが、テレビCMでハイアール製の洗濯機を勧めている事などで、近年では有名になりました。ハイアールは品質重視の戦略を取り、中国製品の安かろう悪かろうというイメージを払拭した事が、販売増加の要因です。またハイアールは、2012年にパナソニックの子会社・三洋電機を買収した事もシェア拡大に繋がりました。

2位はアメリカのワールプール(16.4%)ですが、3位は中国の美的集団(9.0%)、4位は韓国LG電子(7.6%)と続き、洗濯機市場はアジア企業が高いシェアを獲得しています。反面、パナソニックなどの日本企業は全くランキングに入っていません。日本企業は高機能な製品を高く売る戦略ですが、世界的に見れば洗濯機は「洗えるだけでOK」という人が大半であり、機能性が重視されない製品です。そのため、価格の高い日本の洗濯機は売れない傾向です。

日本の洗濯機市場では、日立が30.1%で販売シェアトップです。以下、パナソニック、東芝、シャープと日本企業が続きます。世界市場で高いシェアを獲得していた、ハイアールやワールプールのシェアは極めて少ないです。洗濯機に限らず、テレビ冷蔵庫など日本市場における家電売り上げの大半は日本企業が占めており、典型的なガラパゴス市場となっています。

GfkJapanの調査によると、近年の日本では洗濯機の平均販売単価が上昇しており、2011年は5万6千円だったものの、2015年には6万3千円になっているとの事です。販売単価が上がっている主な理由は、大容量モデルが人気な事です。日本は共働きや単身世帯が増加しており、休日などにまとめ洗い出来る、大容量モデルを選択する人が多いとの事です。

海外では洗濯機は出来るだけ安く買いたいという人が圧倒的であり、こうした日本と海外のニーズの違いも、シェアに表れているようです。しかし世界でのニーズとは裏腹に、日本メーカーは「IOTの時代だ!」などと勘違いして、洗濯機をインターネットに繋ぐなど馬鹿な方向への高機能化に拘っているようで、残念でなりません。

世界と日本の洗濯機シェアまとめ
・洗濯機の世界シェア1位は中国のハイアール、日本企業のシェアは低い
・日本の洗濯機市場は日立やパナソニックなど国内企業でガラパゴス化
・高付加価値で高額な日本製品は、世界市場では売れにくい

最近では日本でも、コインランドリーチェーンの「WASHハウス」が株式上場したり、カフェが併設されたお洒落なコインランドリーなども流行しつつあります。増加の要因は、単身世帯の増加で家に洗濯機を置かない人が増えているという、需要面だけではありません。個人事業の投資対象としてや、地主の相続税対策など、供給サイドの思惑でコインランドリーが建てられるケースも増えています。日本の家電メーカーは「日本国内という高単価なガラパゴス市場があるから」と安心していられない状況です。

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