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世界各国のニート率の比較

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ニート(NEET)はイギリス発祥の言葉で「Not in Education Employment or Training」の略です。イギリスでのニートの定義は、16〜18歳で教育機関に所属せず、雇用されておらず、職業訓練に参加していない者とされています。一方の日本では、15〜34歳で仕事に就いておらず、家事も通学もしていない人、と厚生労働省が定めています。35歳以上の場合は単に無職と呼ばれます。

このように、ニートの定義には国によって違う場合がありますが、当サイトでは世界的な平均である「15〜29歳までの男性で定職に就いていない人(学生ではない)」をニートと扱い話を進めます。以下のグラフは、OECD(経済協力開発機構)調査の、世界の主要国のニート率(2013年基準)を表したグラフです。分母は15〜29歳までの男性総数です。

日本では「ニート=コミュ障」というレッテルが貼られがちですが、世界のニート大国にはスペインやイタリアなど、コミュ障とは対極のラテン系国家が多いです。

まず世界で最もニート率が高いのは、スペインで27.9%です。15〜29歳までの男性の4人に1人以上がニートという異常な状況です。これだけニート率が高くなっている理由の一つが、スペインは正規労働者を勝手にクビに出来ないと法律で定められている事です。労働者の立場が守られているので一見よい政策に見えますが、企業は簡単にクビに出来ない若者を採用するのを敬遠する傾向になり、かえって労働市場が硬直化し、雇用の流動性が失われたのです。

しかもスペインは2000年代中頃までは景気が良く、数百万人もの移民を受け入れていました。ところが、2008年のリーマンショックやその後のPIGS債務問題などの影響で経済が悪化し、移民の多くが失業者となり街に溢れる結果を招いたのです。このような理由から、スペインでは25歳未満の失業率が50%を超えるという「超ニート社会」となったのです。

スペインに次いでニート率が高いのが、26.4%のギリシャです。ギリシャは2009年10月に、財政赤字を偽装していた(公表値よりも大幅に膨らんでいた)事が判明し、EU危機を招きました。ギリシャ国債はデフォルト同然に陥り、国内経済が崩壊した事が、ニート率の高さに繋がっているのです。

韓国や中国のニート問題は日本と似ている・・・

韓国も、ニート率は17.0%とかなり高いです。昨今は様々な面で日韓の対立が目立ちますが、社会学的に見れば「同族嫌悪だ」という口コミも聞かれます。韓国社会は日本と非常に似ていて、社会制度が硬直化していて、権威主義・年功序列・学歴社会です。ゆえに一度就職でつまずいた学生は、人生をやり直す事が困難と言われています。韓国では、人生のレールから外れた若者がニート化する確率が高まっているのです。

なお、上記グラフには未記載(OECDのデータが無い)ですが、中国でもニートが増加傾向にあるようです。中国は経済発展著しいとはいえ都市部と農村部の差が激しく、また日本や韓国同様の学歴社会なので、就職難に陥っている若者が多いです。

そのうえ、中国では1979年から一人っ子政策が実施された影響で、甘やかされて育った子供が多く、経営者サイドからは「責任感が欠けていたり、コミュ障な若者が多い」という批判的な口コミが多いです。こうして甘やかされた子供は、社会に馴染めず、就職しても長続きせず、結果としてニートに陥りやすいのです。

こうした国と比較すると、日本のニート率は8.4%と世界的に低い水準です。OECD平均が13.3%であり、日本を下回っている国も7.9%のドイツしかないので、世界的に見てもニートの少ない国と言えます。日本ではニートの増加が社会問題としてニュースを賑わせますが、それ自体は事実なのですが、海外と比べれば実はまだマシな方なのです。

世界のニート率まとめ
・スペインやギリシャでは、若者の4人に1人以上がニート
・日本は世界的に見てニート率が少ない
・韓国や中国の失業にまつわる社会問題は、日本と似ている

当然の話ですが、その国の失業率と若者のニート率とは、高い相関関係にあります。よってニート問題を解決するには、国の経済発展を促し、失業率を下げる事が重要だというのが定説でした。しかし近い将来、経済発展がかえってニートを増やす「国栄えて民滅ぶ」的な状況に陥るかもしれません。

昨今のIT技術や人工知能・ロボットの進化、自動運転車やドローンの登場などは、人間の仕事を減らしていくとの説が支配的です。オックスフォード大学が「10年後に消える職業」という論文を発表して、物議を醸した事は記憶に新しいです。この説が本当だとすれば、経済発展・技術革新が進めば進むほど、人間の仕事が減り、若年層の失業者は増えてニート率も上昇する、という『合成の誤謬』に陥る事が懸念されます。

 
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