HOME > 国と地域 > 訪日外国人の一人当たり支出の国別ランキング
ここ数年、訪日外国人(インバウンド)が右肩上がりで増加しています。日本政府観光局の発表によると、2016年の訪日外国人の数は前年比21.8%増の2404万人で、過去最高を記録しています(関連;インバウンド(訪日観光客)の市場規模と内訳)。
以下の表は、2016年の訪日外国人の一人当たり支出の国別ランキングです。
※以下、データソースは日本政府観光局の公式統計より。
訪日外国人の国別支出額ランキング | ||
順位 | 国名 | 一人当たり支出 |
1位 | オーストラリア | 246866円 |
2 | 中国 | 231504 |
3 | スペイン | 224064 |
4 | イタリア | 198001 |
5 | ロシア | 190881 |
6 | フランス | 189006 |
7 | ベトナム | 186133 |
8 | イギリス | 181795 |
9 | アメリカ | 171418 |
10 | ドイツ | 171012 |
11 | シンガポール | 163210 |
12 | 香港 | 160230 |
13 | カナダ | 154977 |
14 | インド | 144261 |
15 | インドネシア | 136616 |
16 | マレーシア | 132354 |
17 | タイ | 127584 |
18 | 台湾 | 125854 |
19 | フィリピン | 112229 |
20 | 韓国 | 70281 |
ランキング1位は、意外にもアメリカでもヨーロッパの国でもなく、オーストラリア(約24万円)です。次いで2位が23万円の中国、3位が22万円のスペインと続きます。近年は中国人による爆買いが大きなニュースになっていますが、それよりもオーストラリアの方が支出は上回っています。以下の表は、オーストラリアと中国の一人当たり旅行支出を比較したものです。
宿泊料金 | 飲食費 | 交通費 | 娯楽費 | 買い物代 | その他 | 総額 | |
オーストラリア | 99802 | 51201 | 40169 | 17958 | 37587 | 150 | 246866円 |
中国 | 44126 | 38943 | 19917 | 5014 | 122895 | 609 | 231504円 |
やはり爆買いと呼ばれるだけあって、中国からの観光客は買い物代が極めて多いです。彼らの需要を取り込もうと、日本の百貨店や家電量販店が「銀聯カード」や「支付宝(アリペイ)」に対応するなど躍起になっている事は周知の通りです。
しかし、中国はそれ以外の項目が軒並み低めで、特に宿泊料金はオーストラリアと比較して5万円以上安いです。中国人は日本に買い物目的で訪れるケースが多く、他の事には極力お金を使わない傾向が分かります。一方で、オーストラリア人にはスキーがとても人気で、北海道の観光地に泊まる人が多いです。それが宿泊料金や娯楽費が高くなっている理由です。
そして一人当たり旅行支出ランキングの最下位は、ダントツで韓国です。2016年の訪日韓国人の数は509万人と中国(637万人)に次ぐ多さなので、全体としての消費額は多いのですが、一人当たりで見れば中国人の3分の1以下に過ぎません。
上記表には記載していませんが、平均宿泊数は多くの国が10日前後であるのに対し、韓国人は4.5日と最も短いです。ソウルの仁川国際空港から羽田・成田空港へは2時間半、関空なら2時間程度で着くので、日帰り旅行も可能なほど近い事も影響しています。日本では、共に反感を持つ口コミが多い中国人と韓国人ですが、経済政策としてどちらを優遇すべきかは、消費額の差を見れば明らかです。
訪日外国人の一人当たり支出の国別ランキングまとめ
・訪日外国人の一人当たり支出のトップはオーストラリア
・中国人は買い物に多くのお金を使うが、それ以外の出費は少ない
・最下位はダントツで韓国
近年は台湾やベトナムやタイなど、親日的な東南アジア諸国からのインバウンドも激増していますが、一人当たりの消費額では中国人に遠く及びません。マナーの悪さなどから不評の口コミが多いにも関わらず、デパートや家電量販店が中国人観光客を優遇する理由は、この消費額を見れば納得させられますね。