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都道府県ごとの人口増減率の比較

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日本の人口はおよそ1億2700万人で、この数字は2000年以降は大きな変化はありません。日本は少子化が進んでいますが、同時に平均寿命も伸びていた(高齢者が長生きしている)ので、人口変動は緩やかでした。しかし都道府県別に見ると、人口の増減率には大きな差があります。以下は平成以降で、都道府県別に人口の増減推移をまとめた表です。

平成以降の都道府県毎の人口増加率
県名 増減率 県名 増減率 県名 増減率
北海道 95% 石川 99% 岡山 100%
青森 88 福井 96 広島 100
岩手 90 山梨 98 山口 89
宮城 104 長野 97 徳島 91
秋田 83 岐阜 99 香川 95
山形 89 静岡 101 愛媛 91
福島 91 愛知 113 高知 88
茨城 103 三重 102 福岡 106
栃木 103 滋賀 117 佐賀 95
群馬 101 京都 100 長崎 88
埼玉 115 大阪 101 熊本 97
千葉 113 兵庫 103 大分 94
東京 114 奈良 100 宮崎 94
神奈川 116 和歌山 90 鹿児島 91
新潟 93 鳥取 93 沖縄 118
富山 95 島根 88  全国平均 103%

※増減率=1989年(平成元年)の人口を100%とした場合の2015年の割合

日本の人口の全国平均は、1989年から2015年で103%と微増でした。人口増加率が高い都道府県は、1位が沖縄の118%、2位が滋賀の117%、3位が神奈川の116%です。

沖縄県が人口増加率ランキングで日本一である理由は、晩年を暖かい地方で暮らしたいと考える高齢者の移住が増えている事や、福島の原発事故を恐れて関東から疎開した人が多数居たこと、出生率が1.95と高い事などが挙げられます。沖縄は現在でも長男が家を継ぐという形式にこだわる傾向があるので、男子が産まれるまで子供を作るケースが多い事が、出生率の高さに繋がっている・・・という口コミが定説です。

滋賀県が人口増加ランキング2位と聞くと、多くの人が「琵琶湖以外に何かあったっけ?」と意外に思う事でしょう。滋賀県は、大阪のベッドタウンとして移住者が多いのです。JR東海道本線を利用すれば、実は大津から大阪駅へは1時間程度で行けるので、十分に通勤圏内なのです。

琵琶湖大橋の側にある「ピエリ守山」が、客が居ないショッピングモールとして有名になりました。ピエリ守山が廃墟同然と化したのは、周辺に多数の商業施設がある事が大きな理由です。つまり、滋賀県の人口流入が多く、商業施設が充実している事の現れでもあるのです。

秋田県・高知県など田舎では人口流出が顕著

滋賀県と同様、神奈川・埼玉・千葉の3県は、東京のベッドタウンとして人口流入しています。東京は人口1350万人と世界有数の大都市ですが、人口密度も家賃の高さもダントツで47都道府県で1位なので、都内を避けて埼玉や千葉に住む人が多いのです。ちなみに東京都は「世帯数」の増加率でも全国平均を大幅に上回っています。

 都道府県の人口密度ランキング 
1位 東京 6320人/ku
2位 大阪 4631
3位 神奈川 3799
4位 埼玉 1928
5位 愛知 1457

★関連ページ;日本全国の総世帯数の長期推移

一方で、人口が減少している都道府県もあります。人口減少の多いランキングとしては、1位が秋田県の83%で、2位が同率で島根・高知・長崎県の88%です。秋田県は、平成の30年足らずの間に人口が6分の5に減少した事になります。

これら都道府県はいずれも田舎で「過疎地」と呼ばれ、市町村が合併・消滅したり、限界集落も生まれているような地域です。若者が東京へ就職先を求めて移住して、人口流出が顕著になって社会問題化しています。

都道府県の人口増加率比較まとめ
・日本の総人口はこの20年あまり変動が無い
・滋賀や神奈川など、大都市のベッドタウンで人口増加している
・秋田や島根などの田舎では人口流出が加速している

政府がいくら「地方の活性化」などと言い、補助金を付けたり道路や新幹線を通しても、就職口が乏しければ、若者は東京へ出ざるを得ないのです。地方の衰退=大都市への人口集中は、日本だけでなく世界的に起きている社会現象なので、止めるのは難しいと思われます。

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