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日本全国の総世帯数の長期推移

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2018年現在、日本の人口は約1億2600万人です。この数字は、1990年代後半からおよそ20年間、ほとんど変化していません。日本は少子高齢化の影響で、人口推移は横ばい〜緩やかな減少となっており、今後は更に人口減少が進む事が確実視されています。

ところが、人口の減少に反して、世帯数は増加傾向にあります。以下の表は、平成元年以降の日本の全国と東京の総世帯数の推移です。

日本全体と東京の世帯数の推移
全国の総世帯数 増減率 東京都の世帯数 増減率
1989年 4056万世帯 - 477万世帯 -
1993 4307万 106% 497万 104%
1998 4615万 113% 524万 109%
2003 4926万 121% 569万 119%
2008 5232万 129% 616万 128%
2013 5557万 137% 665万 139%
2018 5800万 143% 709万 148%

ソース:総務省「住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数」

1989年(平成元年)の全国世帯数は約4056万でしたが、2018年には約5800万世帯と1.4倍に増えています。東京都は更にその傾向が強く、この30年で477万世帯から709万世帯まで、約1.5倍の増加となっています。

日本の人口は、1989年の1億2300万人から2018年=1億2600万人と2.4%の増加に過ぎないので、明らかに世帯数の伸びの方が大きいです。上記表には未記載ですが、1975年の世帯数データは、全国が3360万、東京が378万なので、世帯数が増えているのは長期的な傾向です。

人口がほぼ横ばいなのに世帯数が多くなっている理由は、結婚しない人達が増えたことと、核家族の増加です。まず日本では、未婚の増加や晩婚化、および離婚する人が増加した事で、単身世帯が増えています。

加えて、世帯規模が縮小傾向にあり、親子三世代が一緒に住む家庭は少なくなっています。過去30年の世帯数推移は、全国の143%増加よりも、東京の148%増加の方が多くなっている事から、若者が上京して実家を離れるケースが増えている事は明白です。

若者が東京へ出ていく一方、田舎では独居老人(高齢者の一人暮らし)が増えたことで、痴呆やアルツハイマー、孤独死の増加などが大きな社会問題となっています。

核家族化〜単身世帯の増加は、経済政策の副産物?

以下のグラフは、1989年と2015年で世帯の人数内訳を比較したものです。1989年の1人世帯・2人世帯は、どちらも20%程度です。それに対し、2015年では1人世帯が26.8%、2人世帯が31.3%と、合計で60%近くになっています。6人以上の世帯は、1989年が7.6%、2015年が2.6%と、大幅な減少です。この統計からも、単身や夫婦のみの世帯が増えて、三世帯以上の大家族が減少している事は明白です。

日本の世帯人数の内訳推移

ソース:国民生活基礎調査 ※上記の表とは出典が異なるので、世帯数に若干差がある。

こうした影響から、近年の日本では「空き家」の増加が社会問題となっています。1988年の日本の空き家率は9%でしたが、2018年には約17%と、この30年で2倍近く増えています(⇒全国の空き家率の推移と将来予測)。

全国的に家余りが増加している理由は、不動産業界が金儲けのために、新築住宅・マンションを造り続けるからです。また政府としても、住宅販売は最大の経済対策になるので、まともな規制を行ってこなかったのです(⇒住宅建設の経済効果)。こうして戦後の日本では、確信犯的に住宅が過剰供給され、世帯数の増加が後押しされてきたのです。

日本全国の総世帯数の長期推移まとめ
・日本の人口は横ばいだが、世帯数は増えてきた
・東京に若者が流出し、核家族化〜単身世帯が増加している
・世帯の増加は、日本政府の経済政策の副産物でもある

こうした世帯数増加の傾向は、日本以外の先進国でも同様です。例えばアメリカの世帯数は、20年前の1997年は約1億でしたが、2017年は1億2600万にまで増えています。

アメリカは移民の影響などから、先進国では例外的に人口が増加しています(⇒アメリカの人口推移と将来予測)が、単身世帯も多くなっています。アメリカの総人口に占める単身世帯の割合は、過去20年で25%から28%に増え、日本(約27%)よりも単身世帯化が進んでいます。

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