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近年の日本は、インバウンド(外国人観光客)が増加しています。2007年時点でのインバウンドは834万人に過ぎませんでしたが、2017年には2869万人と、この10年で3倍以上に激増しているのです。とはいえ、世界的に見れば日本の外国人観光客数はさほど多くありません。以下は、海外から観光客を招き入れる数が多い国のランキング(2017年)です。
世界の観光客到着数ランキング(2017) | ||||
順位 | 国名 | 観光客数 | 前年比 | 旅行・観光競争力指数 |
1位 | フランス | 8691万人 | +5% | 5.32 |
2 | スペイン | 8178 | +8% | 5.43 |
3 | アメリカ | 7694 | +1% | 5.12 |
4 | 中国 | 6074 | +2% | 4.72 |
5 | イタリア | 5825 | +11% | 4.99 |
6 | メキシコ | 3929 | +12% | 4.54 |
7 | イギリス | 3765 | +5% | 5.20 |
8 | トルコ | 3760 | +24% | - |
9 | ドイツ | 3745 | +5% | 5.28 |
10 | タイ | 3538 | +8% | - |
12 | 日本 | 2869 | +19% | 5.26 |
29 | 韓国 | 1333 | -22% | 4.57 |
※旅行・観光競争力指数とは、各国の事業環境(航空インフラ・医師の密度・犯罪コストの低さなど)に関する評価を数値化した指標です。
世界で最も外国人観光客数が多いのはフランス(8691万人)で、国の人口よりも多い観光客を招き入れています。一方で観光客数ではなく、観光収入で見るとアメリカがダントツで世界最多となります。フランスを訪問する外国人の多くは観光目的で、しかも隣国からの短期旅行が大半ですが、アメリカはビジネスマンの出張による入国も非常に多いため、観光収入では最多になるのです(会社のカネで来るビジネスマンは、節約思考が皆無なため)。
フランスが観光客数ランキング1位になれたのは、エッフェル塔やモンサンミッシェルやルーブル美術館など、魅力的な観光地が多い事だと思われがちですが、実はもっと根本的な理由が存在します。フランスは、イギリス・ドイツ・イタリア・スペインと、ヨーロッパの中でも裕福かつ人口の多い国々に囲まれている事が、何よりも大きなメリットなのです。
これらの国々とは陸続き(イギリスとはドーバー海峡トンネルで直通)なので、飛行機を使わずローコストで往来が可能です。例えばロンドン〜パリ間は、高速鉄道=ユーロスターを使えばわずか2時間15分(東京〜京都程度)という早さです。
しかもイギリス以外の国とは「シェンゲン協定」を結んでおり、国境でのパスポート確認などをせず、相互に自由な行き来が可能になっています。つまりフランスは、周囲に裕福な国が多い事に加え、出入国が簡単かつローコストという環境にある事が、観光客の多さに繋がっています。
そしてスペインがランキング2位、イタリアが5位、ドイツが9位と、やはりフランスと同様の理由で、外国からの観光客が多くなっているのです。
日本の観光客数は2869万人で世界ランキング12位です。順位はあまり高くありませんが、近年は観光客数が大きく伸びており、増加率は他の国よりも高い(前年比+19%)です。
そして日本の観光客数が増えているのも、政府がインバウンドに力を入れている事だけが理由ではありません。日本周辺の国々が経済発展し、海外旅行に行ける人口が増えてきた影響の方が遙かに大きいのです。
日本の周辺〜東南アジア諸国を見渡すと、中国・韓国・台湾・フィリピンなど、フランス周辺とは異なり明らかに裕福ではない途上国が多かったため、日本に来れる人々が少なかったのです。しかし近年は、これらの国〜特に人口が膨大な中国の経済成長が進んだ事で、来日できる観光客も増加したのです。
そして日本は、旅行・観光競争力指数も世界第4位と高い事も注目ポイントです。日本は「衛生的な環境」「安全な飲料水」「鉄道インフラ」「顧客対応度」などで世界1位となっており、外国人観光客にはメリットが大きい環境なのです。
特に注目すべきは「顧客対応度」でしょう。日本の顧客サービス〜店員のマナーの高さや親切さは世界的にも有名です。滝川クリステルが語った『おもてなし』の台詞は、今や寒い流行語となりつつありますが、外国人観光客をもてなす強力な武器を、日本は備えているのです。
世界の外国人観光客数が多い国ランキングまとめ
・1位のフランスは周辺国に恵まれた環境な事が理由
・スペインやイタリアも同様の理由で外国人観光客が多い
・中国などの経済成長で、日本への観光客は更に増えていく
ちなみに、29位の韓国は観光客数1333万人で、唯一の前年比マイナスです。韓国は仁川(インチョン)国際空港がアジア最大のハブ空港として利用されています。しかし、上記ランキングは旅行の目的地として入国しないとカウントされないので、ハブ空港でしかない韓国の観光客数は増えないのです。日本でも「韓流ブーム」が去り、むしろ様々な悪行がネットで広まったために「嫌韓ブーム」となっているので、韓国の観光戦略は崩壊しつつあるのです。