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日本は少子高齢化で、単身世帯が増えていることはよく知られています。しかし日本だけが特殊なのでしょうか?世界と比較するために、世帯人数が多い国、少ない国のランキングを調査してみました(ソース;世界統計年鑑2018)。
世界の1世帯当たり人数ランキング | |||||
多い国 | 少ない国 | ||||
順位 | 国名 | 世帯人数 | 順位 | 国名 | 世帯人数 |
1位 | ギニア | 8.6人 | 1位 | ドイツ | 1.9人 |
2 | アンゴラ | 8.5 | 1 | スウェーデン | 1.9 |
3 | セネガル | 8.2 | 3 | ルクセンブルグ | 2.0 |
4 | チャド | 7.9 | 4 | フィンランド | 2.1 |
4 | 赤道ギニア | 7.9 | 5 | フランス | 2.2 |
4 | ガンビア | 7.9 | 5 | イタリア | 2.2 |
7 | ガボン | 7.8 | 5 | リトアニア | 2.2 |
7 | ギニアザビウ | 7.8 | 5 | オランダ | 2.2 |
9 | オマーン | 6.9 | 9 | オーストリア | 2.3 |
10 | コンゴ民主共和国 | 6.7 | 9 | チェコ | 2.3 |
10 | イエメン | 6.7 | 9 | エストニア | 2.3 |
10 | パキスタン | 6.7 | 12 | 日本 | 2.4 |
世界で世帯人数の多い国ランキング1位はギニア(8.6人)です。ギニアはお笑いタレント?のオスマン・サンコンさんの出身地としても有名で、彼自身も22人兄弟(の四男)という大家族で育ちました。その他は2位のアンゴラ、3位のセネガルなど、ランキング上位のほとんどがアフリカの貧困国になっています。貧困な家庭ならば、家族が少ない方が金銭的に余裕ができると思いがちですが、実際は貧しい国ほど家族が多くなっています。
その理由の一つが、途上国では子供も労働力と考えられるためです。こうした貧困の国では子供は学校に通わず、小さい頃から畑仕事や水汲みなど、家族のために仕事をさせられるのが一般的です。末っ子の面倒は兄や姉が見る〜と兄弟が多いほど、子育ても楽になります。
他に、避妊する術を知らない(あるいは宗教で禁じられている)ケースも多い〜という理由もあります。日本でも、低学歴DQNほど若いうちに子供をもつ傾向が強いのと同じですね。
ユニセフの2017年のデータによると、国別の5歳未満の子供死亡率は、アンゴラ17位・ギニア14位・赤道ギニア11位・コンゴ民主共和国8位・チャド2位など、世帯人数の多い国が上位にランクインしています。貧困国では、子供の死亡率が高いからこそ、大勢子供を産んで一人でも生き残ってもらおうと考える側面もあるのでしょう。
また途上国では、単に子供が多いというだけでなく、祖父母を含めた親子3代・4代で暮らす人が多いのも、世帯人数が多くなる理由です。後述するように日本などの先進国では、親元を離れて独立する人が多いので、単身世帯が増えるのです。
一方で、世帯人数の少ない国ランキング1位はドイツとスウェーデン(1.9人)です。その他ルクセンブルグ・フランス・イタリアなど西欧先進国が上位を占めています。ヨーロッパの多くの国は出生率が2以下で少子化・核家族が進んでいるため、世帯人数が少ない傾向にあるのです。
日本は少ないランキングの12位で、平均世帯人数は2.4人です。昔の日本は世帯人数が多く、1950年では5.0人と、現在の倍以上の数字でした。しかし戦後、職を求めて都会に出る人が増加し、高度経済成長の恩恵で一人暮らしでも生きていけるようになったため、核家族化が進み、1世帯当たりの人数が減少したのです。
★関連ページ;日本全国の総世帯数の長期推移
こうした核家族化は、問題も多いです。これまでは老後の面倒を子供や孫に見てもらった高齢者が、ヘルパーや老人ホームを利用せざるを得ないケースが増えています。要介護者が多くなった事で、近年の介護業界は深刻な人手不足に陥っています。また一人暮らしの高齢者の増加によって、孤独死や空き家が増えている事も大きな社会問題と化しています。
1世帯当たりの人数が多い国・少ない国ランキングまとめ
・平均世帯人数が最も多いのはアフリカのギニア=8.6人
・世界的には途上国ほど子供が多い傾向がある
・日本やヨーロッパなど先進国ほど世帯人数が少なくなる
日本が歩んだように、豊かになるほど世帯人数が減るというのは、世界的に共通した流れです。例えば中国は、1950年の平均世帯人数は日本よりも多い5.3人でしたが、近年では3.0人程度にまで減少しています。最近の中国は経済発展が目覚しく、また一人っ子政策の影響で少子高齢化が進んでいる事から、近い将来、日本と同じ道を歩むことになると予測されます。