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世界の森林が減少・増加している国ランキング

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地球の陸地面積のうち約3割・40億ヘクタールが森林とされています。この森林面積は、20世紀には急激に減少していきました。理由は宅地や農地の開発、途上国での焼き畑農業の増加、エネルギーや木材資源目的での伐採などです。

しかし世界には、森林面積が減少している国ばかりではなく、植林等によって回復・増加している国もあります。以下は森林が増加・減少している国のランキングトップ10のグラフです。

※ソース;森林・林業学習館。数値は2010年までの年間平均の森林の増加・減少量

最も森林が減っている国はブラジルで、年間264万haもの減少となっています。アマゾン川流域の熱帯雨林は地球上で最大規模ですが、その量は急激に減少しているのです。

森林が減少しているランキング上位の国は、アジア(インドネシア・ミャンマー等)、南米(ブラジル・ボリビア・ベネズエラ)、アフリカ(ナイジェリア・タンザニア等)、と多地域に渡っているようですが、実は全て赤道付近・熱帯地域の国です。

そして森林が減少している国々は全て新興国・発展途上国であり、経済発展のために山林が切り開かれているのです。ジャングルが山火事などの自然災害で消滅する事も少なくないですが、大半が人間の手による開発の影響です。インドネシアなどは、約半分が法律を無視した違法伐採である・・・という統計もあるくらいです。

森林減少はブラジルが、増加は意外な事に中国が1位

一方でアメリカやヨーロッパ諸国(フランス・イタリア・ノルウェー等)は、かつては森林伐採が盛んでしたが、その弊害を埋め合わせるために植林が盛んで、森林の量は増加傾向です。

そして森林の増加ランキング1位は、何と!中国なのです。日本では、経済発展を優先させるために環境破壊が深刻だ・・・というイメージが強い国です。日本では毎年春先に、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠からの「黄砂」で悩まされているのも、中国の環境破壊が原因とされています。


※万里の長城も緑豊かな地域を通っている

しかし実際には、中国の内陸が全て砂漠化・環境破壊され尽している訳ではありません。例えば万里の長城といえば、枯れ果てたハゲ山・緑が少ない岩山の上に連なっている姿を想像しがちですが、あれは北京周辺の観光地となっている部分の話です。上記の写真のように、緑豊かな山々の間を連なっている地域も数多いのです。

中国政府も環境破壊の問題は認識しており、近年では大規模な植林を行っているのです。中国が環境改善に取り組むことは、世界全体から見ても好ましいことではあります。

世界の森林が減少・増加している国ランキングまとめ
・森林減少が最も多いのは、ダントツでブラジル
・その他、熱帯地域の国で森林減少が著しい傾向にある
・最も森林の増加している国は。意外にも中国

日本でも20世紀中盤まで、大量の森林伐採を行ったため、水害による土砂崩れなど大きな問題が起きたため、大規模な植林が行われました。しかし未熟な計画の植林が、春先に大量のスギ花粉が飛散する事になり、花粉症が国民的大問題に発展したのは皮肉な結果です。

中国やインドなど、環境意識の低い途上国が植林を増やす事は、表面上は良いことのように見えますが、近い将来に別の大きな社会問題を生まないか?心配なところです。

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