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家電量販店の市場規模と企業シェア

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家電量販店の市場規模は、年間5兆3千億円ほど(2015年)ですが、近年は縮小傾向にあります。消費税増税による消費の崩壊や、Amazonなどの通販サイトの台頭の影響が大きいです。一時は中国人観光客による「爆買い」需要に沸きましたが、2016年に関税が増税されたことで需要が一段落したため、家電量販店の売上は伸び悩んでいます。以下のグラフは、そんな日本の家電量販店の企業別シェアを表したものです。

家電量販店のシェア

家電量販店のシェアの1位は、30.3%のヤマダ電機です。この数字は、2位のビックカメラと比較してダブルスコアです。ヤマダ電機のシェアが圧倒的な理由は、地方や郊外にも出店して売上を伸ばした事です。ビックカメラやヨドバシカメラなど、ほとんどの家電量販店は人口の多い都心部、それも駅前にしか出店していませんが、ヤマダ電機は地方の幹線道路沿いなど郊外店も多いです。全国の広範囲に出店する事で、売上を伸ばしてきたのです。

ただし、当然ながら田舎の店舗は客数が少ないので、ヤマダ電機の1店舗あたりの売上高は、ビックカメラなどと比較して少なくなっています。こうした郊外出店のビジネスモデルに限界がきたのか、ヤマダ電機は2015年に不採算店舗を60店閉鎖しています。

以前からヤマダ電機の業界シェアは高かったですが、2012年にベスト電器を子会社化し、更に勢力を拡大しました。食料品など家電以外の商品も販売する事で「ついで買い」の需要を取り込む手法も、郊外店では有効でした。加えて近年、ヤマダ電機はスマートハウス事業に注力しており、住宅メーカーのハウステックなどを子会社化して既存店舗にショールームを併設するなど、改装が進められています。住宅のリフォームは巨額の売上が見込めるので、会社を挙げてプッシュしている新規事業です。一方で余りの多角経営に「もはや家電量販店ではない」と揶揄する口コミも増えています。

薄利多売の業界なので、合併でスケールメリットを追求するしかない

シェアの2位は、14.9%のビックカメラです。コジマやソフマップを子会社化し、ヤマダ電機の追撃を狙っています。近年の家電量販店業界の追い風だった、中国人観光客の爆買いの恩恵を最も大きく受けたのがビックカメラだと言われます。特に大阪・難波のビックカメラは、外国人観光客で売り場がごった返す、カオスな店舗として有名になりました。

激増する中国人観光客に対応するため、早くから中国版クレジットカード・電子マネーである銀聯カードやアリペイに対応しただけでなく、2017年にはビットコインでの支払いにも対応し始めました。

ちなみに、ビックカメラはビッグ(BIG)ではなくビック(BIC)カメラが正しい名称です。BICはBIGと同じく大きいという意味もありますが、外見だけでなく中身も含めた偉大さを表す言葉らしいです。これは、ビックカメラ創業者の新井隆司氏が、かつてバリ島を訪れた際に現地の子供たちが使っていた事に感銘を受けて社名に使ったとの事です。

シェア3位は13.0%のエディオン。エディオンは元々、デオデオとエイデンの共同で設立された会社であり、その後ミドリ電化と石丸電気を吸収合併して、エディオンというブランドに一本化され、現在に至ります。つまりエディオンは、中規模家電量販店が集合して再編された会社という事です。もう1社ほど大型の合併があれば、業界2位のビックカメラを追い抜ける計算です。

このように、現在の家電量販店のシェアトップ3は、他の企業を子会社化や吸収合併し、スケールメリットを追求する事で勢力拡大してきました。売上金額は大きくとも薄利多売なので、仕入価格を下げたりドミナント効果を追求するしかないのが、家電量販店業界の現状です。

家電量販店の市場規模と企業シェアまとめ
・近年の家電量販店の市場規模は縮小傾向
・シェアの1位のヤマダ電機は郊外への大量出店で売上を拡大してきた
・大手家電量販店は合併によるスケールメリットを追求するしかない?

このように、家電量販店の置かれた状況は中々厳しいです。2020年には東京オリンピックを控え、4Kテレビの普及を期待しているようですが、消費者の反応は冷淡で望み薄です。消費税の10%への増税リスクも燻っており、家電量販店の生き残りは激しさを増しそうです。

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