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日本は少子高齢化が進んでおり、内需は減少傾向にあります。そんな中で今後日本企業が生き残っていくには、海外展開が不可欠です。現在でも、製造業は人件費の安い中国などに委託するのが主流ですが、今後はこれまで以上にグローバルな展開を行っていく必要があるでしょう。
以下の表は、日本企業の海外進出国のランキングです。厳密に言うと、ソースである外務省の統計では「拠点数」となっていますが、詳細の分類がないため、ここでは単純に進出企業数と捉えていますのでご了承を。
日本企業の進出が多い国 | |||
順位 | 国名 | 進出企業数 | 前年比 |
1位 | 中国 | 32313 | -3.2% |
2 | アメリカ | 8422 | 7.3 |
3 | インド | 4590 | 6.4 |
4 | ドイツ | 1811 | 1.9 |
5 | インドネシア | 1810 | 6.7 |
6 | タイ | 1783 | 3.4 |
7 | ベトナム | 1687 | 6.9 |
8 | フィリピン | 1440 | -0.6 |
9 | マレーシア | 1362 | -1.5 |
10 | 台湾 | 1152 | 2.4 |
11 | シンガポール | 1141 | 2.2 |
12 | メキシコ | 1111 | 16.1 |
13 | イギリス | 998 | -2.3 |
14 | カナダ | 803 | 0.4 |
15 | フランス | 702 | -3.3 |
16 | オーストラリア | 698 | -3.7 |
17 | 韓国 | 695 | 3.9 |
18 | ブラジル | 686 | -2.7 |
19 | ロシア | 450 | -0.4 |
20 | ミャンマー | 397 | 14.7 |
※データ出典;外務省海外在留邦人数調査統計(2017年版)より
日系企業の最多進出国は32313社の中国です。上記ランキングには、アメリカやドイツのように「商品の販売市場」として進出している国と、タイやベトナムやフィリピンのように「安価な労働力を求めて」進出している国に別れます。中国の場合、この両方に当てはまる事が、ダントツでランキング1位に居る理由です。
しかし対前年比で見ると-3.2%と、実は大きく減少しています。20世紀末までの中国は、人件費が日本の10分の1以下しかなく、製造業の下請け先として発展しました。しかし近年は、中国の経済発展が目覚しく、それに伴って人件費も日本の5分の1程度にまで上昇し、世界の工場として機能しなくなりつつあります。
一方で中国は、13億人以上の人口を要する巨大マーケットとしての魅力も大きいですが、知的財産権の侵害(パクリ製品の横行)や反日デモによる被害など、いわゆるチャイナリスクも根強いです。これらの悪影響もあり、中小企業だけでなく、パナソニックやサントリーなどの大企業でも、中国から撤退を始める会社も出始めています。
2位は8422社のアメリカです。1位の中国は、主に製造拠点・下請け労働者として進出企業が増えましたが、アメリカはもっぱらマーケットとして、つまり商品の販売先としての進出です。トヨタやホンダ等の自動車メーカー、ソニーやパナソニック等の家電メーカーなど、アメリカに工場を建てる日系企業は多数存在しますが、全てアメリカ人向けに製品を販売するためです。
近年、家電製品などは中国や韓国企業の安価な製品が世界の主流になっており、高性能な商品を高額で販売する日本企業のマーケティング戦略は通用しにくくなっており、ガラパゴス機種とも揶揄されます。国民の所得水準が高く、高単価な日本製品が売れやすいアメリカは、日系企業が勝負出来る最重要マーケットなのです。
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ランキングの3位は4590社のインドです。これまでの日本は中国への依存度が高かったですが、前述のような人件費高騰の影響やチャイナリスクの回避先として、インドなどのアジアへ工場を移転させる企業も増加しています。
加えてインドは、2025年頃に中国を抜いて世界一の人口になると推測され、将来的には最も有望なマーケットです(⇒インドの将来の人口推移予測)。自動車メーカーのスズキが、まだ市場が未成熟な1980年代からインドへ進出して実績を積み重ね、今では販売台数1位の座を不動のものにした、という大成功例もあることから、日本企業の進出も更に増加していくと思われます。
ちなみに、インド人は世界有数の親日国です。1949年にネルー首相が、親日の象徴として上野動物園にインド象を贈呈した事は有名です。両国の関係が良好のため、日本企業のインド進出はスムーズに行えるのです。この点が、反日政策を続ける中国や韓国との大きな違いです。
日本企業の進出が多い国ランキングまとめ
・中国は日系企業が最も多いが、近年減少傾向にある
・アメリカは日本企業にとって最重要マーケット
・インドは人口が増加しており、将来の市場として有望
なお、韓国は地理的に日本に最も近い国であるにも関わらず、進出企業数は695と多くありません。韓国の人口は5000万人程度で、単一国の市場としては大きくありませんし、先進国ほど高所得でもありません。かといって、中国やベトナムのように人件費が安いわけでもないので、工場を作る国としても適していません。
何より、近年の韓国は中国以上に反日感情が強く、事業展開するリスクも高いのです。このように、煮ても焼いても食えない国である韓国に、わざわざ進出する日本企業は少ないのです。