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中国の実質GDP成長率の長期推移

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中国の実質GDP成長率(経済成長率)に関する過去50年間の推移グラフです。中国は、2010年にGDP(国内総生産)の総額が日本を上回り、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になった訳ですが、21世紀に入って日本より圧倒的に成長率が高かったことが原因です。

★中国の実質GDP成長率の長期推移〜目次
1.中国と日本の実質GDP成長率の比較グラフ
 1990年台からは成長率の差が顕著
2.人口増加が中国経済の成長を支えてきた
 逆に人口増加が頭打ちの近年は、GDP成長率も鈍化
3.中国のGDPは偽装されている!?
 共産党内の出世構造から、経済指標の水増しは必然と思われる

中国と日本の実質GDP成長率の比較グラフ

以下は、1960年代以降の中国と日本の実質GDP成長率を比較したグラフです。最新データの2017年は、年率6.3%でした(マウスオーバーすれば、年と成長率の数値が表示されます)。

※データ出典;Google Public Data(出所;世界銀行統計)

実質GDP成長率とは、実際の国内総生産の増加量から、物価変動を除いた数値です。従って、インフレだろうがデフレだろうが関係なく、その国の真の経済成長を把握できます。

戦後の中国経済は、稀代のボンクラ独裁者=毛沢東が「文化大革命」「大躍進政策」などのポンコツ政策を乱発して、経済を崩壊させました。無茶な鉄鋼生産計画で粗悪品を作りまくったことや、すずめ駆除により大飢饉を招いたことなど、毛沢東の無能さには枚挙に暇がありません。

それが、ケ小平による改革開放路線が始まった1978年以降は、経済成長の水準が一気に上がりました。天安門事件の前後〜1990年頃は大きく落ち込みましたが、その後は人民元の切り下げなど強引な手段を行って市場経済化を加速させたことで、1960年代の日本のような高度経済成長期に入ったのです。

人口増加が中国経済の成長を支えてきた

1970年代後半からの高いGDP成長率の源泉は、人口の急増でした。勿論、技術や社会インフラが洗練された先進国より、発展途上国の方が成長余地が大きいので、GDP成長率は高くなりやすい面はあります。しかし、国のGDPに最も影響が大きいのは、消費者=人口の増減です。

人が増えれば、それだけモノの消費が増えるので、経済成長が加速するのは当たり前です。現に、日本の高度経済成長期も人口が激増した時期と重なっています。

★関連ページ;中国の人口推移と将来の予測

一方で、2008年のリーマンショック以降に、中国のGDP成長率が大幅鈍化した理由も、単に世界的な不況の煽りを受けただけではありません。人口増加が鈍化してきた事の影響も大きいのです。日本が1990年代以降に、実質GDP成長率がゼロ近辺の極めて低水準に陥ったのも、バブル崩壊や日銀のデフレ容認政策だけでなく、人口増加が頭打ちになった事も大きな原因です。

中国のGDPは偽装されている!?

このように統計上では、中国は高い経済成長を続けてきたことで、GDPが世界第2位に躍り出たことになっています。しかし近年、中国の経済統計の多くは「偽装されている」と指摘する専門家が増えており、公式に発表されるGDP成長率も「水増しされている可能性が高い」というのが定説となっています。

ご存知のようにチャイナは、中国共産党の独裁政権で支配されており、民主的に政治家が選ばれることは無い社会です。そして共産党内部の出世抗争は、各地域での経済実績により評価されるというのです。従って政治家は、地元の経済をよく見せるために、様々な無茶な政策を行い、景気をかさ上げしています。中国各地に「大きなビルは沢山あるが、人は全然居ない」というゴーストタウンが増加しているのも、地方の政治家・役人が需要無視で景気対策だけのために公共工事を行うからです。

GDPの偽装は、単なる推測ではなく、経済活動と関連の深い「電力消費量」や「貨物輸送量」などの伸び率が停滞していることからも証明されています。「実際にはマイナス成長では?」とまで言う専門家も居るくらいです。

中国の実質GDP成長率の長期推移まとめ
・1990年代より二桁の経済成長率を続けたが、近年は鈍化
・人口の増加が止まった事が大きな理由
・そもそもGDPの統計が偽装されている可能性大!

このように、中国は「名目上は」世界第2位の経済大国と表されますが、水増しを除いた実際のGDP統計では「日本よりはるかに下だ」という専門化も少なくないです。人民元の切り下げによる輸出促進や、無駄な公共事業による需要喚起など、中国経済はカンフル剤を打ち続けることで持っている(ように見せかけている)だけなのです。

そして2020年以降は、中国も人口増加が止まるうえ、一人っ子政策の影響で日本以上の「超少子高齢化社会」を迎えます。習近平は「自分の代だけ持てばいい」というモルヒネ政策を続けていますが、長期的にはそのツケが回り、中国経済が日本のバブル崩壊をも上回る大クラッシュ(ハードランディング)を迎えるリスクも指摘されています。

当サイトでは、残念ながら現状の中国政府の政策を見る限り、2020年代に経済破綻・ハードランディングするだろうと予測しています。将来的には、習近平は毛沢東をも下回る「中国史上最低のボンクラ指導者」という評価を得ている可能性大でしょう。

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