HOME > 国と地域 > 訪日観光客の国別ランキング(2018年)
近年、日本に訪れる外国人観光客の数は増加傾向にあります。2003年に小泉純一郎首相が、訪日外国人を1000万人に増加させるというビジット・ジャパン・キャンペーンを目標に掲げました。ビザの発行条件の緩和や免税対象品の拡大など、国を挙げて外国人観光客の誘致に力を入れたのです。当時は成果は現れなかったものの、近年のインバウンド増加の要因は、小泉政権時代からの「仕込み」があったからです。
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以下の表は、2018年の訪日観光客(3100万人)の国別ランキングと、2007年以降の伸び率です。出典は日本政府観光局による公式統計です。
訪日観光客多い国ランキング | ||||
順位 | 国名 | 2018年 | 2007年 | 07年〜伸び率 |
総合計 | 3119万人 | 834万人 | +274% | |
1位 | 中国 | 838万人 | 94万人 | +791% |
2 | 韓国 | 754 | 260 | +190% |
3 | 台湾 | 476 | 138 | +245% |
4 | 香港 | 221 | 43 | +414% |
5 | アメリカ | 153 | 81 | +89% |
6 | タイ | 113 | 16 | +606% |
7 | オーストラリア | 55 | 22 | +150% |
8 | フィリピン | 50 | 8 | +525% |
9 | マレーシア | 47 | 10 | +370% |
10 | シンガポール | 44 | 15 | +193% |
11 | インドネシア | 40 | 6 | +567% |
12 | ベトナム | 39 | 3 | +1200% |
13 | イギリス | 33 | 22 | +50% |
14 | カナダ | 33 | 16 | +106% |
15 | フランス | 30 | 13 | +131% |
2018年に最も訪日観光客が多かった国は、838万人の中国です。2007年時点では韓国や台湾を下回っていたものの、その後10年で791%も増加し、トップに躍り出ました。
中国人の訪日観光客がこれだけ多くなった理由は、ビザ用件の緩和があった事もありますが、何よりも中国の経済発展が大きな要因です。中国の名目GDPは、2010年に日本を抜いて世界第2位になっています。そのため2007年の中国の一人当たりGDPは2703ドルだったのが、2018年は9633ドルと、10年で約3.5倍にも増えています。このように、中国経済が急成長を遂げたことに伴い、海外旅行に行ける富裕層の数が大幅に増え、日本を訪れる中国人観光客も増えたのです。
2013年頃からは、中国人観光客による爆買い効果もあった事で、日本のインバウンド収益は飛躍的に伸びました。しかし、中国政府は2016年に海外で購入した商品に対する関税を引き上げたため、爆買い需要は終息しており、今後は中国人観光客による消費減少が懸念されています。
2位は754万人の韓国です。2007年時点では訪日外国人の最多が韓国でしたが、中国にトップを明け渡した格好です。アジアの多くの国では、この10年で訪日観光客数が300〜400%程度アップしていますが、韓国は+190%とあまり大きく増えてはいません。韓国では近年、イ・ミョンバクやパク・クネなど強行な反日政策を掲げる大統領が続いた事が理由で、日韓関係は悪化しており、それが増加率の低さに繋がっていると考えられます。
その他も、台湾やタイやフィリピンなど、ランキング上位の多くがアジア諸国です。中国同様、経済発展により日本に来れる富裕層が増えた事、そして後述する地理的な近さが理由です。
ちなみに、この10年ほどの訪日観光客数の伸び率が最も高かったのは、+1200%のベトナムです。中国が+791%ですから、ベトナムはそれをも上回る急激な増加となっています。ベトナムは中国と同じように富裕層が増加傾向にある事から、子供に海外留学をさせる家庭が増えています。また、日本ではここ数年で中国人留学生の数が頭打ちになっており、替わりにベトナム人留学生を積極的にサポートする日本語学校が多くなっているとの事です。
一方で、アメリカやイギリス・フランスなどのヨーロッパ各国については、訪日観光客数はあまり多くありません。これは単純に、地理的に日本との距離が遠い事が理由です。
国名 | 日本との距離 | 所要時間 | 飛行機(片道)料金 |
アメリカ(ニューヨーク) | 10864km | 約13時間 | 約56000円 |
イギリス(ロンドン) | 9576km | 約12.5時間 | 約60000円 |
中国(北京) | 2100km | 約4時間 | 約28000円 |
韓国(ソウル) | 1159km | 約2.5時間 | 約8000円 |
このように、アメリカやイギリスなどから日本に来るには、半日以上の時間と約6万円の航空運賃が掛かります。一方でアジア、例えば韓国からは2〜3時間ほどで済むうえ、LCC(格安航空会社)を使えば1万円以下で来る事も可能です。世界最大の観光客数を誇るフランス(年間8千万人超)も、大半はドイツやイギリスなどの隣国からの訪問です。ゆえに今後も、訪日観光客の大半は日本に近いアジア各国になると予想されます。
訪日観光客の国別ランキングまとめ
・日本政府の政策により、訪日観光客数は増加している
・中国やベトナムなどアジア諸国の伸びが大きい
・アメリカやヨーロッパは日本まで遠いので、訪日客は少ない
安倍政権はIR推進法案を成立させており、将来カジノを含むIR特区が日本各地に建設される可能性が高まっています。様々な反対意見もありますが、外国人観光客(からの収益)を増やすにはカジノは最適なツールです。ちなみにG7(主要先進国)でカジノが無いのは日本だけです。